2019年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 高等学校国語

【はじめに】

 私は今回で5回目(入塾してからは3回目)の受験でした。県外の大学に進学した私は、国語と教職教養はなんとなくは勉強したものの、沖縄の文学や沖縄の教育に関する勉強はまったくやらず、やり方もわからないままでした。
 沖縄に帰ってくるにあたって、このままではいけない、という思いが強くなり入塾を決めました。私が面談をしたのが火曜日で、ちょうど人数の空きもあり、その日から授業に参加することができたのがよかったです。普段は決断までに時間がかかり、言い訳ばかりの私でしたが、この時の行動は早かったです。迷っている間にも他の受験生はどんどん先に進んでいくので、とにかく行動すること、自分を変えることが大事だと思います。
 沖縄教員塾では、学ぶ姿勢を身につけたり、視野を広げたりすることができます。受験勉強を通して教員としても人としてもたくさん成長できました。

【一次試験対策】

 沖縄教員塾のすごいところは、模試でも普段の授業中のテストでも、すぐに返却してもらえることです。返却時に模試や国語の記述は個人的に、小テストは全体に、上高先生からのアドバイスがもらえるので、すぐ復習に繋げることができます。解きっぱなしで放置することがなくなりました。
 また、授業中にわからないことを確認するために、古語辞典と国語便覧は常に手元におき、気になるところはすぐに調べるようにしていました。わからないことをわからないまま放置しない習慣が身につきました。

(1)一般教養、教職教養

 一般教養は模試の復習のみでしたが、教職教養にはある程度時間をかけました。加点や一部免除がない状態だったので、教養でもある程度の点数をとらなければならないのですが、法規の言葉を覚えることが苦手な私は、模試のたびに「もう少し教職教養をやるように」と言われるほどでした。
 効率的なことは一切できず、ひたすら声に出す、文章を丸々書き写すという方法で頭に叩き入れ、翌週のテストで覚えているかを確認し、また書き写すを繰り返しました。何回も書くことに嫌気がさしてくるので、なるべく1回で覚えようという気になりました。また、同じ学校の先生が自作した法規の穴埋め問題をいただけたので、活用して覚えていきました。

(2)専門対策
●現代文、古典

 特別なことはしていません。塾の教材を解き、復習をする、の繰り返しです。復習の時にも辞書や便覧を必ず使うことを心がけていました。頭の中でエアー生徒を用意し、その生徒に解説するつもりでやっていました。
 入塾後、年度途中で補充の声がかかりました。その学校では週末課題や単語テストがあったので、生徒たちと同じようなスケジュールで私も取り組み、生徒から質問が来ても答えられるようにしていました。

●学習指導要領、沖縄の文学

 授業中に小テストがあるのですが、短期記憶では意味がないので、授業前や休み時間はなるべく見ないようにして、ぶっつけでテストを受けるようにしました。低い点数で落ち込みますが、頭に入っていないことがすぐにわかるので、できなかったところを復習で重点的に覚えるようにしました。

●詩、短歌、国語知識

 教科書や便覧を読み、多くの詩や短歌に触れるようにしました。また、国語便覧は、授業中に確認する1冊とは別の便覧を、家でちょっとした時間に読んでいました。国語知識は勉強というより、授業で使える豆知識を探すような感覚で楽しみながら取り組みました。

【二次試験対策】

 はじめての二次試験だったので、なにもわからない状態からのスタートでした。一次試験の結果が出てからの約2週間は自分と向き合うのがつらく、へこたれそうになることもありましたが、教員塾の仲間や勤務校の先生方、知り合いの先生方に助けていただき、乗り越えられました。

●論文

 一次試験後に取り組みました。教員塾では一次の結果が出るまでは毎日論文を書くという約束があるので、県教委の文章を読み、論文を書く、をなるべく毎日やっていました。部活の大会引率で書けないときも、県教委の文章を持ち歩き、少しでも時間があれば見るようにしていました。
 二次試験までの間に実際に時間をはかって行う論文の模擬試験があるのですが、2回の中で、最後の行まで書くことができた論文と、時間がなく最後の3行ほど空けてしまう論文がありました。時間いっぱいで書き切ることができた感覚と、できなかった感覚の両方を本番前に掴むことができてよかったです。

●面接練習

 面接は過去問をみながら、自分がアピールしたいこと、言わなければいけないことをバランスを見ながらまとめていきました。
 上高先生との面接練習では、今までにないほどの緊張を感じ、震えがとまらなくなってしまいました。今までの自分にはなかった感覚でとても動揺しましたが、その後の練習では、これ以上悪くなることはないと開き直ることができました。試験本番の前に自分の癖やビビりな性格を知ることができたのはとても大きな収穫になりました。

●模擬授業

 一次試験合格発表後、上高先生が出題を予想した教材を、合格者のメンバーで割り振りし、見せ合いました。板書の仕方、目標の出し方、生徒への対応など、それぞれ個性がありとてもいい勉強になりました。
 模擬授業では工夫を凝らさなければ、なるべく多くのことを伝えなければ、と思うあまり焦って早口になってしまうことが多かったです。勤務校の先生や、知り合いの先生に授業を見ていただく中で、必ず出た言葉は「自分の普段通りを見せることが一番」でした。何回も練習を繰り返しながら、自分らしさを見直すことができたと思います。試験当日は、割り振りの際に担当になった教材が出てくれたので、初めて落ち着いて模擬授業ができた気がします。

【日常生活】

 入塾時に上高先生が「子供たちに読書しなさい、新聞を読みなさいと言うからには、教員がまずやるべきだ」とおっしゃっていました。生徒に求めるのに自分がやっていなければ、確かに説得力がないなと思い、生徒に指導すること、やってほしいことはなるべく自分でもやるように心がけました。新聞は、はじめのうちはどこに注目して読めばよいかわからず、漫然と読んでいたので、教員塾で開かれる新聞読み方講座を受けてよかったと思います。
 読書は学生時代からしていたと思いますが、好きなジャンルの本ばかり読んでいました。生徒の興味に合わせて幅広く読むことの大切さを教わり、新書を読むようになりました。読書は1日数ページずつ、と決めていましたが、なかなか止めることができずに最後まで……(翌日寝不足)という日もたまにありました。

【さいごに】

 「学ぶ」は「真似ぶ」と言われるように、私はこれまでに、たくさんの先生のアドバイスや合格体験記にある勉強法を試してみました。自分に合うものや効率的なやり方を探すなかで、学びを得たり、自分の性格を知ることができたりし、合格につながったと思います。
 これからの教員生活では、たくさんの生徒たちと関わり、大人としての振る舞いを見せることになると思います。生徒たちに真似したいと思ってもらえるような生活と行動を心がけ、何事にも謙虚な姿勢で積極的に学び続けていきたいです。