2023年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 高等学校国語
1.はじめに
年度 | 1次試験 | 1次順位 | 仕事 | ||
専門 | 教養 | ||||
平成31年度 | 60点代 | 不明 | 不明 | 高校・非常勤 | |
9月入塾 | 令和2年度 | 60点 | 46点 | 99位 | 高校・臨任 |
塾1年 | 令和3年度 | 108点 | 58点 | 32位 | 高校・臨任 |
塾2年 | 令和4年度 | 106点 | 56点 | 19位 | 高校・臨任 |
塾3年 | 令和5年度 | 134点 | 67点 一部免除 |
3位 (2次:7位) |
高校・臨任 |
私は5回目の受験、入塾して3年の受験で合格をしました。(今28歳です。)これまで1次試験の合格は一度もなく、恥ずかしいことに教員採用試験の勉強0の状態で入塾をしました。(臨任1年目の時)入塾のきっかけは大学時代の友人2人から「一緒に本務の教員になって頑張ろう!」と沖縄教員塾をすすめられたことです。友人2人はすでにこの沖縄教員塾に通っていたのでたくさんアドバイスをもらいながら一緒に勉強に励みました。(友人2人の合格体験記もご覧下さい。2021年度中学国語No.96 2020年度高校国語No.86)
塾に入るまでは新聞や本も全く読んでいなかったので、勉強の仕方や日々やるべきことなどを一からこの塾で学びました。上高先生や友人、合格した先輩方から本当にたくさんのことを教わりました。感謝の気持ちでいっぱいです。塾での3年間の勉強法や日々のやるべきこと(自分に合っていたもの、合わなかったもの、反省点、悩んでいたことなど)を全て書きますので、少しでも参考になれば幸いです。
2.1次試験について
・専門と教養のバランス
専門と教養の割合は8:2(塾1・2年目は9:1)のバランスで取り組んでいました。塾1年目と3年目は夜間土日会員で授業おわりに土曜日は20時頃まで、日曜日は14時頃まで残って復習していました。平日は毎週金曜日の仕事おわりに友人と一緒に勉強していました。塾2年目はコロナで通信会員になったので、勉強場所と時間の確保に苦戦しました。琉大や友人の中学校、勉強カフェなどを利用して朝9時から17時頃まで土日は勉強していました。なるべくBGMもない静かな場所を探すようにしました。
(1) 専門国語の授業で意識したこと
・問題が解けることよりもとにかく時間を意識する
大学受験のときには時間よりも点数ばかり気にしていた気がするので、その意味を理解するのにとても時間がかかりました。はじめは時間内に問題を解き終わることができず、後半はほとんど空欄で提出していました。上高先生から「空欄があるということは自分の中で時間内に解き終わる気持ちがないということです。」と言われてそこから何が何でも時間内に何か書いて提出できるように意識しました。記述の時は特に問題を見てから読む、文法問題はすぐに取り掛かるなど解く順番を意識していました。(※現代文は1時間以内で終わらせたほうがいいです。それ以上時間をかけると逆に読み間違えが増える傾向にありました。)
・マークシートよりも記述で力をつける
塾での問題はほとんど記述式なので、自分のわかっているところ、どこから読み間違えているのかが一目瞭然です。現代文は問題用紙にメモしながら答えをまとめるようにしていたので、マークシートの答えの選択がぶれなくなりました。「マークシートの2択まで絞れたけど最後で間違えた」というマークでよくある悩みも「悩む時点でわかっていないということです。」と上高先生がおっしゃっていて、本当にその通りだなと感じて一から復習しました。古文・漢文も現代語訳や傍線部の説明を書くときに、訳ができていない箇所が記述だとすぐにわかるのでそこに力を入れて復習しました。(助動詞、単語、句形など)
・豆テスト
自分の点数の低さに毎回ショックを受けますが、豆テストで高得点をとるために直前でノートを見て勉強するのは今の実力がわからなくなるのでやめたほうがいいと感じました。もちろん豆テストで満点や高得点をとることは素晴らしいことなのですが、何も見ずに実力で満点を連続して取れるようになるということを目標にしていました。豆テストで満点が続くと、模試でも満点がとれるようになってくるので、豆テストでは実力を試して、間違えた箇所の復習に力を入れるようにしていました。
(2) 国語の授業で問題を解いた後の解説の時間にやっていたこと
現代文
問題を解いた後、上高先生が黒板に板書している箇所と自分が本文にラインを引いている箇所が一致しているか確認していました。
古文
問題を解いた後、塾で上高先生が一人一人指名するので、そのときにどんな質問が自分にきてもいいように、ドキドキしながら頭をフル回転させて、問題文に書き込んでいました。他の塾生に当たっていても心の中で答えていました。復習するときも上高先生からきそうな質問の答えをすべてノートに書いてまとめていました。この質問が復習のベースになったので、本当にすごく力がついたと思います。主に①作者名、②時代、③ジャンル、④人間関係図(※①~④は関連した質問がくる場合があるのでそれもすべて書きだす。例:作者の他の作品、歴史物語5つ、この女房が仕えていた人物は?など)⑤品詞、⑥活用の種類、⑦助動詞の意味、⑧訳、⑨指示語が指す内容や人物など
