2022年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語

1. はじめに

 私は、現在民間企業に勤めており、3人の子育てをしながら今回合格することができました。受験回数は今年で3回目、一次試験通過は初めてです。2年間は独学、最後の1年間は沖縄教員塾へ通いました。2回目受験時、一次試験結果発表まで二次試験対策をしていました。大学を卒業してから民間企業に勤めていたため、悪戦苦闘するのは最初から分かっていたことですが、経験の有無を抜きにしても今の自分では何かが足りないと自覚した年になりました。この先だらだらと勉強を続けるのではなく、何としてでも次で合格したい、そう決めて塾を考えるようになり、友人が通っていた沖縄教員塾を考え始めました。沖縄教員塾の入塾案内資料に「合格に向けたメンターになります。」と記載されてあります。この言葉が沖縄教員塾に決めた決定打でした。上高先生は、合格に向けたメンターであり続けてくれます。限られた時間のなかで効率的に取り組み、まずは一次試験を通過することです。私なりに合格に向けて取り組んだことを記します。参考となり、やる気につながると幸いです。

2. 生活面

 平日は子どもを寝かせてから勉強、休日は子どもを預かってもらえる時間に勉強をしていました。子どもが0歳の頃は、一度寝かせても再び起きるので思うように時間を確保ができない日が続き、年齢が上がっても子ども優先で物事が進むので、曜日や時間でやることを決めて取り組むことはせず、常に目の前のこと(直近の塾の課題や復習)に取り組んでいました。全体的な勉強比率は、塾に通う前は教養5:専門5、塾に通ってからは教養2:専門8です。

3. 一次試験【教養】

〇一般教養

 対策はしていません。ただ、過去問や模試の解答にある上高先生の解説は丁寧で面白いので覚える意識ではなく読み物として読んでいました。

〇教職教養

 1~2年目は、出身大学の教職教養の講座を受講していました。講座は過去問と予想問題を繰り返すスタイルで、間違えた箇所・分からない箇所は参考書(『教育小六法』や『教育用語の基礎知識』等)を開き、関連する事柄を確認しながら復習していました。教育委員会の新たな施策や文書は、ホームページを定期的にチェックし、最新のものを確認していました。この作業は単純ですが、最新のものであるのか確認しながら進めるので結構な時間がかかります。
 塾に通ってからは、塾の教材で勉強し、復習は塾の『引用集』を活用していました。参考書では、人物に対して功績やキーワードのみの記載で覚えにくいものでも、引用集には興味を引くエピソードや人物に関連する本の紹介があるので理解度が全く異なります。引用集は読むだけでなく、直接マーカーや書き込みを入れることで自分の苦手分野、よく間違える問題の把握ができます。また、上高先生が「読んでおくこと」「必ず覚えておくこと」と強くお話ししているところは必ず読み、必ず覚えるようにしました。教育委員会の施策、文書は常に最新の情報をもらうことができ、全てを勉強時間にあてることができました。独学していた時にはひたすら暗記、試験のために暗記でしたが、上高先生の解説を聞きながら教職教養の勉強を進めると法規など勉強する意味と大切さが実感できます。

(教育法規)

 定期的に見直さないと解く際に迷うことが多々あった。なぜこの語句が入るのかを考え納得することで迷うことが少なくなる。

(学習指導要領)

 学習指導要領の目次で大体の言いたいことを覚えると解きやすくなる。学習指導要領ならではの言い回しやキーワード、方向性をつかむことが大切。

(教育史・教育心理・教育原理)

『引用集』で復習するようになってから何度も同じ間違えをすることが少なくなった。なかなか覚えられないものは語呂合わせや名前のイメージと事柄をつなげて覚える。

(沖縄県の施策など)

 文書を覚えきるまで読み込むことはせず、キーワードを覚える。一読して内容をつかむと正答数が上がる。

4. 一次試験【専門】

 どの分野にも共通していることは下記の3つです。
・分からない語句があれば紙の辞書を引く。
・国語便覧を開き、関連する事柄も含めて目を通す。
・上高先生が個別で行ってくださる解説は、なぜ分からなかったのかを気づくことができる時間なので、それまでに復習をして調べても分からなかったことを聞く。

