2022年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 高等学校国語

⑴ はじめに

 私は5回目の受験で合格しました。4回目の受験まで、大学の教員採用試験対策講座を活用したり他の予備校の教材を取り寄せて勉強したりしていましたが、臨任の仕事を言い訳に勉強を続けることができませんでした。このままでは一生合格できないと思い、紹介もあって2022年4月から沖縄教員塾に通わせていただきました。この体験記が少しでも役に立つことができれば幸いです。

⑵ 受験までの流れ

 私は4年間、臨任として高校に勤務させてもらっていました。時間をかけて対策をしたのは大学時代だけで、その時は一次30番台でしたが、年々順位が落ちていき、記念受験の教採となっていました。この状況を変えたいと思い、今年度は臨任登録をせず自宅で勉強をすることを決めました。
 2022年4月から非常勤として週に3日勤務しながら沖縄教員塾の教材を活用し一次対策をしていました。昨年度に特別支援学校二種免許を取得していたので加点があります。私の直したい性格なんですが、勉強や作業に関してはコツコツ型ではなく過集中型なので、勉強を継続するために2つのルールを作りました。上高先生からの課題だけは必ず解いて復習すること、その日に心に余裕があったら10時間以上勉強することの2つを自分の中の最低限のルールとし半年間過ごしていました。

⑶ 一次試験について

〇専門教科についての勉強の流れ
  1. 塾で指定された課題・問題を解く
  2. 解答後、間違えた部分の解説をよく読む。上高先生が作成した語句プリントを読み込む。わからない語句は辞書を引いて調べ、ノートに記録する。
  3. 1日あけて再度問題を解く。上高先生の電話指導で確認した部分を再度復習する。

 現代文も古典も同じような流れで学習していました。意識したことは、復習に多くの時間をかけ知識を増やすことです。また、復習ノートを作成し、寝る前はそのノートを見てから寝るようにしていました。
 入塾して初めて受けた塾での指導や模擬テストは酷い点数で、復習するだけで一週間が終わってしまうこともありました。ですが、5月中旬から少しずつ点数が上がり、6月ごろからは時間を意識して問題を解くようにしました。
 今までの私は手当たり次第に学習書を買って勉強していたのですが、4月から上高先生からの課題や教材を丁寧にやることを大切にしました。コロナの関係で出題範囲が狭まれる中、どこを重点的に勉強すべきか私には判断することができなかったので、指導のプロである上高先生を信じようと決めて勉強していたことが合格につながったと思っています。

○教職教養についての勉強の流れ
  1. 模擬テスト・過去問を解く
  2. 間違えた部分をノートに書く(教育法規ならなぜこの語句が入るのか考えながら覚える。人物なら、関連する言葉もセットで覚える。)
  3. 選択肢についても調べ、わからないものは塾教材で調べる。覚える。

 「参考書を読んで覚える→テストで確認→復習」の流れで勉強をしたかったのですが、入塾が遅かったので、「テストを受ける→間違えた問題に関する知識を参考書で確認→知識を増やす」ことにしました。また5月後半から模擬テストで間違えた問題をノートに記録し、それに関連する内容を覚えるようにしました(法律だったら全て書き写す)。ノートにまとめると似たような問題や同じ問題ばかり間違えていることに気づくことができ、「もう2度と書かない、間違えない! 書くのは嫌だ!」と思いながら覚えるようにしました。また、どうしても勉強に集中できない時は、ユーチューブにある教職教養の一問一答をみたり学習指導要領を音読したりしていました。私はプレッシャーに弱く、専門の国語で転ける可能性もあると考え、一次ギリギリまで専門と同様に教職教養の苦手部分を復習していました。

○一般教養について

 模擬テストのみ。特に学習しませんでした。

○一次本番

 専門教科では、漢文は出題されないと思い込んでいたので1ヶ月以上漢文をまともに勉強しておらず、焦りと不安でパニックになってしまいました。結果、現代文を解く時間がほとんどなく、自己採点でも酷い結果となってしまいました。ですが、日頃から古文に力を入れて学習をしていたことで得点を稼ぐことができました。
 教職教養では自己最高点を取ることができました。ギリギリまで苦手部分を復習したこと、日頃から専門と同じくらい力を入れて勉強をしたことが結果に現れたのではないかと思っています。

○本番で一番点数が伸びた科目

 私は6月後半になっても沖縄の文学や学習指導要領の点数が低かったので、一から塾の小テストを復習しました。小テストで間違えた部分をノートに書き写し、同じ問題を毎日読んで確認していました。一次試験ギリギリまでこの小テストを復習したおかげで、筆記試験を突破することができたと思ってます。

