2022年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語

・はじめに

 教員採用試験は、学生時代1度目は1次不合格、その後こちらに入塾をして、2度目は2次不合格、3回目で無事合格することができました。大学卒業後の2度目の受験は、試験対策1本に絞り、臨任等の勤務はしていませんでした。その年に1次は通ることができましたが、2次は通過することができませんでした。その後、現場経験を積むため臨任をスタートさせ、3回目の受験は勤務をしながらの対策でした。仕事と勉強の両立は体力気力共に維持することが大変で、3回目の受験は自信がありませんでしたが、前年から積み重ねてきた知識のお陰で1次を突破することができました。試験対策を行う中で、上高先生が取り組むべき優先順位を教えてくれるので、忙しい中でも前に進むことができたと思っています。入塾1年目は塾に通い、2年目は通信でお世話になりました。参考になるかはわかりませんが、私が入塾してから2年間取り組んだことをお伝えします。

・一次試験・専門教科

〇専門教科(国語)

 恥ずかしながら、私は1度目の採用試験は時間が足りず1/3程度の問題を自信をもって解ききることができませんでした。全分野で基礎知識が足りないことが原因だったので、基礎から教えてくれる授業のお陰でまんべんなく土台を固めることができました。塾では基本、記述式の問題で授業が進められるので、解答の根拠となる部分を文章全体から拾う力が身に付いたと感じています。
私の専門教科の勉強方法
1 その日の講義で使う問題を事前にコピーする。
2 問題を解く。解答の根拠と思う個所に線を引きながら読んでいました。
3 上高先生の解説を聞き、自分が線を引いていない部分を確認する。
4 テキストの解説を読む。
5 3週間ほど時間を空けて、同じ問題を解きなおす。

 入塾1年目は仕事をしていなかったので同じ問題を何度も解きなおす時間がありました。1度解いたことのある問題でも、時間がたつと内容を覚えていないことが多いので何度も復習していました。復習することで、意味を忘れている単語も、辞書で調べ直して繰り返すことで覚えました。

〈学習指導要領〉

 暗記するために繰り返し音読をしました。文章中の単語を穴埋め問題にして、アウトプットを行うことで記憶を定着するように意識していました。塾のテストで間違えた個所も同様、覚えるまで数回音読をして、少し時間を空けて解いてみるようにしていました。復習を行う際にも、学習指導要領は毎回必ず触れるようにし、インプットしたらすぐにアウトプットすることを意識していました。

〈現代文〉

 私は文章を読むスピードが遅く、1度目の採用試験では評論に時間をかけすぎて、失敗してしまいました。上高先生に「読むスピードを上げるためには新聞を毎日読むこと」と言われ、そこから新聞をほぼ毎日欠かさずに読みました。初めは意識していなくても、毎日続けていると確実に文章を読むスピードが上がったことを実感しました。そのお陰で、評論・小説などの問題に取り組む苦手意識がなくなりました。また、新聞だけでなく、授業のはじめに上高先生が推薦図書を教えてくださるのですが、活字を読む習慣を身に付けるため、おすすめされた本を読むことも始めました。これまでほとんど読書をしてこなかった私は、本を読むことで、読むスピードが上がったことだけではなく、教育の知識や考え方に触れることができました。
 現代文の問題を解く上で1番重要なのは、読むスピードだと感じています。活字を読む習慣と、塾での問題を復習することで現代文の点数を上げることができたと思っています。

〈古文〉

 塾で使用する問題集には直接線や印は書き込まず、コピーしたものに書き込むことで、マーカーで線を引いたり、古文単語の意味を空欄などに気兼ねなく書き込んでいました。
 単語帳は「マドンナ古文単語」を活用し、試験前までには1冊全て暗記しました。古文単語の暗記方法として、単語帳を声に出して音読することと、問題の復習で覚えるようにしていました。復習の際に、分からなかった古文単語にはマーカーを引き、その場で意味を調べました。何個も意味を持つ古文単語がある場合は、単語の横にすべての意味を書き込みました。問題文の中でわからない単語や、文法は全て調べたり、問題集の解説や現代語訳を読んで、それでも分からない場合は上高先生に質問していました。頭の中で現代語訳できるまで復習した文章は、最後必ず2回ほど音読を行いました。

〈漢文〉

 塾でおすすめされた『文脈で学ぶ漢文句形とキーワード』(Z会)を1冊丸ごと繰り返し読み、漢文の基礎から語句の意味まで暗記しました。勉強方法は古文同様、分からない文法や単語にはマーカーを引き、意味を書き込みました。復習を終えた問題は必ず音読をしていました。

〈漢字〉

 漢字テストで書けなかった漢字は、辞書で意味を調べ、プリントの下に意味を書き込んでいました。また、語句の意味を調べるのと同時に、例文をみてどのように使われるのか知ることで覚えやすくなりました。間違えた漢字は復習し、後日時間を空けて解きなおしていました。

〈国語・沖縄に関する問題〉

「沖縄の文学」を読み、よく出る語句の意味については簡単に説明できるようにしていました。沖縄出身の作家と著書については、塾の問題でたくさん出てくるので何度も解いて暗記しました。