漢文
古文と同じく上高先生からきそうな質問の答えを問題文に書き込んでいました。主に①重要単語・語句の意味、②使われている句形、③再読文字の訳や同じ意味の漢字、④指示語が指す内容や人物など
(3) 推薦図書や新聞
入塾面接のときに上高先生から「本や新聞を読まないということは人や世間に興味がないということです。」と言われ、教師として、生徒の前に立つ人として、とても恥ずかしいなと感じたのを覚えています。塾に入ってからはスマホも自然と触らなくなり、かわりに本を読む時間が増え、授業の中でも生徒に本の話や新聞記事の話をして少しずつですが、話題を広げることができるようになってきました。上高先生が本の一部を読んで紹介してくれるので、面白そう! と気になるものはメモして、自分で購入したり、塾から借りたりしていました。新聞もファイルにまとめていました。自分でも朝の時間やお昼時間を活用して新聞を読み(電子紙面)、いいなと思うものをワードに貼り付けて分野ごとにまとめていました。授業やHRの時間に配布したり、教室に掲示したりしています。
(4) 専門の復習
上高先生からも「自分が解いたときの思考の流れを覚えているうちに復習してください。」と言われていました。すぐにやったほうがいいと思います。私は主に現代文(解いた後、塾で終わらせる)→漢文→古文の順で取り組んでいました。漢文、古文は時間がかかっていました。火曜日の分は(土)の午前まで、漢文、古文は(土)(日)。
現代文
- 本文でわからなかった語句を調べる。(国語辞典や倫理の用語集などを活用)
- 本文と解説書を見ながらA4のルーズリーフ1枚におさまるように内容をまとめていました。これは自分の頭を整理するためにやっていたので、3~4時間くらい時間をかけていました。本文や解説書の中で面白いな、授業で教えたいなと思うところを探すようにしました。
古文
- 専門の授業内でも本文にたくさん書きこんでいるのですが、もう一度はじめからA4のルーズリーフに本文を写本して(2行空けて)復習していました。
- ノートに書く順番(復習の順番)は上高先生が授業で進めていく通りです。授業を思い返しながら、辞書や参考書を使って復習していました。
- 作品名(出典)、作者、時代、ジャンルについて調べる。
- 人物関係図が必要なものであれば資料集などを活用して簡単に書く。
- 古文を写本する。
- 品詞分解を簡単に書く。例:ハ行四段活用・連用形→「ハ四・用」など
覚えていない単語や上高先生の重要語句の資料を見ながら辞書で調べて書く。
その他に解説を読みながら重要な点をまとめる。
漢文
- 漢文はもう一度本文を読み、訳がきちんとできるか確認していました。そして使われている句形や重要単語を空いているスペースにどんどん書き込んでいました。上高先生の重要語句も毎回書いていて覚えるようにしました。
- 反省点・・・漢文句形の豆テストを毎日きちんと声に出して読むということができていませんでした。そのため細かい助詞をいつも間違えていて、漢文の読みに慣れることができていなかったなと反省しています。
学習指導要領
塾に入って3年勉強を続けてきましたが、専門の点数を上げるにはやっぱり学習指導要領が満点とれるかどうかだなと痛感しました。学習指導要領だけで10問×3点=30点もあるので、3問落とすだけでも約10点の差が出ます。まだ満点を取ることができていない人は、学習指導要領を確実に満点とれるように頑張ったほうがいいです。私も覚えるのにとても苦労していろいろな方法を試しました。
- 現代の国語、言語文化、論理国語、文学国語、国語表現、古典探究を少しずつ修正液で消してコピーし、繰り返し何度もやる。毎日6科目、最低1回は必ずやりました。結果、この方法が一番体系的に理解しながら覚えることができました。
- ケータイに学習指導要領を自分で録音し、車で出勤時に聞く→(※多くの合格者がこの方法をおすすめしていたので、合う人もいると思います。)私は体系的に覚えられず、文と文のつながりなどが科目をこえて頭の中でごちゃごちゃになっていました。
- 学習指導要領の豆テストをノートやファイルにまとめ、コピーして繰り返しやる→これも体系的に覚えられず、2年目でやめました。
沖縄の文学
塾の豆テストの復習として自分でルーズリーフにまとめながら覚えるようにしていました。また、塾2年目(通信会員)のときは、大学のゼミ室をお借りして勉強していて、その時にゼミ室に沖縄の文学に関する本がたくさんあったので、実際に手に取って読んで覚えました。沖縄の文学は組踊なども見に行って話の内容も覚えました。
(5) 教養の授業で意識したこと
