平成28年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語

~はじめに~
 私は、塾が開校して約1ヶ月後に全日会員として入塾し、二次試験対策まで上高先生をはじめ、塾生の皆さまにお世話になりました。
 以下、私の勉強方法や試験対策などについて書き記します。
 少しでも、現在塾に通っている皆さまのお役に立てれば幸いです。

一次試験について

 私は幸運なことに、2回目の受験で一次試験を通過することができました。
 入塾してから約5ヶ月間は仕事をしていなかったので、その期間は毎日のように塾に通い、1日およそ8時間以上勉強していました。
 その後、非常勤講師として中学校に勤務するようになり、平日の勉強時間が3時間程度になりましたが、休みの日は8時間確保するようにしました。
 ほとんど専門教科を勉強し、教職教養は週1日取り組みました。
 基本的には塾で習ったものの復習をし、間違えたものや頭の中で整理できていないものに応じて、自分なりにノートやファイルを作ってまとめたり、勉強時間の配分を変えたりするスタイルでした。
(取り組んでいたこと)
・塾で習ったものの復習をする。
・塾で使用するもの以外の教材を使う場合は、自分の弱い(苦手)な部分や、覚えるために繰り返して学習したいものにする(例:古文文法、漢文句形)。

専門教科
勉強の流れ

・塾で習ったものや毎時間の確認テストの復習を翌日から始め、次の授業までには終わらせるようにする。
(復習にかかった時間は、古文、漢文、現代文、それぞれに約3時間です。)
・過去問や模擬試験問題も復習する。

(火曜日の教材)

①教材や上高先生が配布してくださる確認プリントの中で、わからない語句やまだ覚えていない語句は辞書を引く(広辞苑、古語辞典、漢和辞典、漢文語彙字典など)。
※確認プリントに記載されていなくても、教材の中でわからない語句や覚えていない語句は辞書を引いて確認する。
②教材や確認プリントにある単語や文法、句形などは、ルーズリーフに書いて覚える。
※前回と同じ単語や文法、句形が出てきても、覚えるまで毎回書く。しばらく出ていなくて忘れかけているものなども、その都度書いて覚え直す。
③教材に関する知識、作者名、その作者の他の作品、成立年代、ジャンル等、関連するものを国語便覧で確認する。
④復習が終わったら、確認プリントとルーズリーフを合わせてファイリングする。

(土曜日の教材)

・授業の前に、教材をコピーしておく。
・答案用紙返却後、コピーしておいた問題を再度解く。
その後は上記①~④と同じ。

(学習指導要領)

①全文を一度書く。(覚えるために必要だと思ったときは再度書く。)
②学習指導要領の中の、毎週の確認テストで空欄になっていた語句を赤ペンでマーカーし、緑の下敷きで隠しながら覚える。

 上高先生がおっしゃっていたように、予習はせず復習をしました。
 教材も塾指定のものだけで十分だと思います。
 塾の教材、もらったプリント、確認テスト等を隅々まで復習することが大切だと考えます。

使用していた参考書
『読解のための新古典文法』 東京書籍
『徹底理解 高校漢文』 東京書籍
『フィードバック式 漢文語彙字典』 尚文出版
→お薦めです。以前は高等学校の副教材だったようです。

一般教養

特に対策はしませんでした。

教職教養

・教材の内容や毎時間の確認テストの復習を、次の授業までには終わらせるようにする。
(復習にかかった時間は、約8時間です。)
・過去問や模擬試験問題も復習する。

勉強の流れ

①教材にある語句や人物名などを、参考書や用語集で確認する。
②教材の内容、語句、人物名などをノートに書いて覚える。
③日本国憲法と教育基本法の前文、教育基本法や学校教育法などの重要な条文、学習指導要領の目的、目標などは、覚えるために全て書いてみる。
④教材によっては、問題冊子で空欄になっていた語句を、解答の冊子のほうに赤ペンでマーカーし、緑の下敷きで隠しながら覚える。(試験に頻出の教育基本法や学校教育法の重要な条文)

