平成28年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語

 沖縄教員塾で学んでいて一番大きかったのは、目標を共にするライバルと競い合えることでした。自分の今の学力や学ぶ姿勢を知ることができます。そのライバルが二次試験では仲間になります。一人ではとうてい乗り越えられないことも仲間と協力することで大きな壁を突破することができます。私も今まで誰かと協力して学ぶということがなく、試験勉強は一人で勉強するものだと考えていたのですが、みんなと協力することで大きな学びを手にすることができると実感しました。
 また授業中の上高先生からの指名によるプレッシャーはなんともいえない緊張感で、間違えられないと思うことで勉強にも身が入りました。厳しい環境に身を置くことで自分を追い込むことができたと思います。上高先生の授業中のお話も為になるもので、教師として親としてのあり方や考え方を学ぶことができました。学校現場の中にいると考え方が偏りがちになります。いろいろな角度から物事を見ること、考えることができるようになったと思います。
 塾には本や資料・精選された必要な情報がたくさんあります。それらを有効に活用することで目標達成に大きく近づくことができました。情報収集、勉強方法、教師としての姿勢など、効果的に学ぶことができました。何より、素晴らしい仲間に出会える場所であったことに感謝しています。

・一次試験

 学習指導要領は塾からもらったテキストとミニテストで勉強しました。とにかく暗記することなので、ボイスレコーダーに録音して車中で聞いていました。必ず点数がとれる分野なので一問も落とさないという気持ちで徹底的に覚えました。
 現代文は長文に慣れる訓練をしました。私の場合例年、長文を読み解くのに時間がかかり、時間が足りないということが多くありました。苦手な分野だったので、早く読んで正しく解くことを重点的に行いました。高校で臨任をしていたので、学校にあるセンター過去問題・対策問題や私大問題などの問題集を活用しました。
 古文はまず単語の暗記と敬語の理解を徹底しました。ゴロで覚える古文単語や敬語のCDを使って通勤中など車中で聞いて暗記しました。ゴロで覚えると案外忘れにくいですよ。
・いいずな古文単語330
・ゴロ覚え古文単語
・歌で覚える古典文法 など
 漢文は句法を覚えるようにしました。分からないものや覚えてない句法は調べてすぐに解決するようにしました。
・いいずな精説漢文 など
 常識問題は国語便覧を使って覚えました。便覧には薄い問題集がついているので、それを何度も繰り返し解いて理解しました。
 沖縄の問題は高教組教育資料センターからの『新編沖縄の文学』を活用しました。ほぼこの本からの出題ですので隅々まで見ていた方がよいと思います。
 基本は塾で使用しているテキストの復習と配布されるプリントを徹底して覚えるようにしました。大事な部分だけがピックアップされているので効果的に学習することができました。

・二次試験

論文

 塾で一次試験対策と同時進行で論文を書き始めました。以前に違う予備校にも通って論文対策を行っていました。私はとにかく論文が苦手で何度書いても手応えはありませんでした。こつこつ一本ずつ書くのが基本だと思いますが、やはり最後まで難しかったです。自分の実践や課題に対する考え方をしっかりもっておかなくてはなりません。文科省や県の施策を頭にたたき込んでそれに沿って自分の論をしっかりもっておくことが必要になります。やはり本番でも論文が大きく足を引っ張りました。日々の経験と論文に使える材料はないかとアンテナを張り巡らせておくことも大切だと思います。

面接

 一次発表後から取り組みましたが、志望動機などの基本的な質問事項はおおよそ決まっているので、余裕があったら一次試験対策と同時に進めておいてもよいかもしれません。重要な質問項目はボイスレコーダーに録音して何度も聞きながら大切な部分の言い漏れがないようにしました。車の中で大きな声で笑顔を意識して練習しました。塾での模擬面接も活用させてもらい、上高先生との練習は本番以上に緊張しました。そのおかげで、本番の方が気を楽にして望むことができました。はじめは自信もないために声も小さく、答えを修正したりとさんざんだったのですが、練習を繰り返すことで自信を持って面接できるようになりました。

模擬授業

 今年の模擬授業の指定の仕方が例年と異なっていたためみんなが戸惑いました。やはり上高先生の予想通り言語事項からの出題でした。私たち合格者は違う部分からの出題と予想していたため、上高先生やっぱりすごいな~と感じました。中学合格者でグループに分かれ手分けして教材研究・分析・指導案作成などを行いました。私は高校から校種替えをしての中学校受験だったので、中学校に関しては右も左も分からない状態だったのですが、中学経験者の仲間にたくさん助けてもらいました。みんな本当に心の温かな人ばかりだなと強く感じました。それぞれ指導案を持ち寄って自分なりに授業を組み立て完成させていきました。互いに模擬授業を行うなどして自分の改善点を見つけて修正しました。上高先生との模擬授業もやはり、ただならぬ緊張感で逃げ出しそうにもなりましたが、講評をいただいて改善することで本番ではよりよい模擬授業をすることができたと思います。一人で模擬授業の対策をすることは至難の業です。みんなの力を借りて作り上げた模擬授業だったと思います。

生活

 臨任として高校で勤務しており、勉強時間は火・土曜日の塾と日曜日のまとまった時間で確保しました。平日は1~2時間程自宅で学習し、日曜日に図書館等で朝から勉強するというリズムを続けていました。通勤や通塾に時間がかかっていたので車中でボイスレコーダーを聞いて覚えるなど運転中の時間を活用するように努めました。また、高校での臨任の経験も大きく役に立ちました。学習のレベルが高いので、授業で教える内容が採用試験の勉強に直結してきます。使える教材も豊富にあるのでとてもありがたかったです。

その他

 家族がいるため、仕事を続けなくてはならなかったのですが、高校での臨任で多くの良い経験をさせてもらったと思います。私は十年近く受験してようやく合格することができました。その間、焦って自分のコントロールが難しくなるときもありましたが、人にはそれぞれのペースがある、と気持ちを切り替えて前向きに考えるようにしました。こんなに応援してもらっているのだから、時間はかかっても必ず合格しようと決めていました。人は家庭環境や学習のスピードが違い、それぞれのペースがあるのだと思っています。短期集中ですぐに合格できる人もいれば、いろいろな事情で時間がかかってしまう人もいます。やはり前向きにあきらめない気持ちはなにより大切だと思いました。
 私は今年、心機一転、中学受験を決心しました。長年、高校国語で受験していたのですが、いつもあと一歩で不合格の状態が続いていました。中学受験も視野にいれようか悩んでいたときに、上高先生の一言で決心しました。背中を押してもらって感謝しています。現在は中学校で学習支援員をさせてもらっていますが、忙しい中にも達成感と充実感を味わっています。はじめは不安でいっぱいでしたが、住めば都ですね。とても充実した毎日を送っています。

 最後に上高先生、塾生のみんなと出会えたことに感謝の気持ちでいっぱいです。あの苦しい試験・二次対策を乗り越えたことは私たちにしか味わえない貴重な経験だったと感じています。中学校一次合格者が全員二次合格できたこともこの上ない喜びです。一人で乗り越えることはとうていできなかったと思います。これからが本当のスタートですが日々精進して参ります。ありがとうございました。塾生のみなさんが合格するのを祈っています。