2024年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 小学校

(1)はじめに

 私は、高校を卒業後、地元である沖縄県を離れて徳島県の大学へ進学しました。大学生活では県人会に入り、沖縄県の伝統芸能であるエイサーを様々な場面で踊り、地元の良さや素晴らしさを感じることができました。また、大学の留学プログラムに参加して1か月間オーストラリアでの短期留学にも挑戦しました。大学生活から得た経験を通してグローバルな視点を兼ね備えた伝統文化を愛する沖縄県で、幼い頃からの夢であった小学校教員になりたいと強く思うようになり、沖縄県を受験しました。私は、今年度から始まった大学推薦を利用して沖縄県の採用試験に挑んだのですが、陸続きの県外ならではである沖縄県以外の自治体受験もしました。一次試験は大学が開く講座に参加したり独自の勉強方法で挑んだのですが、私の大学からは沖縄県の合格者が数少なく、試験情報がほぼなかったため、沖縄県の二次試験対策に不安を抱えていました。そこで沖縄県で教員している叔父に相談したところ、沖縄教員塾を勧められ電話を掛けました。すると県外にいてもZoomやメールのやり取りで充実した二次対策ができると知り、一次試験合格をいただいた後に入塾をしました。
 以下に、沖縄県を受験するにあたって私が取り組んだことを記したいと思います。大学推薦を利用したため一般受験とは少し異なることもありますが、採用試験合格を目指す皆さんの参考になれば幸いです。

(2)一次試験対策

 私の場合、大学推薦を利用しての受験だったので一般教養・教職教養の試験が免除となりました。ですが、沖縄県以外にも高知県、広島市を一般受験していたので、免除をいただいたとはいえ、一生懸命試験勉強に励みました。何から勉強を始めたらいいのかもわからず、大学の対策講座に積極的に参加し、学科の先輩方からおすすめの参考書を教えてもらったり、いろんな勉強方法を試したりと探り探りの試験勉強の始まりでした。
 私はまずは絶対に試験に出る学習指導要領を全部覚える勢いでひたすらノートに語句を抜き出していました。朝は7時から大学が開いているので、毎日7時から朝勉をして8時に学食で朝食を食べた後は9時から場所を図書館に移動して勉強をしていました。図書館には全国の教員採用試験の過去問が置かれているので沖縄県を解いたり、違う県を解いたりとできるだけ多くの問題に触れるようにしていました。そこで自己採点をして、自分自身がどのような問題で点数を落としているのか自己分析をして、苦手としている教科を集中的に勉強していました。20時まで学校の図書館で勉強をしたら場所を変えて、また23時ごろまで毎日勉強をしていました。朝にやった指導要領を夜にまた触れて一日の勉強を終えていました。また、ノートの使い方にもこだわりをもって取り組みました。ただノートで勉強するのではなく、後から見返しても分かりやすい自分のための参考書をつくる気持ちで、忘れやすいところや重要なところは積極的に付箋紙や色ペンを活用してノート整理をしていました。

【私が意識して取り組んでいたこと】
  • 覚えれば絶対に点数が取れる指導要領を覚える。
  • 全教科の指導要領の重要語句を一日に2回はノートに書き出す。
  • 沖縄県以外の過去問も解き、多くの問題に触れ、自分の苦手とする問題を把握するようにした。
  • 数学はできるだけ多くの問題に触れて答えの導き方の引き出しを多く持てるようにしていた。
  • 理科は一度総復習をしてからノートに自分ための参考書をつくり、見返して勉強できるようにしていた。
  • 音楽は共通教材の歌を勉強中や生活の中で常に流すようにし、自然と歌を覚える環境づくりをした。また、各学年の歌唱共通教材は語呂合わせで覚えていた。
    〇1年生 「うみ」「かたつむり」「日のまる」「ひらいたひらいた」
         「うみ で かたつむり が 日のまる を ひらいた」
    〇2年生 「かくれんぼ」「春がきた」「虫のこえ」「夕やけこやけ」
         「春がきて 夕やけ どきに 虫 たちが かくれんぼ」…
  • 理科の圧力、仕事率、オームの法則など計算の公式を付箋紙でまとめる。
  • 図工は技法を覚えるようにしていた。
◎勉強しない日をつくらない!!!

