2021年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語

○はじめに

 私はこれまで、民間企業で1年、図書館司書を1年、中学校での臨任を10年(担任2年、特支担任6年半、副担任1年半)経験してきました。学校現場で働いていた私ですが、採用試験に向けた勉強は一切しておらず、試験に関する学力も知識もなく、「臨任を頑張っていたらいつか受かるだろう」といった気持ちでした。臨任として、5年が過ぎていました。
 そんな甘い考えの私でしたが、大学時代の友人がこの「沖縄教員塾」で学び、合格したことをきっかけに「行動しなければ何も変わらない」と思い、私も入塾を決意しました。臨任の仕事を続けながら、家族の協力も得て勉強時間を作り、結果的に塾には3年間お世話になり、今回合格することができました。
 皆さんの参考になるかは分かりませんが、合格までに取り組んできたことをお伝えしていきます。

○1次試験

 私は大学卒業後してから一切勉強をしておらず、圧倒的に国語の基礎学力が足りませんでした。特に古文、漢文は壊滅的で普段の授業も何を言っているのか、何を聞かれているのかも分からず、点数もほとんど取れませんでした。幸いにも、5年以上の臨任経験があるため、教養の勉強はせずに限られた時間を全て専門の勉強にあてることができました。
 基本的には上高先生の教え通り、「復習」に時間をかけてしっかり、繰り返し行うことを念頭に勉強していました。

学習指導要領

 塾で毎回行われるミニテストを中心に繰り返し復習を行いました。10~15分程度の時間がある場合には、塾でもらった過去問を繰り返し解くようにしていました。復習は間違えた箇所だけではなく、正解した問題も指導要領と照らし合わせて声に出して読んで覚えるようにしていました。

現代文

 普段から本(小説)を読んでいるため文学の設問は他の分野に比べて点数を取ることはできていましたが、文章を読むことに時間をかけてしまっていました。評論は、言葉の意味が分からずに文章理解に時間がかかった上、焦って解いているため、得点にはつながりませんでした。少しでも得点を上げるために取り組んだことです。
・問題を解く際は、時間を決めてその時間内で解き終える。
・塾の授業、過去問の復習を中心に学習。
・文学、評論共に読む時間短縮のために様々なジャンルの本を読む早さを意識して月に10冊程度読む。
・語彙力を高めるために分からない単語は都度、辞典で調べる。
・評論の文章理解につなげるために、「現代文のキーワード」という参考書を使用。
 以上を取り組み、早く読めるようになったことでしっかりと問題に取り組む時間を取ることができました。

詩歌

 過去問で出題された際に表現技法や季語の確認などの復習を行うことを中心に学習に取り組みました。

古文・漢文

 基本的な知識もないため一番点数を取ることができない分野で、ゼロからのスタートでした。塾での授業で当てられる時に困らないために助動詞の意味を覚えることから始め、復習を基本として、1次試験の勉強時間の大半を古文・漢文に使いました。

・塾の授業、過去問等の復習。授業のまとめプリント、古語辞典、漢字辞典を使って都度意味を確認。
※はじめは1回の復習に3時間程度かかった。
・復習が終わったら、声に出してすらすら読めるようになるまで音読。
・通勤時の移動の際に、古文単語が収録されている音声CDを聞き、声に出しながら答える。
・塾で配布された「漢文の句法まとめ」を縮小コピーし信号待ちの車内やちょっとした待ち時間で確認。
 今でも基礎基本が十分だとは言えませんが、やはり継続して学習していくことが重要だと思いました。古文の助動詞や単語、敬語、漢文の句法や作者についての情報や作品の年代や歴史的背景など、一度では覚えることも理解することもできないため、私は繰り返し何度も復習を行いました。

沖縄の文学・国語常識

 大学時代に琉球文化を専攻していたこともあり、沖縄の文学に関してはある程度点数を取ることができていました。ですが、時間短縮や確実に得点するために、塾でのミニテストで繰り返し復習を行っていました。
 国語常識は週に1度のミニテストの復習を中心に繰り返し問題を解きました。分からない問題は辞典や国語便覧などの資料で調べました。