教養の勉強は上高先生からの助言のとおり、専門の点数が低かったので、専門に時間をかけるよう、教養は授業で集中して覚えるようにしました。授業中以外はほとんどさわっていません。そして、教養も国語と同様に豆テスト直前でノートを見たり、暗記用の単語帳などをつくったりするのはやめたほうがいいです。何度も見返すためのものになってしまうので、それよりも「今」覚えるということに集中したほうがいいと感じました。豆テストで間違えた箇所は次間違えないように「今」覚えるようにしました。まずは満点をとれる分野を確実に覚えるようにしました。YouTubeにクイズ形式の動画があるので、車で聞き流して一問一答をしていました。やっていた順番は「教育法規、憲法、教育史→教育心理→沖縄の教育」などです。
3.2次試験について
受験調書
入塾してからずっと上高先生に受験調書のチェックはお願いしていました。調書の内容も初めて書くときにノートにたくさん書き出して仕上げたので、そこから内容はほとんど変えていません。なぜ教員になりたいのか、教員になって取り組みたいことなどをこの時に時間をかけて考えました。
面接
面接は上高先生からのメールに返信しながら回答を考えていました。ですが、毎回考えすぎてしまい、1つの質問を答えるためにノートに3~4ページ書き出して答えを作っていて、質問がたまってしまったので、そこは反省点です。上高先生からも「とにかくメールを見たらすぐに送るようにしてください。」とアドバイスをもらい、そこからとにかく答える練習に切り替えました。
また、塾での模擬試験以外にも学校の校長先生、教頭先生にも面接練習をお願いしました。生徒対応や県の教育などについて、そのときにたくさん学ぶことができたので、とてもよかったなと思います。自分でも塾の資料を読み込み、ノートにまとめたりしながら勉強しました。
他にも、塾での模擬試験のときに、場面指導ができていないなと痛感したので、大学時代の友人(沖縄教員塾の合格者)にお願いして場面指導の練習をしていました。いじめ対応や生徒への声かけなど、この機会に一から学ぶことができて本当によかったです。
面接練習は「①家で一人で話す練習→②友達と練習→③管理者と練習→④塾の模擬試験」という流れでした。③・④でなんとか答えられるレベルにいけるように①・②を毎日やっていました。②は電話でお願いするときもありました。
模擬授業
模擬授業は、塾の合格者の方が「中学校の教科書を全てそろえておいた方がいいですよ」とおっしゃっていたので、そのアドバイスどおり模擬授業の課題が発表されるまでには9冊(3社×3学年)全てそろえていました。結果、私は高校の教科書よりも中学校の教科書をほとんど参考にして模擬授業作りをしたので、教科書をそろえておくことをオススメします。
そして、模擬授業のレベルも合格者の方が「今勤めている学校のレベルで作ったほうがいいですよ」とおっしゃっていたので、その通りにしました。
課題が発表されてからは、学習指導要領を見ながら、自分の学校の教科書で指導事項に合った単元がないかを探しました。そして、いくつかある場合には単元間のつながりをより意識できそうなものを選びました。
今年の課題は『現代の国語』[思・判・表]【A話すこと・聞くこと】(1)イで、教材は任意だったので、教科書に忠実にというよりは、指導事項に沿った授業づくり(誰が見てもこの指導事項を教えている! とすぐわかる授業づくり)に努めました。
高校の教科書よりも【話すこと・聞くこと】の領域においては、中学校の教科書の方が単元が豊富だったので、高校の教科書の中にある単元と似たような単元を中学校の教科書から探し、用語や授業の流れを参考にしました。
私は大学時代の友人(塾の合格者)と一緒に模擬授業づくりをしていたのですが、同じ教科の先生とずっと考えていると、どんどん生徒の実態と離れた授業になってしまっていたので、他教科の先生にもアドバイスをもらいました。やはり上高先生がおっしゃっていた通り、試験本番も教科書や指導案がない初見の状態なので、初めて見た人がこの授業で理解できるのか、生徒の声を取り入れた授業になっているのかが重要だと思います。途中で上高先生からメールで「一度作ったら変えない、作りこみすぎない」と助言をいただいたので、授業の大幅変更はしませんでした。
4.最後に
入塾して、上高先生に出会って勉強面だけでなく、教師(先生)としての仕事について考えるようになったと思います。学校現場で働きながらの試験勉強は自分との闘いで、正直苦しいときもありました。特に専門の試験は毎年約10点ずつしか上がらず、模試も点数が下がることも多々あり、何度も心が折れそうになりました。ですが、友人、家族、職場の先生方、そして上高先生に何度も相談し、たくさんの方面からの助言をもらい、なんとか乗り越えることができたと思います。そして、働きながらの勉強は大変ですが、何よりも生徒との出会いや生徒の成長が教員採用試験のモチベーションになっていたと思います。ありがたいことに臨任の仕事も途切れることがなく、これまで7校の高校を経験しました。苦しくなったら生徒からもらったメッセージなどを何度も読み返して頑張ろう! と気持ちを高めていました。(2次試験にも持っていきました。)日ごろの生徒との関わりをこれからも大切にし、日々精進していきたいと思います。
長い間ご指導してくださった上高先生に心から感謝しています。本当にありがとうございました。
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