2023年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 高等学校家庭

○はじめに・・・

 私は24歳〜29歳までの5年間、沖縄教員塾生として上高先生のもとで学ばせてもらいました。
 5年間の私の試験の結果は以下の通りです。

・平成30年:入塾
・令和元年:2次試験で不合格
・令和2年〜4年:1次試験で不合格
・令和5年:採用試験合格

 私が沖縄教員塾に入塾したのは、臨任2年目の24歳の時でした。入塾のきっかけは、当時勤めていた高校の教頭から塾のチラシをいただいたことでした。勤務校からも近く通いやすいと思ったことと、早く試験に受かりたい! という気持ちから、入塾することを決めました。
 まず、上高先生との面談で指摘されたのが、普段から本を読んでいないこと、新聞を読んでいないこと。教師として、生徒にたくさんのことを教えるべき人が、本を読まない、新聞を読まないでは絶対にダメだということに気づかされ、入塾の面談後、すぐに近所の新聞屋さんへ行き、購読の手続きをしました。
 恥ずかしながら、今までほとんど読んでこなかった本も、ゆっくりのペースではありますが、意識して読むようにしました。(はじめは何から読めばいいのか分からなかったため、授業で上高先生が紹介する本から選んだりしました)

 入塾後の採用試験は、初めて1次試験を突破し、2次試験に進みました。
 しかし、実技試験でうまくいかず、結果2次試験で不合格となりました。
 その後、妊娠、出産をし、子育てをしながら採用試験を受け続けましたが、子育てをしながらの試験対策は、自分が思っている以上に難しく、1次試験で不合格という年が3年続きました。しかし、いつの間にか、「子育てをしている」ということが自分の中で言い訳になっていることに気がつきました。
 このままでは、ずっと変わることはできない。
 子どものためにも家族のためにも、この年で決めなければ! と決心し、そこからは意識を変えて勉強に取り掛かりました。

○1次試験について

 今年から一般教養・教職教養が免除だったため、専門試験に力を入れることができました。全国の過去問題集を購入し、家事や育児の合間の時間に解くことを意識しました。あとは、日々の教材研究と合わせながら専門の知識を深めていきました。
 子育てをしながらのため、毎日2時間! などと決めて勉強をすることは難しかったので、子どもが早く寝た時や、主人の仕事が休みの時など、空いた時間などを見つけて勉強をすることを意識しました。

○2次試験について

内容:実技試験5分(調理)、模擬授業5分、面接

・実技試験

 ここ3年ほどコロナで実技がなくなっていたため、久しぶりの実技復活の年でした。しかし、以前のように被服と調理1時間ずつなどのガッツリ実技ではなく、事前に調理の範囲が知らされて、時間は5分のみという簡素化された実技でした。
 内容は簡単な食材の切り方のみでしたが、衛生面や安全面を意識し、時間内で全ての材料を切り終えることを前提に、家での夕食作りと兼ねながら数回練習をしました。

・模擬授業

 模擬授業は、「生徒に何を伝えたいか」ということを意識しながら授業を作りました。同僚や管理者にも見せて、アドバイスや意見をもらいました。
 塾では2回授業を見てもらいましたが、声の大きさや速さ、また、実際に生徒がいることを意識するよう指摘がありました。
 私の中で、「ここまでは授業を進めたい」という気持ちがあり、5分で全てを見せなければ! と思っていましたが、上高先生から、「ここまで見せたからといって、いい授業にはならない。教師中心ではなく、生徒中心でないといけない。」と指摘を受けました。本番では塾で授業したよりも早い段階で5分が経ちました。しかし、上高先生からの言葉通り、実際に生徒とのやりとりを意識した授業ができたと思うので、予定していた所まではいけませんでしたが、焦ることはありませんでした。

・面接

 面接練習は、塾生の2次試験報告書を読んだり、上高先生から毎日来るメールでの質問に答えながらの対策でした。
 上高先生との面接練習では、「可もなく不可もなく」という上高先生の感想の通り、私の回答は無難な受け答えばかりでした。私の色がないという指摘を受け、自分が本当に伝えたいことをどうすれば伝えられるのか、ということを意識しました。
 「失うものはない。挑戦するだけだ!」という思いを持ち、本番では、自分なりの言葉で伝えることができたと思います。

○最後に・・・

 採用試験に合格する前に上高先生のもとで教師としての本質を学ぶことができたことが、私にとってとても大きな自信となりました。
 私のように子育てをしながら、採用試験を受ける方もたくさんいらっしゃると思います。「子どもがいるから試験勉強ができない」ではなく、「子どもがいるから試験勉強を頑張れる」と考えることができれば、子育てをしながらの試験勉強も、子どもが大きな力となってくれます。大変だと思いますが、自分の意識を変えられれば絶対に合格することができます。
 私は特別勉強が得意なわけでもなく、秀でた才能や特技もありませんが、教員塾に通って学んだということが、今は私の大きな武器です。
 5年間という長いようであっという間な期間でしたが、沖縄教員塾生として合格し、卒業できることを嬉しく思います。
 この体験記がこれから教師を目指すみなさんの力に少しでもなれると幸いです。