2020年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校英語

はじめに

 私が沖縄教員塾に入塾したのは、新聞で塾の広告をみたことがきっかけでした。
 9月の開講にぎりぎり間に合う時期でしたので、9月に入塾しました。また、特別支援学校の教員免許の取得も面接の際に薦めていただき、これもぎりぎり後期の締め切りに間に合う時期でしたので、早速通信で勉強を始めました。一次試験の加点を英検でしか考えていなかった私にとって、特別支援学校の教員免許での加点を狙うという戦略は新たなものでした。この時、情報収集の大切さを改めて実感させられました。講義は、9・10・11月は毎週木曜の夜に受けていました。12月からは専門教科の塾にも通い始めたため、日曜日の午前中の講義に変更しました。
 専門教科の塾には、木曜日と土曜日の週2回通いました。
 木、土、日曜日が塾の日でしたので、丸一日フリーな日はほとんどなく、はやくこのルーティンから抜け出したいと思っていました。もう一年この生活をやることは私の中の選択肢にはありませんでした。

専門教科(英語)

リスニング

 車の中で単語と、ラジオ、英文は毎日通勤時、帰宅時意識的に聴いていました。
 さまざまなジャンルの英文を聞きながら、考えを巡らせて聴きました。車の中で聴くだけでリスニング力が伸びるかと問われれば、そうではないと思います。しっかりと机に向かって集中して問題を解く方がリスニング力は強化できると思います。私はリスニングは得意な方でしたので、車の中以外では他の勉強に時間を費やしたかったため、通勤時、帰宅時のみ英語を聴くことで、英語について考える時間にしていました。

単語

 塾の単語テストと宿題の英字新聞、授業内の長文に繰り返し出てくる単語は注意して覚えるようにしました。単語の学習を始めて、英検1級レベルの単語が英字新聞などで頻繁に使用されていることに気づくことができました。また、英検1級レベルの単語は採用試験の問題にも頻出なので、単語力の必要性を痛感しました。

正誤問題

 問題に取り組む過程で、文法事項としてよく問われるパターンを覚えてきました。例えば、関係代名詞、主語述語の一致の確認等です。問題を解くときに注目すべきポイントが少しずつわかるようになっていきました。

長文空欄補充問題

 根拠を持って、補充できる問題で得点しようと取り組みました。(全問正解するのは私には難しかったため、根拠を持って解答できるのが2~3問あればオッケーと自分の中で決めて、次の問題に移るようにしていました。)講義内で他の受講者の答えの導き方の説明、そして先生の解説等を聞いて、納得できるようにしました。

学習指導要領

 中学高校は全ページ細かくマーカーペンで問われそうな部分を線で引きながら、読みました。全て読みました。どこが出されても一目で解答できるように準備していましたが、本番では、予想していなかった小学校学習指導要領からの出題があり、緊張のせいか小学校・中学校を解いた後、例年中学高校の2つからの出題でしたので、今年は高校は出題がないと思い込み、最後のページを解かないで、全て解いたと思い込み、もう一度見直したいと思っていた箇所等の見直しに入ってしまいました。(すごく反省しています。)

一般教養

特にしていません。

教職教養

 9月から3月の期間は、週に一度塾に通い、講義を受けていました。その期間は恥ずかしながら、与えられた教材をただただやるという受け身な状態でした。
 4月からは通塾ではなく在宅学習に変わりました。演習問題を解いて、分野別の得点を先生に報告することの繰り返しでした。これをやることによって、自分が特に力をいれて学習すべき分野がわかるようになりました。また、毎回成績順位表で、他の受験者の得点率等も把握しながら、学習に臨むことができました。私は、この頃から受け身の学習から主体的な学習へと変わることができた気がします。
 試験までに最低限必ずやることとして、「模擬試験に出てきている問題は漏れなく頭に叩き込む」というノルマを自分に課しました。模擬試験は各回3回は解きました。そのことが、受験に対する不安要素の払拭につながりました。不安要素を洗い出し、試験までに払拭できるようにする。私は全精力を受験勉強に費やしたかと問われれば決してそうではありません。ただ、もし試験の結果が振るわなかったときの理由に「やっとけばよかった」という後悔はしないように準備をすることは決めていました。ペーパーはとにかく頭に叩き込むこと、そして絶対量をこなすことが大切だと思いました。毎回の得点の報告は、勉強不足が原因で点数が振るわなかったのですが、上高先生からいただく演習結果に対する受験者向けのコメントの「これまで~月までに~点だった人が最終では~点得点しています。最後まであきらめないでください」という類のことばに励まされ、本番のテストが終わるまで諦めず少しでも点数をあげて、粘り勝ちするぞと思っていました。コツコツ積み重ねてきた分と最後の追い上げが、本番の自己ベストの得点につながったと思います。

