2019年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 高等学校国語

 私は3回目の受験で合格しました。はじめに、この受験してきた数年を簡単に振り返ってみます。

はじめに

平成29年度

 大学3年生の12月から本格的に試験勉強を始めました。予備校には通わず、教養は大学で出回っている資料で、専門国語は市販の教材で勉強していました。
結果:一次試験で不合格(15位)
反省:専門国語が制限時間内に終わらなかった。解けない問題にむきになって時間を浪費したことが原因。

平成30年度

 大学卒業後、4月から沖縄教員塾に授業会員として入塾し、塾講師(アルバイト:週3~4)をしながら試験勉強をしました。
結果:一次試験で不合格(28位)
反省:去年の反省を活かしきれず、専門国語が制限時間内に終わらなかった。

平成31年度

 半年間の臨任を終え、4月に再び沖縄教員塾に授業会員として入塾し、中学校で特別支援教育支援員(週5のフルタイム)をしながら試験勉強をしました。
結果:合格
反省:一次試験で初めて制限時間内に全部解き終えることができた。その結果、例年より10点以上点数が上がった。

一次試験

専門国語と教養のそれぞれの学習時間の配分は7:3ぐらいでした。以下、それぞれについて述べます。

○専門国語

 私の一次不合格の最大の原因は「専門国語を制限時間内に解き終われない」ことでした。そこで授業では、決められた時間内に問題演習を終えることを徹底しました。ただ機械的に問題演習をやればいいのではなく、自分ができないことは何なのか、常に考えながら地道に取り組むことが大事だと思います。なので、復習の時間(振り返り)も重視していました。
 上高先生はある授業の中で「決して満点を取ろうとする必要はない。合格点を目指す上では、ある程度捨ててもいいんだという大胆さも必要」と仰っていました。私はこの大胆さを手に入れるために、確実に得点できる分野の取りこぼしがないよう努めました。具体的には、学習指導要領を完璧に暗記したり、琉球・沖縄文学の知識を豊富に取り入れたり、国語常識にもある程度力を入れて取り組んだりしました。結果、これらの知識問題で悩む時間のロスを減らすことができました。それも、本番で全部解き終えることができた私なりの理由の一つだと思います。

・おすすめのテキスト

【現代文】「NEW出口現代文講義の実況中継」シリーズ(出口先生の参考書はどれもおすすめです)
【古文】(基礎編)「岡本梨奈の1冊読むだけで古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」
(応用編)体系シリーズ「体系古文」
【漢文】「センター漢文 解法マニュアル 新装改訂版」
【国語常識】「大学入試国語頻出問題1200―改訂増補版―」
「即戦ゼミ入試頻出 新国語問題総演習[改訂版]」
【文学史】「早わかり文学史」出口汪 著
【琉球・沖縄文学】「新編 沖縄の文学(増補・改訂版)」

○教職教養

 各分野の文言の暗記を中心に取り組みました。沖縄教員塾の資料などに暗記用マーカーを引いたり穴あきプリントを自作したりして、「1日100個を目標に暗記→翌朝テスト(9割以上で合格)」を繰り返していました。まずは主要な文言にザッと目を通して、全体像を把握すると見通しが持てていいと思います。最初の1周目は苦しいものですが、2周、3周と繰り返すうち徐々に暗記にかかる時間が短くなるので、一気に覚えようとするより、自分のペースで毎日継続して取り組むと長続きするし効果的だと思います。
 ある程度暗記してからは、「沖縄教員塾での演習で力試しをする→取りこぼした分野を家でもう一度暗記する」というやり方をしていました。なので教養の授業では、演習後の時間は専門国語の勉強に充てていました。

○一般教養

 特に重きを置かず、過去問と沖縄教員塾の模擬試験だけ行いました。

二次試験

○一次試験後から一次試験合格発表までの対策(論文・面接)