〈教職教養・一般教養〉

 教職教養は塾の教材を繰り返し解き、法律などの文章はひたすら音読をして暗記しました。教職教養は幅広いので手あたり次第に取り組むことはせず、出題分析をもとに上高先生から取り組むべき優先順位が伝えられるので、よく出る箇所に絞って取り組みました。YouTubeでも教職教養について解説しているチャンネルがあるので、通勤中の電車・バスの中ではその動画を繰り返し視聴していました。音読やYouTubeで暗記した単語をアウトプットするために、塾の教材や模試を何度も繰り返し解きました。一般教養の勉強は特にしていません。

・二次試験

〈模擬授業〉

 二次対策のオリエンテーションで、模擬授業は入塾1年目「少年の日の思い出」、2年目「故郷」と上高先生の予想が的中、そのお陰で試験内容が発表される前から教材研究をすすめることができました。一次試験合格発表後、試験内容が発表されてそこから本格的に授業づくりに取り組んでいきました。私は中学校での臨任経験がなかったのですが、とても環境に恵まれ、大学時代の恩師や、教育実習でお世話になった国語の先生に何度も授業をみていただきました。私は自分から行動しない限り、周りに中学国語の模擬授業をみてもらえる人はいなかったので、大学時代の友人の知り合いの国語の先生を紹介してもらったりと、とにかく周りの力を借りながら授業づくりを行いました。私の模擬授業を見ていただいた管理職の方に、「誰にでも伝わる授業が大切」だと言われ、国語の長い物語文を読むことが苦手な生徒を意識しました。本番でも、国語専門の試験官以外の方は、他の教科だということもあり、みんなに分かりやすく、生徒に苦手意識を生まない工夫を模擬授業の中で取り入れました。

〈面接対策〉

 面接練習は、勤務校管理職の方々と1回、教育実習を行った母校の管理職の方と1回、友人の勤務校の管理職の方と1回、上高先生と2回、計5回行いました。学校の夏休み中、感染対策を徹底して、面接練習を引き受けてくださいました。面接の内容については、メールで上高先生に採点してもらったものを、教室で声に出して何度も読みました。場面指導は上高先生から送られてきた課題を、録画で送り添削してもらいました。生徒へ話すスピードなどは自分で意識しづらい部分なので、何度も練習しては添削をしてもらうことを繰り返して、慣れていきました。本番、上高先生に添削していただき、たくさん練習した課題が出されたのでとても安心してやり切ることができました。
 また、面接対策の中で上高先生から「面接は試験官と会話のやり取りをする場所。試験官が、将来この人と同じ職場で働きたいと思える人が合格する。」と伝えられていたので、本番では「試験官に自分のことを知ってもらえると嬉しいな。」という気持ちで落ち着いて話すことができました。

・生活

 入塾2年目は、はじめて学校現場で臨任をスタートさせ、採用試験の勉強をすすめました。働きながら勉強時間を確保することは、気力・体力的にも大変でした。忙しい中でも、睡眠時間は確保し心と体の健康を第一に考え、体調を崩した時は、休むこともありました。臨任経験のよさは、2次の面接で自分が体験したこと、生徒との関わりの中で感じた喜びを具体的に話すことができるところだと思います。2次試験で不合格となった年はまだ社会経験がなかったので、ありきたりな回答になってしまっていました。現場で働きながら、生徒と共に成長できたこと、入塾2年間で採用試験を突破する学力をつけることができたことが重なり、今回合格することができたと実感しています。

・おわりに

 入塾1年目は採用試験の勉強しかしていなかったので、自習に充てられる時間がたくさんありました。私が自習をする際心掛けていたことは、手の届く場所にスマホを置かないことです。普段私は図書館で自習をしていましたが、スマホは車の中に置いていました。自習時間は50分、休憩時間は10分と決め、休憩時間に車に戻ってスマホを確認するといった特殊なルーティンで毎日自習を行っていました。私がこのような自習スタイルを行ったきっかけは、上高先生の推薦図書「スマホ腦」を読んだことがきっかけです。塾での授業は、上高先生の話が聞けるところも私の楽しみの1つでした。毎回講義の初めに、推薦図書や新聞の切り抜きを紹介してくださり、興味を持って自分で調べるようになりました。上高先生から聞いた話や、推薦図書から得た知識や考え方は、現在教育現場で生徒と関わる際の私の基盤となっています。思い返せば、入塾せずには教員採用試験の試験範囲、内容は自分一人の力で取り組むことはできませんでした。塾の教材や、上高先生からの心強いアドバイス、2次対策を引き受けてくださった周りのお陰です。一次試験当日、昨年は1/3の問題を自信を持って解ききれないままタイムアップしてしまいましたが、入塾した年の試験では7分ほど時間を残し、確認時間に回すことができました。1次試験の順位は、2年連続とても良い結果で、正直ここまで学力が伸びると持っていなかったので、自分でも驚きでした。入塾して、勉強の優先順位、自己管理、教員としての姿勢を学ぶことができたことは本当によかったと思っています。
 最後になりますが、上高先生をはじめ、これまでお世話になった家族、友人、同僚のサポートのお陰で今回合格することができました。これからも感謝の気持ちを忘れずに、生徒の成長に寄り添い、常に成長し続ける教員になります。本当にありがとうございました。