一般教養・教職教養

 入塾時で既に5年の臨任経験があったため、特に学習に時間を割いていません。

○2次試験

 今回の2次試験は、論文試験がなく模擬授業と面接だけだったため、1次試験終了後からすぐに模擬授業と面接準備に入ることができました。夏休み、コロナでの休校、2次試験の延期があり心にゆとりを持ち、集中して2次試験の準備をすることができました。
 塾での2回の模擬試験は、本番と同じ流れで実施していただいたこともあり、緊張せずに本番を迎えることができました。

模擬授業

 1次試験終了後からは、塾の2次オリエンテーションで出された課題(少年の日の思い出、故郷)の教材研究に取り組みました。ですが、今年は昨年よりもコロナの感染状況が悪く、個人(勤務校)での練習となったため、沖縄県の教育施策を読み、友人や同僚の先生方に相談しながら授業構想を立てていました。
 合格発表後に課題が分かってからは、上高先生のおかげで事前に教材研究に取り組めていた分、他の受験生よりもゆとりを持って早くから模擬授業の練習を行うことができました。自分一人で練習したり、勤務校の同僚に見てもらったり、知り合いの先生に「単元・授業プランシート」を見てもらってアドバイスをもらいながら修正を加えていきました。
 塾での模擬授業は本番よりも緊張しました。上高先生から厳しい質問、指摘をされたことで、本番では緊張せずに取り組むことができました。特に緊張することはありませんでしたが、上高先生から指摘された通り,模擬授業の準備時間が制限され、慌ててしまいました。その点以外はいつも通り、塾の時よりもしっかりと行うことができました。
 あらゆることを想定して上高先生は助言をくださるので、「これぐらい……」と思わずに準備していた方が良いと痛感しました。

面接

 1次試験終了後から、面接の答えの準備に取りかかりました。前年でもある程度準備していたため、もう一度沖縄県や那覇市のいじめや不登校に関する資料を読み込んだ上で見直し、上高先生のアドバイスを受けて修正していきました。
 パソコンで面接の質問に対して答えを書き出している時にはこれまでの経験を基に答えることができていましたが、いざ声に出して答えようとすると全然上手く話せませんでした。塾の模擬試験の面接でも上手く答えることができず、同僚や勤務校の管理職の先生に面接練習に協力してもらいました。何度も繰り返し練習することが大切だと感じました。また、自分で質問を録音し、それに対して答えるということを通勤時やウォーキングの際に行っていました。
 前年と同様に面接は「問い返し」での質問が主でした。「どうしてそうなのか、どうやってやるのか」ということを想定して練習しておくと慌てることはありませんでした。

○生活

 私は、結婚しており子どもが3人います。仕事、部活、育児と塾に入るまでは勉強する時間を取る意識もありませんでした。入塾後は、塾の日以外でも放課後の学校に残って勉強をし、今年の1月からは早朝に切り替え、夜は早めに寝るように心がけました。また、新聞(タイムス、新報)も毎朝読み、教育関連の記事はすべて切り抜き、面接や模擬授業に活用できるようにしていました。部活も運良く副顧問という立場だったため、顧問に協力してもらい必要なとき以外は勉強をしていました。

○最後に

 上高先生がずっと仰っている「勉強時間をどう確保するか」が本当に重要だと合格することができた今だからこそ思います。家族や同僚の先生方の協力を得て、勉強時間を確保できたことは本当にありがたいことでした。また、勉強の仕方についても上高先生のアドバイス通り行うことで、焦らずに取り組めるようになりました。
 決して優秀ではない私を見捨てることなく指導していただいた上高先生をはじめ、同じ志をもち勉強してきた塾生たちの存在が合格へとつながったと思います。ありがとうございます。
 私の体験記が少しでも皆さんの役に立つのであれば幸いです。