⑷ 二次試験について

○一次試験後から一次試験合格発表までの対策

 まずは塾でいただいた受験レポートを読み込みました。そのあと面接に対する返答をひたすら考えました。ノートに思いついた言葉を書き、iPadに答えをまとめました。思った以上に辛い作業で、自分の言葉を見つける・考えることに苦労しました。自分自身の教育に対する考えや知識がないことに反省しました。また、一次試験を突破しているのかわからない状況の中だったので、集中することができていませんでした。ですが、昨年度合格された塾生からアドバイスをいただける場を作ってもらい、そこから二次対策に気持ちが向かうようになったと思います。

○一次試験合格後の対策
面接について

 まとめたことをしっかりと相手に伝えることができるように、声を出す練習をしました。ビデオを撮ったり、通勤時間は録音した質問事項を流し、すぐに答えるように練習しました。また質問に対する答えが思いつかない時は、現場の先生方に相談しました。
 一人で練習している時は、答えを覚えることができず、正直行き詰まっていました。ですが、高校時代の恩師に面接練習をしてもらった際に、私は質問に対する答えを決めて暗記するよりも、伝えたい言葉だけ決めて、質問に対する返答をその場で考えながら話す方が得意だと気づくことができました。そこからは面接練習にストレスなく取り組むことができました。
 本番2週間前から現場でお世話になっている校長先生や教頭先生に面接練習をお願いしました。自分の考えをうまく伝えることができず、教頭先生との面接練習で涙を流してしまったこともありました。練習した分だけ自分の言葉で喋ることができるようになっていたので、本番でも緊張せずに自分らしく面接を終えることができたと思います。

模擬授業について

 課題が届いてから1週間は今までの勤務校の生徒を想定して、この教材を扱う理由を自分なりに考え、「単元を通して身につけさせたい力」を軸に授業を組み立てました。「①生徒が主体となって取り組める学習活動②自分が明るく楽しく説明できる流れ」の2つを意識して、授業を考え、現場の先生方からアドバイスをたくさんいただきました。本番1週間前まで何度も構想を組み直しました。アドバイスの取捨選択に苦しみましたが、上高先生からのご指導を軸に再度考え、本番4日前に授業が完成しました。他の受験者の方と比べると授業案から改善すべき点がたくさんあったと思います。残りの期間は授業の魅せ方を磨こうと思い、そこからは何度も何度も練習し、本番で明るく元気に授業ができるよう準備しました。

○やってよかったと思う対策方法

 高校時代の恩師や他教科の先生にも見てもらい、授業の中身よりも説明の仕方・振る舞い・声のトーンなどを中心にアドバイスをいただくようにしました。また、小学校受験者や他教科の方の模擬授業も見せてもらって、自分自身の反省につなげるようにしました。「人とのつながりを大切にする」を実感できた二次対策でした。お世話になった先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。

○本番

 台風接近で交通関係が心配だったため、5日前に近くのホテルをとり、余裕を持って試験に臨めるようにしました。寝る前に上高先生からのメールを何度も読み、これまでのノートや記録を見直して、いつもより早く寝ました。当日は会場を準備・案内されている方々の顔を見て大きな声で挨拶をし、控室でも慌てず周りを見るようにしました。
 模擬授業では練習以上に声が出て、元気よくハキハキと授業をすることができました。面接では少し早口になってしまいましたが、自分らしく伝えたいことを伝えることができました。

⑸ その他

○入塾に悩んでいる方へ

 沖縄教員塾では、個人個人に合わせた手厚い支援と合格しないといけないという適度なプレッシャーがあるので、自然と勉強に力を入れることができました。またコロナ禍ということもあり、4月後半からは自宅での学習となりましたが、定期的に送られてる通信教材や他の塾生の様子が伺える上高先生からのメールが私の支えになっていました。
 沖縄教員塾に通っていると周りに伝えると、「厳しい塾って聞くよ」とよく言われました。上高先生はひとりひとりの塾生を見て、その人に合わせて、時には厳しく、時には温かく指導をしてくださっていると思います。私はこれまで、「仕事さえやっていれば周りが認めてくれるからいいや」という気持ちで、自分と向き合うことから逃げていました。ですが沖縄教員塾を通して自分と向き合うことができ、「理想の教員像」に近づこうと努力することができました。当初は半年間自宅で一人で勉強し採用試験に挑もうとしていましたが、先輩方の話をよく聞き入塾を決め非常勤という立場を選び、現場と携わりながら勉強したことで、息切れすることなく合格まで辿り着いたと思っています。

○最後に

 今までお世話になった先生方、友人、家族、生徒たちの支えがあったからこそ合格することができたと思っています。私の教員採用試験合格に向けて協力していただいた皆さんに心から感謝申し上げます。そしてこの気持ちを忘れず、行動で示していきたいと思っています。この合格をスタートに、生徒たちのため、沖縄県の子どもたちに貢献できる教員を目指します。拙い文章ではありますが、私が伝えられることを書きました。今読まれている皆さんの一助になれば幸いです。