2021年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校社会

はじめに

 私は、7回目の受験で採用試験に合格することができました。これまでは試験勉強も覚悟も中途半端で、一次試験の突破さえもできませんでした。同僚からの薦めもあり、今回の試験対策を沖縄教員塾でお世話になることを決めました。

一次試験

 教職教養は沖縄教員塾、専門はメセナ予備校で対策をしました。

(1)一般教養・教職教養

 一般教養については、沖縄教員塾で配布される資料やメセナ予備校での月例テストなどで触る程度で、ほとんど勉強はしていません。ただし、教科が社会科なので社会の問題や沖縄関連の問題は復習したり、琉球・沖縄史の本を読むことには取り組んでいました。
 教職教養については、大学生~社会人2年目頃までは大学で受けられる講座に参加していました。教育法規、学習指導要領、教育心理、県の施策・文書など、すべて大事だと言われ、何から手をつけていいか、あやふやなままいただいた資料や模擬テストでひたすら勉強していました。今回から沖縄教員塾で教職教養を受講し、授業内で上高先生が、ここは点数を落としてはならない大事なところと繰り返し教えてくださるので、その部分を重点的に勉強しました。配布される教材も、重要な箇所が精選されていてとても感動したのを覚えています。膨大な量をひたすらに取り組んでいた時よりも、大事なポイントを理解して勉強ができると以前よりもミスが減り、取れる点数も安定してくるようになりました。
 これまでの教職教養の勉強の貯金があることと、専門の対策に力を注ぐため、教職教養の勉強は授業の時だけに集中して取り組むことがほとんどでした。復習が追い付かなかったり、気になった箇所などは、適宜補うようにしていました。

(2)専門教養

 毎回の試験で専門の点数が足を引っ張っていたため、一次試験では専門の対策に力を注ぎました。自分が苦手な箇所の勉強は後回しになりがちだったので、出題傾向と自分が苦手な箇所を照らし合わせ、まずはそこの基礎的な知識を身に付けるための勉強を行いました。塾の先生方から薦めていただいた教科書や参考書を読むことも行いましたが、モチベーション維持のために自分が読みやすい本も間に挟み気分転換しながら取り組むことを心がけていました。試験対策ではありますが、これから授業をするであろう範囲の教材研究をしていると思いながらやると、頑張ろうという気持ちが維持できました。また、用語集を手元に置き、分からない・あやふやな用語はすぐに調べることを繰り返しました。知識をある程度入れた後は、塾の教材や問題集を解いて定着させることに取り組みました。学習指導要領も塾の穴埋め問題集を繰り返し解いて覚えていきました。専門の点数が試験直前になっても伸びなかったため、沖縄教員塾の教養の授業内にも専門の勉強を行うなど、後半はほとんど専門の対策に時間を費やしていました。

二次試験

 二次試験の対策は、沖縄教員塾と職場で行いました。職場で私の他に、他教科の一次合格者がいたため、勤務時間後などに集まり対策をしていました。
 一次試験合格発表までの間は、①面接の質問内容を考えること、②県の施策や文書を読み込むこと、③模擬授業の教材研究に取り組んでいました。

(1)面接試験

 面接の質問内容は、上高先生にメールで送り添削してもらい修正していきました。面接練習は、職場の同僚と上司にも協力してもらい、アドバイスをいただきながら回数を重ねていきました。回数を重ねるごとに、落ち着いて質問に答えられるようになっていきました。上高先生からのアドバイスにあったように、面接ではいつも自分の言葉で話すように心がけていました。そして、1年という短い臨任経験ではありますが、その中で体験したこと、感じたこと、考えたことなどを織り交ぜながら話すことを意識しました。自分が経験して感じたことは、他の人には話せない言葉になると思うからです。質問内容はある程度準備して臨みますが、自分が素直に思ったことや考えたことを話すことが一番大切だと感じます。

(2)模擬授業

 模擬授業の過去の出題の資料から、公民分野が来ることを想定し、一次試験合格発表前から教材研究を始めていました。公民分野は教えた経験がないため、模擬授業の課題が届いてからは、職場の社会科の先生方にアドバイスをもらいながら授業の構想を練っていきました。私の二次試験対策は、この授業構想に一番時間を割いていたと思います。私の場合、大きな単元の導入部分を5分で行わなければならず、自分の目標とするところまで時間内に収めることにも苦労しました。ある程度形になった後は、模擬授業の練習を同僚と行い、面接と合わせながらの練習も行いました。社会科の先生方にも授業を見てもらい、専門的なアドバイスもいただきながら修正をしていきました。上高先生との模擬試験では、動きや笑顔が少ないことを指摘されたため、生徒のための授業であることを忘れずに楽しんで授業することを大切に本番に臨みました。

生活

 私は、大学卒業後は社会経験を積むためと勉強時間確保のために非常勤事務をしていました。その後、学習支援員として勤め、昨年から中学校で臨任として勤め始めました。臨任として働くまで、勉強時間が確保できる仕事であったにも関わらず、中途半端な姿勢と覚悟のために勉強が疎かになっていました。臨任として勤め始め、子どもたちと接する機会が増えて、関わりが濃くなっていく中で、自分でも知らずのうちに、教職に対する姿勢と覚悟ができていったのだと思います。これまで勉強を疎かにしていた代償は大きく、私は勉強を習慣にすることから苦労しました。初めは、仕事から帰ったら1時間は必ず勉強すると目標を立てていましたが、仕事で遅くなったり疲労が溜まると継続できませんでした。同僚に相談したり、上高先生からアドバイスをいただきながら、朝に少し早起きして1時間勉強する方法を試してみました。早起きが苦手な私でしたが、慣れてしまえば、朝の方がスッキリしていて勉強もはかどりました。平日は無理せず1時間だけ取り組み、習慣化することを目標に行いました。仕事と勉強の両立という点では、特に部活動の面では配慮していただき、塾の授業にはほとんど参加することができました。

おわりに

 上高先生をはじめ塾の先生方、職場の上司や同僚、家族、友人そして生徒など、周りに恵まれてたくさんのサポートをいただいて今回合格することができました。スタートラインに立てたことに感謝し、学び続け、生徒に寄り添える教員になるためにこれからも精進していく決意です。
 そして、様々な事情や状況があり、それぞれの思いを抱きながら試験勉強をしている方々へ。
 私は、一次試験も二次試験も最後まで完璧だという状態まで持っていくことはできませんでしたが、諦めずに希望を持ち続け、全力を尽くしました。合格を目指しての道のりは苦しいことの方が多いかもしれませんが、それぞれの頑張る理由を大切に、最後まで希望を持ち続け、ぜひ合格を手にしてください。私の体験が少しでも皆さんのお役に立つことができれば嬉しいです。