 私自身が書いて覚えるタイプですが、教職教養は書いて覚えたほうがよいと思います。特に、学習指導要領に使われている「○○的」などは、パターンが決まっていますが数が多いので、書かないと覚えられないような気がします。
 覚えることの多い分野や範囲の広い分野の、教育法規、教育原理、教育心理、学習指導要領などは、早い時期に取り組んだほうがよいです。
 また、「生徒指導提要」などの“語句を覚える”というよりは“内容を読んで理解する部分があるもの”は、勉強したことがすぐに点数に結びつくのは難しいので、日頃から時間を見つけて読んでおくことが必要だと思います。

二次試験について

 二次試験は、一次試験終了からの期間が短く、対策するのが大変です。
 特に、一次試験の結果発表後すぐに模擬授業の課題に対して準備をしなければならないので、想像以上に過酷です。
 小論文は配点が高くないと予想されますので、上高先生がおっしゃっていたように一次試験後に書き始めても大丈夫だと思われますが、日頃から沖縄県の学校教育に関する指導の努力点などについて、自分の考えをもつことは必要だと思います。

自己アピール文

 二次試験の一日目に提出するので、一次試験までには完成させておいたほうがよいです。
 志望動機と自己アピールの内容が連動していると、自分が教員になって子どもたちのために何をしたいかが伝わりやすいかもしれません。

小論文

 一次試験の翌日から、小論文の対策を始めました。
 小論文は講座を受講したことがなく、書き方自体がほとんどわかっていなかったため、数年前にメセナに通っていた友人に資料を借りて勉強しました。
 一次試験の結果発表の頃には、上高先生に指定されたテーマは書き終えました。
 一次試験終了から二次試験までの短い期間で、面接と模擬授業の対策までこなさないといけないので、小論文は一次試験の結果発表までに一通り書いていたほうがいいです。
 どのテーマが指定されても書ける実践例、体験例をいくつか用意するとよいと思います。
 今年は別紙資料がなく、数年前の形式に戻ったのでとても焦りました。しかし、そんな状況の中でも出題の意図をきちんと捉えて書くことの重要さは変わらないと思います(私は点数のとおり、それができていなかったと反省しています)。

面接

 一次試験の合格発表後から始めました。
 二次対策の教材にある質問事項の中で、共通しているものはまとめ、よく出題されている事項を中心にそれに対する自分の考えを箇条書きで書き込んでいきました。
 自己アピールと志望動機は、ノートに書き、繰り返し声に出して全部覚えました。
 面接の相談や指導は、上高先生をはじめ、勤務校の校長先生や教頭先生、学年主任の先生などにお願いしました。他にも、数名の先生に助言をいただきました。また、中学校教員をしている友人にもお願いして、質問を出してもらいそれにどんどん答えていく練習をしました。
 本番と同じような練習も、塾で上高先生に4回、学校の先生に2回みていただきました。
 面接の相談や指導のなかで、常に生徒の気持ちに寄り添って考えること、文章で答えを準備しておくと思い出そうとしながら話してしまうので、質問に対する答えは2~3つのキーワードで覚えておいて、それに対して自分の考えを述べるようにすることなど、内容に限らず答え方のポイントなど様々なことを教えていただきました。
 面接指導を2回してくださった先生からいただいた「自分の経験から得た生徒に身につけさせたい力などの教育観点と、保護者あっての子どもの成長を助けることを念頭にすれば、すべての質問がそこに結びつく」という言葉がとても印象的でした。
 面接と模擬授業の得点のウェートは高いと予想されますので、ぜひしっかりと対策してください。
 当日は、試験官が3名いました。私は声を大きく出すことと笑顔で答えることに気をつけようと面接に臨みましたが、試験官の質問の内容をしっかり聞こうということも意識して試験を受けていましたので、気が付くと自然に質問する試験官に身体が向いていました。
 苦手だった場面指導の質問が、練習していた内容だったので答えることができ、それによって少し緊張も和らいだので、私は本当に幸運でした。しかし面接終了後は、何が良くて何が悪かったかなど、まったく予想できませんでした。
 いま振り返ってみると、自分の気持ちが試験官に伝わる姿勢になれていたのかもしれません。
(反省点)
 一緒に二次試験対策をしている塾生の方の面接練習を見学させてもらったことで、自分の改善点がわかり、悩みを相談したりアドバイスをいただいたりしたので、塾生同士でも面接の練習をしたかったです。

