2020年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語

1、はじめに

 私は大学卒業後、2年間民間企業で働いた後、中学校で臨任として働き始めました。高校免許しか持っていなかった私ですが、中学校で働く中で、中学校で教えることに魅力を感じ、免許を取得したいと思うようになってきました。しかし、仕事があることを理由に自分に甘えてしまい、免許を取得しないまま、また採用試験の勉強もしないまま6年間が経っていました。このままではいけないと思い、2校目の臨任の3年目が終わるタイミングで、仕事を休んで大学に行くことを決意しました。また、このタイミングでしか勉強に本腰を入れることはできないとも思い、沖縄教員塾に入塾しました。
・2019年4月~7月、大学に通いながら通塾。
・2019年8月~、臨任の仕事をしながら通塾。
 入塾して最初の年は、仕事をしていなかったので、多くの時間を勉強に割くことができましたが、仕事を始めてからはやはり勉強と仕事の両立に苦労しました。また、私には4歳と1歳の子供がいるので育児も手伝いながらの勉強になりましたが、沖縄教員塾で上高先生に学んでいる中で、限られた時間でやるべきことが徐々に見えてきました。以下、参考になるかは分かりませんが、私が試験に合格するまでに取り組んだ内容をお伝えしていきたいと思います。

2、1次試験

 私は、これまで採用試験に向けての勉強をほとんどしてきませんでした。したがって、もちろん1次試験を通ったことはありません。入塾したときには国語の基礎学力も全くなく、授業のレベルにもついていくのがやっとでしたが、上高先生にも教わった通り、とにかく復習に時間をかけて取り組んで行きました。例えば古文の教材一つにしても、一から品詞分解していき、分からないところは辞書で調べた上で、もう一度問題を解いていきました。慣れるまでは一つの教材の復習に3時間ほど時間をかけていたと思います。最初は、時間もかかるし、この復習がとてもつらかったのを覚えていますが、続けていくうちに基礎学力もついていき、復習の時間も1時間以内で終わるようになっていきました。またどの分野の復習においても、分からないところは辞書を引いて調べるようにしました。辞書で調べることによって、その調べたい言葉だけでなく関連する言葉も覚えることができる上に、一回調べたものはなかなか忘れることがなかったと思います。

①指導要領

 塾のテストを必ず復習して覚えるようにしていました。復習の時は、指導要領を開いて、関連する部分も覚えるようにしました。私は入塾してから最初の採用試験までの間で、指導要領のほとんどを覚えたので、その後はとても楽になりました。(模試などでは、確実に得点を稼げる。また、覚えていたら迷わないので時間の短縮になる。)

②沖縄の文学・国語常識

 塾のテストを必ず復習して覚えるようにしていました。復習の時は、「沖縄の文学」「国語便覧」を用いて関連する部分も覚えるようにしました。また、上高先生が用意してくれる解説は非常に丁寧でわかりやすいので、マーカーで印をつけるなどして、ずっと使っていました。(たまにまとめて読み返していた)
 私は入塾した当初、この分野が全く分からない、知識がない状態だったので、時間をかけて覚えていきました。仕事をしているときに、この分野に時間をかけるのはなかなか難しいと思うので、春休みなど時間があるときに時間をかけて学習することをおすすめします。ある程度の知識をつければ、模試などでも安定した点数を取れるようになると思います。

③現代文

 塾での演習では、とにかく時間配分を意識して取り組みました。私はどうしても評論に時間をかけてしまうところがあったので、決められた時間内に絶対にすべて解くことができるように意識しました。

④古文・漢文

 塾の授業で習ったところを時間をかけて必ず復習していきました。一から品詞分解していき、分からないところは辞書で調べた上で、もう一度問題を解いていきました。仕事をしていないときは時間があったので、ノートに本文を書き写してから品詞分解していきましたが、仕事を始めてからは、時間短縮のため教材に直接書き込んで学習していました。上高先生に用意してもらった「文法のまとめ」や「句法のまとめ」は常に手元に置いて、忘れてしまったときにはすぐに確認できるようにしました。
 また、時間があるときには既に復習を終えている教材を、スラスラと読んで意味を理解できるかどうか、読み返して確認することもありました。(理解できなかったところは、さらに復習)