 私は一次試験後から二次対策を始めました。この時期は沖縄教員塾から出された論文の課題と、予想される面接の回答を考えていました。この時期で論文は10課題終え、面接の回答は80程度考えました。ここで論文・面接対策をできる限り進めておくと、その後の模擬授業の練習に集中できます。一次合格後の対策は本当に追い詰められるので、この時期を有意義に使うことが大事だと思います。私も毎日論文を上高先生に添削してもらっていました。

○一次試験合格後の対策(模擬授業・面接)

 高校国語一次合格者のメンバーとの模擬授業の練習を中心に、合間を縫って面接の練習を行いました。論文に関しては塾での2回の模擬試験に取り組む時間しかありませんでした。私含め6人のメンバーでお互いに模擬授業を見合うことができたのは、本当に勉強になりました。恥ずかしながら、初めはまったく模擬授業の構想ができなくて、不安と恐れしかありませんでした。しかし、他の方の模擬授業を見せてもらったり、自分の模擬授業についてアドバイスをもらったりすることで、徐々に構想が固まってくるのが、自分でも分かりました。自分のようにどんなに不安でも、ためらっている時間はありません。とにかくお互いに授業し合って、場数を踏むことが大事だと思います。
 私は他の方の模擬授業を見ているとき、いいと思ったフレーズはできる限りメモして、それをそのまま自分の模擬授業に取り入れていました(特に最初の導入時や、言語活動に入るまでの流れなど)。このように、まずは人の授業を真似てみることで、徐々に自分色の模擬授業を作り上げていきました。
 今だから言えるのですが、私は試験本番より、沖縄教員塾での面接・模擬授業の模擬試験の方が緊張しました。本番前にそうやって度胸をつける場を設けてもらったのも、とてもありがたかったです。

生活

 私は特別支援教育支援員として、平日8:15~16:45の決められた勤務時間で働いていました。なので、臨時等をされている方よりは比較的勉強時間を確保できました。また、本番1ヶ月前からは6時には起床し、遅くとも12時には寝るようにしていました。特に国語の問題は頭の回転やコンディションに大きく左右されるものが多いように感じます。「冷静になれば解けたのに」という後悔をしないためにも、スポーツの試合前のアップのように、試験本番に100%の力が発揮できるよう、頭を仕上げていくイメージで過ごすといいと思います。
 気分転換には読書をしていました。そこでもいくつか試験につながる読書をしていたので、最後に紹介します。
・『学校で覚えた日本の名詩』(2016年/彩図社文芸部 編纂/彩図社)
・『教科書で読む名作 一つのメルヘンほか 詩』(2017年/中原中也ほか著/筑摩書房)
・『俳句のルール』(2017年/井上泰至 編/笠間書院)
・『NHK俳句 作句力をアップ 名句徹底鑑賞ドリル』(2017年/髙柳克弘 著/NHK出版)
・『「全然知らない」から始める短歌入門』(2008年/土岐秋子 著/日東書院)
・『マンガ故事ことわざ』(2008年/田中佩刀 著・天野賢一 まんが/ライオン社)
・『新編 教えるということ』(1996年/大村はま 著/筑摩書房)

最後に

 今回合格できたことはとても嬉しいのですが、その反面、「合格に値する実力はまだ十分ではない」とも感じています。そんな私が合格できたのは、上高先生をはじめ、家族や勤務校の先生方、生徒、沖縄教員塾で出会った先生方、同期や先輩、後輩など、多くの皆さんの応援やサポートがあったからです。高校は狭き門です。しかし高校教師への志が高い人は、それにめげずに日々努力し続ける強い意志を持っていると思います。そんな方に沖縄教員塾はおすすめの塾です。私自身、採用試験を通して「なぜ高校国語教師を目指すのか」「どんな教師になりたいのか」をあらためて考え、自分自身と向き合うことができました。今後もこれまで以上に学び続けていきたいと思います。
 最後まで読んでいただきありがとうございました。この合格体験記が少しでも参考になれば幸いです。