2021年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校理科

はじめに

 私は中学校の理科を受験しました。
 私は県外の大学を卒業後、県外の企業に3年間勤め、その後、県内に戻り、1年間は非常勤講師、2年目からは臨時任用教員をさせていただきながら、教員採用試験に挑戦をし、3年目に合格をすることができました。県内に戻ってきてから、結婚・子の誕生がありました。
 沖縄教員塾では、教職教養を受講し、2年間通わせていただきました。
 育児や仕事をしながら勉強に取り組んできましたので、参考になるかわかりませんが、私が取り組んできたことを記載したいと思います。

一次試験

一般教養

 私は、基礎学力も低く一般教養の中の自然科学の問題でも間違えるほどでした。上高先生からは一般教養の中で自然科学分野は絶対に間違えてはいけないと言われ、模試の後に復習を必ず行い2度間違えないようにしました。
 他の分野に関しては、全くやっておりません。政治や経済、沖縄関連の問題の解答・解説を確認するぐらいです。
 大学時代では、携帯でニュースをよく読み、ニュース自体に興味はあったこともあり、新聞やネットニュースは見ていました。新聞については沖縄教員塾での新聞の読み方講座を機に購読しました。
 最近では、YouTubeなどの動画サイトやスマートニュースなどのアプリでも十分かと思います。
 新聞は県内の情報を詳しく取り上げていること、活字を読む方が記憶に残るように感じたのでおすすめです。
 ただ、どちらにせよ偏りがあるように感じるので、様々な情報を批判的に見ていく方がいいと思います。
 本は県内に戻ってきてから、よく読むようになりました。塾で上高先生が推薦図書で紹介してくれていたので、より本への興味が湧きました。
 ニュースや本での知識や他の人の考え方は、面接でも大いに役立ちましたので、余裕があれば見ておいた方がいいと思います。

教職教養

 塾での授業と月に1度ほど休日に復習する程度の勉強時間でした。上高先生の助言もあり、教育原理・教育心理・教育史・教育法規に注力しました。

教育原理・教育心理・教育史・教育法規

 入塾して最初の頃は、言葉の意味を「教育用語集」を使用し、毎回調べていました。塾でのテキストの活用やテストの復習を重ねることで、覚えることができました。私の場合は、暗記というよりは、何回も書き、問題を解くことで、パターンを覚えていきました。何回も読んでいくとだいたい自然と覚えていくと思います。
 効果があったかはわかりませんが、教育心理などはYouTubeで対策の動画があったので、たまに通勤時間に車で流しながら、耳で覚えたりしていました。

学習指導要領

 塾のテキストを解くときに、特別支援教育分野を間違えないようにしました。

生徒指導

 塾のテキストを解きながら、専門用語を調べて覚えるようにしました。

教育時事

 県の文書は何回か読みました。どういう流れでどこに向かおうとしているのか、授業や学級経営で何が求められているのかを、考え、仕事で実践していくようにしていきました。

専門科目

 塾以外では、専門科目を勉強していました。非常勤勤務の頃は、1日2時間~4時間の勉強時間。2年目以降からは、仕事と家事の両立で手一杯だったので、1日30分~2時間、休日はできるだけ、できるときにできる時間勉強しました。

中学の分野

 教育現場で、1年目では教科を1学年と2学年を掛け持ち、2年目では初めての担任、教科では1学年と2学年の掛け持ち、3年目では、担任と教科では、2学年と3学年の掛け持ちをしています。
 教諭に転職をしてからは、仕事に慣れることや、授業づくりで大変な日々でしたが、ありがたいことに3年目で、全学年の授業を担当できたので、教材研究が試験対策になりました。生徒の素朴な疑問に答えるためには、深い知識が必要なので、教材研究では指導書を隅々まで読み、資料集や高校の教科書を活用していきました。勉強するなかで、私自身も新しいこと知ることに楽しさを感じてきました。
 問題に慣れるために、過去問や「ハイクラステスト 理科」という問題集を解きました。
 カラーの資料集は買って手元に置いています(物理・化学・生物・地学)。

高校の範囲

 私は、基礎ができていないこともあったので、一から学び直しました。それぞれの分野の基礎に注力しました。

物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎

 穴埋めを記入するタイプの問題集をそれぞれ解きました。(なるべく薄いやつ)「書き込みサブノート」
 その後に、演習問題集を解きました。(なるべく薄いやつ)「大学入試 基礎レベル問題集」
問題集を見ながら、解答をノートに書く手法では、私はなかなか頭に入らず合わなかったので、直接本に書き込みました。
 併用して、沖縄県の過去問を解きました。
 採用試験での得点も年を重ねるごとに伸びていきました。

二次試験

 今年度、専門科目の点数に自信がなかったのですが、教職教養の点数が伸びたこともあってか、初めて一次試験を合格することができました。
 一次試験を合格した後に、校長先生や教頭先生、他の先生方に対策をお願いしました。ありがたいことに、大学の先生にも繋げていただき、模擬授業の対策メンバーに参加させていただきました。
 一次試験を合格する自信がなかったことや、ちょうど子が誕生した年ということもあってか、二次試験の対策をしている中で、守りに入ってしまい、自分の話すことに自信を持てなくなってしまうことがありました。その時に、上高先生の「ゼロからのスタートだから守るものはないよ」との言葉や、妻からの言葉によって、思い切って出し切ろうという気持ちになれました。試験の前に、家族と合格だった場合や不合格だった場合のこれからの計画(人生設計や勉強時間、初任研など)を話し合っていくといいと思います。私は、家庭としての見通しが持て、モチベーションも上がりました。