模擬授業

 課題の到着後から始めました。
 一緒に二次試験対策をしている塾生同士でペアを組んで、指導案を分担して作成しました。本当に仲間がいてよかったと感謝しています。自分ひとりではとてもできなかったです。
 課題に対して協力して作成した指導案が7パターンありましたので、まず授業の流れを覚えるために、勤務校の教室を借りてひとりで特訓しました。
 また、その単元の配置を押さえておくことも大切だと教えていただきましたので、教科書を見て、単元の位置や前後の単元、それに関係する既習事項を把握しました。
 ひとりで特訓しながら、出題傾向と授業の流れの難しさを考え、導入部分に力を入れて練習しました。
 模擬授業は、勤務校の学年主任、国語科の先生、合わせて数名に指導していただきました。また、教員をしている友人数名にも見てもらい、授業の流れの相談をしたり助言をもらったりしながら形にしていきました。
 当日は、授業で使用する例文の指定がなく、自分で提示する条件だったので少し焦りましたが、指定された条件を実行することに注力しました。
 また、声を大きく出すこと、明るい表情で授業をすること、視線を教室全体に向けることを意識しました。これらは、模擬授業の練習のときに指摘していただいたことです。
 教室の教壇が高く、板書しづらかったので、字のバランスをとるのに苦労しました。日頃の授業から、教室の一番後ろに立って板書を見て、バランスを確認しておくとよいかもしれません。
 当日の課題にもありましたが、この時間で「生徒に何を身につけさせたいか、どんな力を身につけさせたいか」を明確にすることが大切だと、模擬授業の指導をしてくださった勤務校の先生方がおっしゃっていました。
 模擬授業は導入部分の指定だったので、試験官から「このあとはどういう学習活動をする予定ですか」と質問されました。
 生徒に「身につけさせたい力」を授業の中で一貫してもち、それを達成するための学習活動を設定して、どのようなまとめをするのか、ということを授業の流れとして自分の中で持ちながら対策することが必要だと思います。

 二次試験の面接・模擬授業対策は、本当にしんどいです。
 私は毎日吐き気に襲われるぐらいでした。
 同じ塾生の仲間がいなければ、乗り越えられなかったでしょう。
 ぜひ、皆さんで協力して取り組んでいただけたらなと思います。

~おわりに~
 私事で恐縮ですが、大学卒業後から昨年まで私は一般企業に勤めていました。
 学校現場の経験も教育実習だけでした。
 経験不足の私が伝えることは、言葉足らずの部分が多いと思いますが、私が教えていただいたこと、やってきたことの中で、参考になる情報があればいいなと思い書きました。長くなってしまい申し訳ありません。
 私が合格できたのは、上高先生、一緒に勉強してきた塾生の皆さん、勤務校の先生方、家族や友人、多くの人の支えがあったからです。
 上高先生と塾生の皆さんには、この場を借りてお礼申し上げます。
 本当にありがとうございました。
 試験には、私を支えてくださった人のために、そしてなにより生徒のために、絶対合格するぞという気持ちで挑みました。
 皆さんの教員になりたい気持ちや意気込みは、きっと未来につながると思います。
 応援しています。頑張ってください。

 私は全日会員でした。それは、再度勉強し直すためだったのですが、やはり勉強時間を確保することが重要だと感じています。家庭の事情や生活の問題等、いろいろ状況が異なるかとは思いますが、思うように勉強が進まない方は少しの期間でも全日会員になることも検討してみてはいかがでしょうか。