2020年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 高等学校国語

はじめに

 私は2018年から受験し、3回目の受験で合格しました。
 時間をかけたはずの2回目の受験でも一次を突破できず、国語という教科や教職教養に対する知識不足を痛感し、国語を専門的に教えていただけると思い入塾を決めました。失敗も含め、以下の体験記が皆さまの参考になれば幸いです。

受験までの流れ

 時間をかけて対策をしたのは2年目からです。その時は過去問を中心にセンター試験など大学入試の問題や教職教養ランナーなどを使用していました。2年目は塾講師のバイトをしたりしつつ、主に県立図書館などで学習を進めていましたが、傾向もつかまずいたずらに過去問ばかり解いており、結果に繋がりませんでした。
 3年目の入塾直後、10月に臨任の連絡をいただき、半年間は北部で働きながら通いました。4月以降は臨任をせずに自宅で通信添削会員として対策を行いました。

一次試験対策

⑴ 専門について

 全般に言えることは、偏りを出さずに勉強するように配慮したということです。自宅学習していた際は古典ばかりに比重を置いていましたが、結果として現代文を読むスピードが遅くなり、自ら安定した点数を取りづらくしていました。上高先生の授業では現代文古文と続けて演習ができるため、好きなように文章を切り取って勉強した気分になることなく自分の実力に向き合うことができました。
 対策とは少しずれますが、毎時間先生が関連書籍を紹介してくださるので、解いた問題や苦手な古典に関わる作品をジャンル別に二〜三作品ほど目を通すようにしていました。授業の参考にしたり、文章を読むスピードや読めるジャンルを増やすことで結果的に得点に繋がったと考えています。

ⅰ 指導要領

 毎回の小テストで間違えたところを復習中心に対策を行いました。また、臨任の時お世話になった先生から穴あきのプリントをいただき、空き時間に活用していました。

ⅱ 現代文

 評論・小説共に基本は授業の復習を中心に勉強していました。
 意識したことは、自分の読み方のクセがつかないように間違えた選択肢に拘らず進むということと、とにかく読むスピードを早めるということです。また、文中のわからないキーワードは国語便覧や倫理の用語集でチェックしました。
 実践としては、臨任で進学クラスを担当したこともあり、河合やZ会などの模試を生徒と一緒に解いたことも現代文の対策としてとても有効でした。
 私は漢字がとても苦手だったので、先生が授業の際毎回くださる漢字の小テストがとても良い練習になりました(かなり厳しい点数ばかりでしたが)。

以下、指定された教科書以外の参考テキストです。
・河合出版『得点奪取現代文 記述・論文対策』(大学受験の時に使っていたものを再利用)
・山川出版『倫理用語集』

現代文追記 : 詩について
 学生時代から特に詩の読解に対して苦手意識がある方、詩・短歌・俳句に関しての上高先生の説明はとても丁寧で読んでいて一番楽しく読めました。授業をする際にも参考になると思いますので、ぜひお勧めします。

ⅲ 古典

 基本は授業で使った問題集の復習を行っていました。臨任の時間も活用し、自作した小テストなどで単語や句法を覚えるようにしていました。
 また、源氏物語などの古典作品をひとまず毎日読むようにし、ものがたりとして古典に親しめるようにしました。
 授業では毎回文法問題を当てられるため、間違って恥ずかしい思いもたくさんしましたが、かえって「自分は一番遅れている」という自覚を持って復習に臨むことができました。

以下、指定された教科書以外の参考テキストです。
Z会出版『読み解き古文単語』(大学受験の時のもの)
いいずな書籍『みるみる覚える古文単語330』(学校で使用していたもの)
岩波新書『新唐詩選』吉川幸次郎・三好達治著

⑵ 教養について

 一般教養は過去問の復習でしか触れなかったため、主に教職教養について書きます。
 個人的な失敗なのですが、私は受験当時から教職教養に苦手意識を持っていたため、二倍ほどの時間をかけて教職を暗記したり復習していました。それでも(やはり)点数は伸びず、塾での面談の際にご指摘を受けました。
 それからは専門の対策に時間を割きつつ、教職教養は教育心理など点数を取れるところを優先して学習しました。教職教養は塾の教材を使って勉強していたため、県の出す文書以外でのサブテキストはありません。

二次試験対策

 今年はスケジュール変更が大変多く、そんな中一次合格発表前から塾生の方々とグループで討議したり、模擬授業を見せ合ったりする時間が数回でも取れたことは本当に幸運でした。
 私が結果として二次対策で取り組んだのは模擬授業、面接対策の2つのみですので、以下、その2点についてお話しいたします。

⑴ 模擬授業

 模擬授業対策は一次合格発表前から塾生の方々と教材を割り振って打ち合わせを始めていました。二次試験の事前通知が行われるまでに二つほど模擬授業を準備しました。
 課題を出された後は、大まかな授業案を準備して練習しました。結果的に二次の模擬授業後の質問でも見通しをもって授業の説明ができたため、課題が指定された際の授業案作りは必須かなと思います。
 他の方との対面での対策ができない社会的状況だったので、百均で買った黒板シートや木枠を組み立てて簡易黒板を作り、動画を撮影しながら自宅で対策を行いました。

⑵ 面接

 面接は既に書いた自己PRや志望動機をもとに自分の答えを組み立てました。また面接のアイデアノートに沖縄県教委の求める教員像を書き、自分のアピールしたいこととブレがないか確認しました。
 また個人的に模擬授業と共通して課題だったのが話すスピードでした。本番になってやっと、先生に何度も面接を見てもらったことを思い出しつつ「自分の経験や学びがA4一枚に収まるはずがない、書かれていないことを聞かれても堂々と自分をアピールしよう」と思えました。

生活について

 私は入塾して半年ほどは臨任として北部に勤務しました。先生からは「北部勤務だからといって理由もなく休んでいいことにはならない」というご指摘をいただき、専門のある火曜はできるだけ定時で退勤し塾まで通うようにしました。バス通勤だったので移動中は単語の復習などに時間を当てていました。
 4月からは自宅で対策を始めましたが、自粛期間等もあり自宅から一歩も出ない状況で、思うように勉強が進まないこともありました。そのような状況下でも、定期的に送られる通信教材や他の塾生の様子を伺えるメールが「自分一人ではない」という安心感につながりました。

最後に

 上高先生はマイペースな性格のわたしに適度な距離から厳しく、温かく指導してくださいました。もちろん個人の努力を前提としてですが、自分に合った対策ができるということが沖縄教員塾の魅力の一つであると思います。これから受験される皆さまが、それぞれの「自分の好きなところ」や「教員になりたい」と思う芯の部分を忘れず、どうか良い結果を残すことができますよう、心より応援申し上げます。