模擬授業

 今回は、課題が事前通知されてこともあり、様々なパターンを構想することができました。
 課題が「練り合う部分」と記載されていたのですが、どこまで求められているのかということに悩みました。
 生徒の意見をより多く引き出す、発問を工夫し思考させる、対話の活動を入れるなど、どこに重きを置くのか、どうバランスをとるのかを考えていきました。
 必ず、構成はノートに書くか、パソコンで打つなど、一言一句、ネタ帳のようにパターンを残しました。
 週に2回程度、様々な先生方に見ていただき、様々なアドバイスをいただきました。5分間という短い時間ということもあり、全部を取り入れることはできないのですが、まずはやってみることをしました。
 その中で、授業の中で見せたい部分や話す時間を考慮しての、最低限の終着点に収まるように構成を考えました。
 私がアドバイスを受けて、取り入れたことや注意した点は、声の大きさ、話のスピード、視線の動き、身振り手振り、板書で結果の表への書き入れ方、チョークの色使い(黄色と赤を使用。白以外は線を引く、囲う程度)、笑顔、生徒の発表の人数(時間内の構成の都合上、私は2人)、思考を深める発問、まとめをどこにもっていくか、何を身につけさせたいか、電子黒板の活用(何を見せるかによる。私は図)。
 採用試験の日までは毎回違うパターンを考え、見てもらいました。採用試験前の1週間前にある程度構成は固めていきました。上高先生も含め、様々な先生方にアドバイスをいただいたことは、「盛り込み過ぎず、ゆっくり話をして収まる程度の中で、見せたいものを絞った方がいい」とのことでした。私はゆっくり話をするペースで、生徒の意見を引き出した後に、電子黒板を活用して、思考を深める発問を1回、生徒の話し合いの場面を1回、取り入れました。
 タイマーで計りながら家で練習をし、見せる際は必ず動画を撮って見返しました。
 家で演技の練習をすることや、様々な先生に見てもらうことで緊張感も和らぎました。
 他教科の先生にも見てもらうことをおススメします。様々な視点で意見をいただけます。
 あとは、自分がいいと思ったものを取り入れ、取り入れないことも大事です。
 そして楽しむことです。私は本番では、リラックスをして楽しめたと思います。

面接

 大学時代に就職活動で対策した時の方法を取り入れました。
①教員になった後、どう貢献していくか、芯になるものを決める。(志望動機や理想の教師像としてみなさん持っていると思いますが)
②自分の強み、自慢できるもの、行ってきたこと、他の人と違う点、エピソードなどを箇条書きで書きました。
③それを沖縄県教育委員会の求める教師像に結びつける。(教育的愛情、常に学び続ける、多様性の受容、組織力の活用など)
④面接の中で、まんべんなく様々な要素を見せるように、柱となる伝えたい話や強みを選びました。
⑤過去の質問例などから、答えの構成を話し言葉で一言一句、書きだしました。(選んだ柱を入れながら)
⑥それを面接の練習時や模擬試験時に話してみました。(覚えたことを言えるかというよりは、考えた話の持っていき方で、相手がどう受け取るかを確かめていました。)
⑦再度、伝えたいことを整理し、まとまってきたら、過去の質問例や予想される質問例をたくさん見て、解答は伝えたいワードだけを書いていくという作業を繰り返しました。
⑧試験当日に笑顔になれるよう、直前まで、さまざまな表情をつくり、顔のストレッチをしてから、本番を楽しみました。

 私はなかなか時間がとれず、ギリギリまで、話すことを決めきれずにいたので、1週間前には答えが固まっていた方がいいと思います。
 なるべくたくさん、強みやエピソードがあるといいと思います。私は大学時代(サークル活動)、民間企業時代(営業)、臨任時代(不登校の支援、オンライン授業、授業の工夫)の中で得たものをどう生かしているか、芯となる部分に繋げるようにしていました。また、即戦力を意識しました。食いついてもらえるようなワードを取り入れたりしていました。
 面接の練習や模擬試験は、内容よりは噛まずに伝える練習、言葉に詰まらないか、雰囲気に慣れる、声の大きさの確認、話のスピード、笑顔がどうかの確認をしていました。何回も重ねると場に慣れて緊張感も和らぎました。私は勤務校で、校長先生に4回ほど、塾の模擬試験で2回しました。
 他の受験者と一緒に対策ができるといいと思います。話し方やキーワードなど参考になりました。私は勤務校で1名一緒に練習をすることができました。
 内容や問い返しは、芯があって一貫性があれば大丈夫かと思います。県の文書や、新聞からの沖縄県の教育の課題などは見ておいた方がいいと思います。(不登校の割合、貧困家庭など)
 当日は、試験官の反応をみながら、エピソードや押していくことを変えて話しました。うなずいてくれたり、目が開いたりのしぐさを見て探りながら、決めていきました。どう生かしていきますか、どう取り組んでいますかなど、具体的な話は問い返しで質問をされるように、1回の質問で長く答えないようにしました。
 去年と同じ質問だったので、話しやすかったです。楽しんで話すことができました。

おわりに

 例年と違い、一次試験の問題数減、論文なし、模擬授業の事前通知など、大幅な試験内容の変更は大きなチャンスでした。そのチャンスをつかみ、合格することができたのは、家族や上高先生、協力していただいた先生方のお陰です。心から感謝します。対策をしていく中で、本当に人に恵まれたなと感じました。
 また、新たなスタートラインに立ち、これからも学び続けていきたいと思います。