 私はもともとあまり勉強が得意ではなかったため不安だらけの試験勉強だったのですが、少しでもだらけてしまうと「どうせできなくて当たり前だし」と自分を下げてしまいそうだったため、常に周りの友達に「絶対受かる!」と堂々と公言し、「やるしかない!」という環境をつくるようにしました。でもやっぱり、いきなり勉強三昧の生活になると飽きちゃうし、やる気がなくなることもありました。そんな時は友達と遊んだり、買い物や運動をしたり、好きなことを思いっきりしてリフレッシュをしっかりしていました。だけど、朝、指導要領をやって家を出るか、夜眠る前に数学を何問か解いて寝るかというように、どんなに楽しんだ日でも少しでいいから勉強をすることに努めていました。私には、このやり方があっていて、無理することなく試験勉強に取り組むことができました。

(3)二次試験について

 私は、二次試験から入塾しました。その時もまだ大学の授業があったため徳島県のほうにいました。ですが、入塾してからすぐに、二次対策のための参考書類を送ってくれたり、Zoomでの手厚い支援、毎日のメール等のやり取りがあり、県外にいても安心して二次対策に取り組める環境づくりをしてくれました。私は県外の大学ということもあり、模擬授業や面接練習を県外スタイルでずっとやってきていました。自治体によって模擬授業の進め方や面接の流れ等も違うことが多く、沖縄県の現場を知っている先生も大学にいなかったため、大学の先生も上高先生を頼りに徳島での私の二次対策をしてくれていました。

〇面接について

 面接練習は主に大学でしていたのですが、その時も上高先生が郵送してくれた二次試験対策資料を面接官役の先生に渡して練習に取り組んでいました。より本番に近い質問での面接練習ができ、本当によかったです。私は面接ノートをつくり、答えるのが難しい質問やこれだけは絶対に伝えたいと思うことをノートに話し言葉でまとめて、家でも一人で自問自答しながら答え方の練習をよくしていました。ノートに書いたことを全て覚えてしゃべるというよりは、キーワードをしっかり押さえてその時の自分の言葉にして話していました。
 また、上高先生が毎日メールで、面接で予想される質問を送ってきてくれました。そのメールには実際に面接で答えるように話し言葉で文字を打っていました。私はメールを見たらできるだけすぐに返信するようにしていました。私の回答に対して上高先生が、しっかりとアドバイスや評価をしてくれたので、うまく答えられた日は嬉しかったです。このように常にモチベーションを上げてくれるようなサポートをしてくれました。

〇模擬授業について

 模擬授業対策も大学でしていました。合格発表後に模擬授業課題が送られてきます。今年度の課題は国語だったので、大学の国語の先生についてもらって、どんな授業をしたほうが良いか考えました。そこで私が意識したことは令和の日本型学校教育に沿った授業をすることでした。課題は「沖縄県の魅力を伝える」という授業をするようにということだったので、総合的な学習の時間と関連付けて教科横断的な授業づくりに努めました。そして完成した授業をできるだけ多くの大学の先生に観てもらい、アドバイスをもらいながら改善等に取り組みました。

〇模擬試験について

 二次試験の一週間ほど前から、塾の模擬試験が2回ありました。私は他県の試験の関係で1回目を受講することはできなかったのですが、しっかりメールで細かい説明があり、模擬試験会場までの道のりや、試験の流れをスムーズに理解することができました。実際の二次試験を終えて模擬試験を振り返ると最初から最後まで本番同様の環境と雰囲気だったので、本当に受講してよかったと思いました。模擬試験の評価表を見ながらアドバイスをしてくれたり、面接官役の先生方がメモした紙を全てもらうことができたので、試験当日までの間に自分の課題を明確に把握して改善に努めることができました。
 また私はその他にも、叔父が勤務している小学校で現場の先生方に面接練習をしてもらったり、叔父が模擬授業をみてくれたりと、県外の大学に進学した中、本当にありがたい環境の中で沖縄県の二次試験対策をさせていただきました。たくさんの人に見てもらえば、たくさんの視点からのアドバイスがもらえるので、場数を踏むことはとても大切だと思いました。

(4)最後に

 全ての試験を終えて私が思ったことは、教員採用試験は「絶対に合格するぞ!」と強い気持ちで取り組むことが大切だと思います。私自身、幼い頃からずっと夢変わらず小学校教員になりたいと思っていたので、現役合格を目標に大学生活でも様々なことに取り組みました。日頃から自分にとってプラスになることをするよう常に意識して過ごしていました。また、自分がどんな先生になりたいのかという教員像を明確に持っておくことが大切だと思います。そして、試験に臨むにあたって受けられるサポートは全力で受けたほうが良いと思います。大学の先生や、身内、友達、先輩、教員塾と、私は多くのサポートを受けて合格をいただくことができました。その中でも沖縄教員塾では専門的な支援をしてくれるので、本当に入塾してよかったです。県内大学の人だけではなく、県外大学から沖縄県の教員を目指す人みんなにぜひ紹介したいです。
 最後まで諦めず、夢を持ち続けて一生懸命取り組むと絶対に夢実現できると思います。私も残りの大学生活、採用までに環境を整えて日々精進していくよう努めます!! みなさんも強い気持ちをもって頑張ってください!