〇現代文

・重要な文に線を引きながら時間内に問題を解く。(解く際に迷った番号に印をつける)
・解答
・上高先生の解説、テキストの解説と自分で引いた重要な文を照らし合わせる。
 どういう判断で選んだのかを振り返るようになると、自分の思考パターンが分かるようになります。なぜ間違えたか理解できることにつながるので、そもそもの解き方を見直すなど改善策が見つかります。

〇古文

・主語の補記、分からない単語に印をつけながら解く。
・解答
・問題文を全訳し、3色の蛍光ペンで分類しながら品詞分解。
・音読しながら頭で意味を考えなくても理解できるまで読む。
 まずは助動詞・頻出単語を覚えることです。読んで意味を思い出す程度の記憶では試験当日限られた時間で読むことは到底できませんでした。塾の前半授業で行う基礎教材の段階で助動詞を見てぱっと意味を答えられるようになるのが理想だと思います。単語はWeb上で『マドンナ古文単語-耳から覚える音声講座-』をダウンロードし、運転中に流して覚えました。3色の蛍光ペンで分類する復習方法は合格者の体験を聞いて試してみました。色分けをすることで、訳する時に見落としがちな助動詞や曖昧に読んでいた箇所がはっきりするのでおすすめです。また、塾の『敬語のまとめ』などその他まとめ集は、どの参考書よりも見やすく覚えやすいので復習の際は常に利用していました。

〇漢文

・時間内に問題を解く。
・基本的な句形を重点的に覚えなおす。
 直近2年間の試験に漢文の出題がなかったため力をいれて取り組みはしませんでしたが、「出題があっても解答できるように」と最低限のことはしていたつもりです。塾の『句法まとめ』を音読していました。

〇学習指導要領・沖縄の文学

 学習指導要領と沖縄の文学は授業で毎回ミニテストがあります。学習指導要領はミニテストだけで復習しても一時的な記憶で終わってしまうので、復習の際は必ず分野別学年ごと比較をしていました。塾の学習指導要領の問題を一度通してから分野ごとに復習をした方が、全く新しく取り組むよりよいと思います。学習指導要領のミニテストは覚えられているかの確認、沖縄の文学のミニテストは知識の確認兼新しい知識の取り込みとして取り組んでいました。

【復習等に使用した参考書】
『出口汪現代文講義の実況中継①(改訂版)』著:出口汪(語学春秋社)
『マドンナ古文常識217(パワーアップ版)』著:萩野文子(学研)
『古文解釈の方法(改訂版)』著:関口浩(駿台文庫)
『沖縄文学の100年』著:仲程昌徳(ボーダーインク)

5. 一次試験前~当日

 一次試験の約2週間前からは、新たな問題は解かずに繰り返し復習をしました。一次試験当日はこれまで授業で行った学習指導要領と沖縄の文学のミニテストを読み返し、忘れかけていたことを試験で思い出せるようにしました。直前にできないことばかり思い浮かべてあれこれと手を出すよりも落ち着いて臨むことができます。

6. 二次試験

〇面接

 面接ノートを作り、上高先生からの質問に回答し、添削していただきました。私は一つ一つの回答にすごく時間がかかりました。志望動機や自己PRは自分のことなのでまとめられても、現場に関することはどう答えたらよいのか(現場とかけ離れた考えをしていないか、生徒の実態に合っているか)と考えこみました。経験がないことに引け目を感じていましたが、それは面接対策が進まない言い訳だと途中で思い直し、「私が教員になって生徒の幸せを一番に考え取り組む」スタンスで進めました。面接の過去問数は数えられないほどありますが、上高先生は核となる質問を投げかけてくださるので回答しながら自分の思いや考えが深まります。その考えの根底にあるものは、これまでの経験と本や新聞で得たもの、そして上高先生のお話(上高先生の考えや教員に求めるもの、現場のエピソード等)なので、面接は自分を知ってもらう機会だと改めて実感しました。