⑤教職教養・一般教養

 今年度は一部免除だったので、前年度のことを書いていきます。教職教養は塾の教材の復習を中心に学習しました。わからないところは、用語集や引用集を用いて確認していきました。また塾で使うテストの問題には、星印で頻出度が表されているので、自分が教養の学習に使える時間を考えた上で取り組んでいったほうがいいと思います。一般教養は解説を軽く読む程度でした。専門と教養の学習のバランスは、7:3くらいだったと思います。今考えれば、専門に費やす割合をもう少し増やしても良かったと思っています。

3、2次試験

①面接

 1次試験合格発表前は、面接調書の作成から始めました。面接調書の作成では、自分のアピールポイントをできるだけ詰め込みながらも、決まった字数内に抑えることに苦労しました。
 面接調書以外の本格的な面接対策は、一次試験合格発表後に始めていきました。まずは、過去の面接で聞かれた質問に対しての答えを書き出していきました。ただ、すべての質問に対しての答えを細かく書き出していくのは時間もなく、完璧に覚えることも難しかったので、ある程度、こんなことを話すという内容だけをメモしていきました。試験が近づいてくると、スマホのボイスメモに面接の質問を録音して、それに対して答えるという練習もしました。
 塾での面接練習の機会は有効に活用した方がいいと思います。上高先生だけでなく塾の卒業生で本務の方々にもアドバイスをいただけました。かなり本番に近い緊張感だと思います。また、これまでお世話になった管理職の先生方にも連絡して、面接を見てもらいました。人によって見方が違うので、様々な観点からアドバイスをいただけました。できるだけ多くの人に見てもらった方が良いと思います。

②模擬授業

 一次試験合格発表前は、塾で組んでもらったグループでこれまでの過去問に取り組みました。グループで手分けして教材研究を行い、誰か勤務校の教室を借りて模擬授業を見せ合いました。合格発表前に模擬授業にある程度慣れることができたのは、とても大きかったと思います。合格発表後の取り組みの心の余裕につながりました。
 合格発表後は、課題の授業案作成のために、県の施策などたくさんの資料を読みあさりました。また、職場の同僚やこれまで関わってきた先輩教師などに助言ももらいながら取り組んで行きました。面接のところでも述べたように、塾での模擬授業の機会は有効に活用した方がいいと思います。私も3回模擬授業を実施して、3回とも反省点を改善してより良い模擬授業にすることができました。
 他の人に見てもらえないときは、教室で模擬授業している様子を動画を撮って、話すスピードや目線などを確認しました。

4、生活

 仕事を始めてからは、仕事・育児・勉強を両立してやっていかなければならなかったので、時間を大切にする意識を強く持ちました。仕事もできるだけ効率よく済ませ、少しでも空いた時間に、単語を覚えるなど、合間時間を有効活用していきました。また、どんなに忙しくても毎日朝の1時間と、仕事後の1時間は必ず勉強すると決め、それを継続しました。
 私は入塾するまでは、仕事の忙しさのせいにして読書の時間を取っていませんでした。しかし、上高先生に指摘していただいてから、これまでテレビを見ていた時間を読書の時間に変えることができました。基本は自分の好きなジャンルの小説を読んで、週に一回は苦手な評論を読むようにしていました。
 仕事や育児との両立は大変ですが、限られた時間でストレスをためないように取り組むようにしました。

5、最後に

 私はこれまで、仕事だけちゃんとやればいいやという気持ちで、勉強という嫌なことからずっと逃げてきました。ですが、沖縄教員塾に入塾して、上高先生に指導していただいたき、周りの塾生と切磋琢磨することで、教員になりたいというシンプルなモチベーションが高まってきました。また、普段の仕事から、自分はどんな教員になりたいというビジョンを持って学校現場で働くことで、2次試験の対策も楽しみながら取り組むことができました。
 合格してみて今思うことは、合格は自分一人の力ではなく、たくさんの周りのサポートあってのものだということです。本当に感謝しています。