2023年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語
【はじめに】
大学を卒業後、非常勤講師1年、臨時的任用教員として8年間学校現場で働いてきました。平日の仕事はもちろん、土日は部活動に行き、休む日もなく、また平日が始まっていく、という日々を8年間過ごしてきました。日々の授業や教材研究、学級経営、生徒指導、部活動、保護者との連絡など、学校現場は本当に一日が目まぐるしく、毎日に充実感を感じながらも、次第に自分の教員採用試験に関しての取り組みは後回しになり、合格という言葉は、私の中から遠い存在になっていきました。授業・生徒指導・部活指導・保護者との繋がりなど一生懸命に取り組めば取り組むほど、生徒の成長の変化は大きく、とてもやりがいがあり、充実していましたが、この目まぐるしさを言い訳に、私は自分のやるべきことから目を背けていたのかもしれません。そんな中、担当している部活動の生徒たちが一生懸命に取り組んでいる姿を見て、ふと、私は目標に向かって一生懸命なのだろうか、この生徒たちに胸を張れるのだろうかと考え、採用試験にがむしゃらに取り組んでみよう! と思い、入塾を決めました。
【塾の活用方法】
私はもともと勉強が得意な方ではなく、集中力も続かない性格だと自分自身で理解していたため、塾の力を借りようと、最初は他力本願な気持ちで入塾しました。案の定、入塾1年目は仕事をしながら採用試験のための勉強をしている、という気持ちに満足してしまい、積極的に学習することができませんでした。
2年目は、この1年をどのような気持ちで取り組むか、自分の気持ちを再確認して取り組みました。この時、私は「人生でこの1年が採用試験に取り組む最後の年になる。だからこそ、この1年の大変さや苦しみを思う存分楽しんで味わおう」と決めました。
火曜日
生徒・保護者対応以外の仕事は切り上げ、できるだけ授業の始めから参加できるようにしました。授業の始めに間に合わなくても、22時までに間に合うのであれば参加しました。
※仕事後のため、眠くなったり、だらっとしてしまったりする時ももちろんありましたが、その時は生徒の顔を思い出し、授業に集中! わからなくてもとりあえず聞く、メモする、授業の合間に調べる、調べてもわからないことは上髙先生に聞く、ということを意識しました。
土曜日
部活動は日曜日の担当にしてもらい、なるべく授業に参加できるようにしました。大会などがあり授業に参加できない日は、その後に必ず塾に行くことを心掛けました。
2年目の塾での学習は、学ぶ楽しさを感じながら前向きに取り組めていました。しかし、塾の帰り道は水曜日の授業のことや、日曜日の部活動の予定を考えたりするため、気持ちが落ちることがよくありました。自宅まで1時間近くかかるため、その時間を使って前向きになれるよう、私は熱唱して自宅に帰っていました。ちなみに私がよく聞いていた音楽は中島みゆきさんの「♪時代」という曲です。「そんな時代もあったねといつか話せる日がくるわ あんな時代もあったねときっと笑って話せるわ」というフレーズがまさしく私にピッタリでした。他にも次の日が前向きになれるような曲を熱唱して気持ちを切り替えていました。
【一次試験対策】
上髙先生の「一つの教材を使って学習していくこと」というアドバイスをもとに、授業で使っているテキストと辞書(必須です!)、上髙先生が作成してくれるプリントを使い学習していきました。
全領域の学習に取り組んだ方がよいと思うのですが、過去の試験や模擬試験などから、私は古文・漢文の領域の得点が低かったため、その領域に重きをおいて学習を取り組みました。もともと古文・漢文の基礎が定着していなかったため、苦手意識が強かったのですが、最初から全てを理解できる人はいない、という私なりの考えで以下の手順で取り組みました。
- 授業内で制限時間内に解ききる。(上髙先生はよく一次試験は点取りゲームだ、どこに自分が解ける問題があるかわからないから全て解ききること、まぐれでも正解は正解である、と話していたため時間内に解ききることを意識しました。)
- 授業で上髙先生の解説を聞く。
- 授業後に自分で品詞分解し、わからない語句は辞書で調べる。
- 上髙先生の解説プリントで復習する。
上髙先生のまとめプリント(古文・漢文)を髪の毛を乾かしながら声に出して学習。
【一次試験対策を通して】
学びたいという気持ちがあってこそ、本当の自分の学びに繋がるのだと実感しました。教師側がどんなに伝えたい、学んでほしい、と感じていても、本人がその学びを得たいという気持ちやきっかけがないと、ただ知識を覚えただけで、自分の学びとして得ることはできないと感じました。全てを教えることが教育ではなく、自分でつかみ取らせるという教育をし、生徒自身の本当の学びに繋がるような上髙先生のような教育者になりたいと感じました。
【二次試験対策】
塾で合格者講話を設定してくれるため、二次試験までの流れや対策など前年度の合格者の生の声を聞き、参考にしました。
〈模擬授業〉
本当にありがたいことに、中頭地区の国語の先生方のネットワークにより、模擬授業会や個人的指導など、模擬授業を見てもらう多数の機会があり、二次試験だけでなく、普段の授業にも活かせるような様々なアドバイスや指摘を受け、とても参考になりました。たくさんのアドバイスやアイディアをいただき、やりたいことがたくさんあり、迷ってしまいそうにもなりましたが、塾の先輩方から模擬授業は詰め込みすぎずシンプルに、最後は自分のやりたいように授業を行う、ということを聞いていたので、その教えを大切にし、自分の授業の方向を固めていきました。
〈面接〉
面接をしてくれている相手のことを考えること、自分の想いをきちんと伝えること、という上髙先生からのアドバイスを常に意識しました。
受験調書に書いてあることは具体的に話せるよう準備し、面接対策でいただいたプリントや上髙先生からの質問メールを利用し、一問一答を行っていました。最初は恥ずかしくてなかなか面接練習に踏み切れなかったのですが、失敗は成功のもと、という気持ちで勤務校の校長先生、教頭先生に試験官役をしていただき、練習をしました。塾でも2回模擬試験をしていただいたのですが、1度目は緊張してしまい、自分のベストを出し切ることができませんでした。2回目はその悔しさをバネに、自分の力を出し切った模擬試験ができました。そのおかげで、本番も緊張せず、自分らしく臨めたと感じます。忙しい中、模擬試験を引き受けて下さった塾の先輩方、ありがとうございました。
【さいごに】
今まで授業・生徒指導・部活指導と毎日が充実した日々だけでなく、うまくいかず落ち込んでしまうこともありました。忙しさに心も体も疲れてしまい、時には教師という職業を諦めてしまおうか、と考えた時もありました。そんな中、諦めないで続けてこられたのは、一生懸命にがんばるキラキラした生徒の姿や、その生徒のために共に働く仲間(同僚)のおかげです。出会いに、そして環境に感謝です。
沖縄県の教員として働く仲間のみなさん! 教員を目指しているみなさん! 少しのことでもぜひ、同僚に相談してみて下さい。先輩や後輩を頼ってみて下さい。まだ9年間しか教員生活を経験していませんが、生徒のためと考えると、教員の仕事には終わりがないと感じます。未来ある生徒のために教師ができることは、一人で抱えるのではなく、仲間と共有し、楽しみ、時には励ましあうことだと思います。私が今までにもらった感動的な出会いや感謝の気持ちを、これからの未来ある同僚であるみなさんにも共有できるような存在になれるよう、精進していきます。どこかで一緒に働けることを楽しみにしています。
拙い体験記でしたが、参考になれば幸いです。
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