〇模擬授業

 一次試験発表前に上高先生が模擬授業の課題を事前に予想していたため、県内で取り扱っている教科書を全て買い揃えて読み進めました。また、生徒の発達段階がつかめていないため、小学校の授業にも目を通しました。私は学校に勤めていないため、学校に勤めている友人に連絡をとり、二次試験対策を依頼しました。友人からの紹介で現場の先生方で開く研究会に参加することができ、そこで知り合った先生方が二次試験前日まで授業案の計画と練習に付き合ってくださいました。授業作りでは『問いが生まれる授業サポートガイド』『指導と評価の一体化のための学習評価に関する資料』を何度も見直しました。大学の恩師がオンラインで模擬授業の対策を開いてくださったので、他の受験生との交流や模擬授業を見せ合うこともできました。当たり前のことですが、試験当日に自信を持って臨めることが一番です。時間に余裕があってもなくても試験の日はやってくるので、一人では難しいことも周りの方の力を借りることで進むことができます。

7. 入塾の利点

 一つ目は、本と新聞についてです。私はこれまで興味のある本を優先して読んでいましたが、上高先生が毎授業推薦図書を紹介してくれることで読書の幅が広がりました。上高先生の読書量は言うまでもなく圧倒的ですが、興味を引く紹介の仕方は抜群で、今すぐにでも読みたくなります。9月の入塾時、上高先生との面談で「二次試験対策で今からできることはありますか。」と質問をしました。「本を読む、新聞を読むこと。」が上高先生の答えでした。それからは子どもと向き合う時に把握できていないこと、足りないものは何だろうと考えながら、塾の本を借りて読んでいました。新聞については、上高先生がスクラップしてくださった記事を読むことができます。どんなに対策をしていても二次試験では試験科目と自分との壁にぶつかると思いますが、本を読む新聞を読むことで得たことは必ず力になってくれます。
 二つ目は、模擬試験があることで進捗状況の確認ができることです。一次試験に向けた模擬試験は、本番同様の緊張感があり、得点と塾内の順位を知ることができます。前年の合格者の点数と比較もでき、点数を取るべき分野など上高先生からの助言もあります。模擬を行うことで時間配分の練習にもなりました。二次試験に向けた模擬試験は、本番同様に模擬授業から面接の流れで行いました。本番よりも緊張し、率直な意見をいただけるので、試験当日に向けた対策ができました。
 三つ目は、上高先生がメンターとしてあり続けてくれることです。私は民間企業で働きながら教員採用試験に挑戦してきました。応援してくれる方、難色を示される方がいました。教員として経験と研鑽を積むためにも現場で働くことが一番だと理解しています。上高先生は教員になりたい気持ちを後押ししてくれます。初歩的な質問をする私に対して段階的な説明、現場の状況、生徒目線・保護者目線・地域目線、また先を見据えた目線で話を展開してくださり、現場で働いたことのない私にとってすごく貴重でした。勉強の時間が思うように取れない時は、「子どもの成長はあっという間です。幸せな時間を大切に。」「全部復習しても受からない人もいる、全部復習できなくても受かる人もいる。」と言葉をかけていただき、今しかない子どもとの時間を改めて大切に思いながら日々を過ごすことができました。独学と違うのは、塾の教材とカリキュラムを進めることで、この勉強で良いのかと不安になることなく目の前のことに打ち込めることです。不安になっていることや勉強法で迷っていることは個別に相談し、対応してもらえます。

8. さいごに

 教員採用試験の受験を決めてから、家族・友人・先生方とたくさんの方に支えていただきました。お母さん大好きな年齢の子どもたちにはたくさん我慢をさせてしまいました。子育てをしながら勉強をすることは大変ですが、子どもがいてくれることで元気がもらえ、モチベーションが下がることがないという良いこともたくさんあります。沖縄教員塾で上高先生から学ぶことは、採用試験合格のためのメソッドではなく、常に学び続ける姿勢と教育者としての姿、人間性と多くのことがあります。必ず自身の成長につながります。入塾前に本ホームページの合格体験記を読みながら「こんなにすごい場所と感謝される先生はどんな塾なのだろう」と疑問でしたが、入塾して分かりました。教員を目指したいと考えている方には最適な場所です。私はまだスタートラインに立つ準備ができたばかりです。これから教員として生徒のために邁進していきます。本当にありがとうございました。