2019年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中高共通音楽

1.はじめに

 今回、6回目の受験で合格しました。受験に向けて本腰を入れ始めたのは3年前からでしたが、自分の力だけでは一次試験すら突破できずにいました。5回目の一次試験不合格後、すぐに塾に通おうと決めました。沖縄教員塾を選んだ理由は、同僚の先生が合格されたことがきっかけです。その同僚の方が、「教員を志す身として痛い言葉を上高先生に言われるけど、そのお陰で頑張ることができた」と仰っていました。塾の様子をお聞きし、上高先生の指導方針にも惹かれ、ぜひ沖縄教員塾で頑張りたいと思い9月から入塾しました。

2.一次試験

【一般教養】

 ほとんど勉強していません。

【教職教養】

 塾からいただく教材だけで勉強していました。毎週授業のはじめに行われるテストに向けて、復習を中心に行いました。ほぼ一からのスタートでしたが、法規は「理解して覚える」ことを大切にしました。そのために、
・法規を一度ノートや教材に書く。
・わからない用語は教育用語集を引き、法規の側に書き込む。
・理解したら音読する。
・スラスラ音読できるようになったら、録音する。
・録音した自分の声を通勤時間で聞く、シャドーイングする。
という方法で覚えました。採用試験では似たような選択語句がありますが、音読していたお陰でイントネーションや舌の動きを体が覚えており、解くことができました。

【専門教科 音楽】

 過去問や中高の教科書を中心に勉強しました。今年重点的に勉強した分野は、「伝統音楽」と「学習指導要領」です。毎年この分野の点数が低いため、上高先生がして下さるような出題分析を自分なりに行いました。学習指導要領を覚える方法も、教職教養を覚える方法と同じように行いました。

3.二次試験(実技 ピアノ・歌唱・三線)

 実技は、課題曲がわかってからすぐに練習を始めました。周りの受験生は、各専門の先生にレッスンについていましたが、私は金銭面での都合上、通えませんでした。歌科の友だちや、合格された先輩方の学校へ足を運び、アドバイスをもらいに行きました。

4.三次試験

【自己アピール文】

 仕上げるのに10時間ほどかかりました。二次試験合格が決まった後に取り組んだため、大変焦った中で自分の想いをまとめるのに苦労しました。試験勉強で忙しい中だと思いますが、ぜひ、今のうちから書かれることをおすすめします。このアピール文が自分の中に一本の柱としてあることで、覚悟を決めて勉強することができました。

【論文】

 一次試験後、上高先生からメールで何度も早めに論文を提出するように言われていましたが、二次試験対策の実技対策と並行して行うことができませんでした。実技試験が終わるまでは、実技にだけ集中して対策していました。結局、三次試験までにA評価で仕上げられた論文は1題のみでした。論文対策も、試験通過する前に、いじめに関する法規を勉強した後にいじめについて1題書いてみる等、塾で学んだことを実際の現場でリンクさせる作業が大切だと思いました。もっと早くから対策していればよかったと後悔しました。

【面接】

 マニュアル(模範解答)を覚えようと思うと、まったく言葉が出てこなくなりました。一番辛い試験対策でしたが、現勤務校の校長先生に練習を見てもらったお陰で、「自分の中から言葉を出す」ことの意味が分かりました。自分の中にない想いは、面接官に見抜かれるし、何より自分自身の言葉ではないので気持ちが悪い……。三次試験一週間前は泣きながらの試験対策でした。自分の浅い経験と稚拙な考えに何度も苦しくなりました。自信がないから声も大きく出ず、無意識に手が動いてしまいました。声を出す練習というよりも、自分の答えに自信を持つことで、少しずつ前向きに受け答えできるようになりました。上高先生には、最後の面接練習でも声が小さいと言われたままでしたが、本番の試験官は上高先生より怖くなかったのと、教室が塾より響いていたお陰で一番自信を持って行えました。

【模擬授業】

 塾での対策で2回と、現初任研の先輩方(沖縄教員塾出身)や勤務校の先生方、他校種の先生方に指導していただきました。音楽は器楽(アルトリコーダーか三線)の課題でした。どの楽器や学年で出題されても大丈夫なように準備する時間はなく、リコーダーも三線も、導入の授業のみの準備でした。本番では、声の大きさや目線の配り方、しゃべりすぎないことを意識して落ち着いて臨むことができました。

5.最後に

 今までは、仕事の忙しさを言い訳に試験対策に真剣に取り組んできませんでした。どんなに疲れていても、少しの時間でも勉強時間を取ることで、それが習慣になりました。いかに時間をかけるかが大切だと思いました。また、約1年間かけてお世話になった上高先生やこれまでお世話になった先生方、職場の同僚からの支えがあったお陰で合格することができました。本当にありがとうございました。上高先生の講義が聞けないのは大変残念ですが、自ら学び続け、それを沖縄の子どもたちに還元できるように精進します。私の合格体験記が少しでも参考になれば幸いです。