二次試験:

 面接と模擬授業の35分一本勝負。上高先生の「失敗しても合格できる」ということばで些細なミスを気にしないで自信を持って臨むという姿勢で試験に臨むことができたと思います。
 二次試験の延期で模擬授業の課題が提示されるまでかなりの期間がありました。課題が提示される前までの間は、あらゆる単元の文法事項を確認しました。上高先生や、専門教科の塾の先生、大学時代の教授、友人など多くの方々にご助言をいただきました。他にも自分の模擬授業に取り込みたい情報を探しに探して収集しました。どのように授業を組み立てるか、すごく悩みました。途中で投げ出したくなるくらい悩みました。しかし、最終的に辿り着いた答えはシンプルでした。「いつもどおりにやればいい。生徒のための授業をやればいい。」でした。塾や自宅で模擬授業の練習を積みました。自宅では小さいホワイトボードで板書計画を立てたり、ノート一冊分模擬授業について色々と研究し書き留めました。コンテンツや知識が豊富なだけでは響かないのです。「伝え方」、「目線合わせ」、「信念」が大切であると学びました。ベクトルの向きさえ間違えなければフリースタイルなのだからシンプルにやればよいのです。限られた状況下でも「できる準備をする」。ぐーっと練習を積んでいくと余裕が生まれます。深みが出ます。迫力が乗っかります。プレッシャーが本番ふっと放たれた時、あとは十人並ぼうが百人並ぼうが同じなのです。
 面接は、英語は過去問を元に答える内容を準備していたため、落ち着いて臨むことができました。日本語は、塾でいただいたご助言を活かし、「完全燃焼」という感覚を、面接後実感することができました。

終わりに

 私はこの一年間の受験生活の中で、新たに特別支援学校の免許を取得しました。このことをきっかけに、実際に特別支援学校で働いてみたいと思うようになりました。そして4月からは、特別支援学校で働く機会をいただき、日々これからの教師生活で大切にしていきたい学びがたくさんあり大変充実しています。元々県外の高校で本務教諭として3年勤め、昨年沖縄に戻り、最初の1年は私立高校、2年目の現在は特別支援学校で勤めさせていただき、本務教員になるまで少し回り道をしたと最初は思っていましたが、今となってはどれも教師として必要な資質を備えるために必要な経験であったと強く感じています。冒頭で一年間の受験勉強と記しましたが、私は昨年も受験はしました。しかし、受験勉強といえるほどの勉強をすることなしの受験でしたので、中学校の英語教師になると決意し本腰を入れて勉強に取り組んでからは、丸一年です。
 専門教科の先生に「今年もよろしくお願いします。」と新年の挨拶をした際、返ってきたことばは「今年だけにしてね。」でした。その言葉を聞いたとき、改めてこの勝負(受験)は負けられないと思いました。
 試験までに本番に近い状況で問題を解く練習を重ねてきた甲斐があり、適度な緊張感で本番に臨むことができました。元々試験などで極度に緊張してしまうタイプの私ですが、落ち着いて受験できました。試験当日は、今までこの日のために練習を積み重ねてきておいてよかったと感じた瞬間でした。受験の戦略は人それぞれだと思いますが、信念を持って取り組むことが大切だと思います。そして努力する覚悟。裏打ちされた努力。私は、これまで不安もたくさんありましたが、本番前にはI am ready! と言える状態までもっていくことができました。勝負の世界は紙一重だと思います。克己心。自分を奮い立たせながら、毎日コツコツの積み重ねが大切ですね。自分のやる気トリガーをどのようにしたら引けるか考え、もしそれが他人ありきであればいろいろと制限がある場合も出てくると思うので、自分で自分のやる気トリガーを引けるようにすることがおすすめです。「合格したい」という気持ち的なところだけでは足りません。感覚的に「合格できる」という「変化」を感じられるくらいの段階にもっていくことが必要だと思います。努力しなければ綻びが出ます。不安が拭えません。受験生の皆さん、自分に魔法をかけて頑張ってください。