2019年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 高等学校公民
はじめに
私は、6回目の受験で教員採用試験に合格しました。昨年は二次試験で不合格となったため、来年こそは合格したいと思い、二次試験の不合格が発表された日に、上高先生と面談をし、沖縄教員塾でお世話になることを決め、今年、無事合格することができました。教育現場に入ったのは3年半前で、臨任経験が1年しかない私でも合格することができたので、みなさんのお役に少しでも立てるように、私の勉強方法を書きたいと思います。
<1次試験について>
・専門試験
専門試験の勉強では、まずは、政治経済、倫理の教科書を一読しました、倫理に関しては大学で専攻していなかったため、知識がないことから、三年前から一次試験の勉強を始めたときに必ず、すべて読むようにしていました。政治経済、現代社会に関しては高校生のころから、得意科目であり、政治学と法律学を大学と大学院で学んでいたので、一読で済ませていました。また、倫理に関しては、用語集をすべて読みました。そして、倫理のノートに用語集から必要な説明を加えて、情報を一元化していきました。一次試験の直前は、上高先生のおっしゃっていたアドバイスを参考に、用語集の索引を見て、わからない言葉がないかチェックし、わからない場合はその部分を読み直しました。倫理は公民の科目の中でも時事問題が少なく、正答を導きやすく得点源になると思っていたので、知識の穴をなるべく少なくして正答率を上げていきました。政治経済、現代社会も同様に使っているテキストに情報を一元化しました。インプットは情報を一元化するという形で行っていきました。
そして、アウトプットでは、過去問とセンター試験の問題を繰り返し解きました。覚えるぐらいは繰り返し解いたと思います。面白いことに、何度も間違った問題は何度も間違えます。知識の有無ではない何かが隠されているのかもしれないと思いながら、楽しく問題演習をしていました。一次試験の直前は夜に働いていたこともあり、時間を確保できないこともあったので、移動のバスの中でも問題を解いていました。
インプットとアウトプットの量を少しずつ変えていきながら勉強しました。11月~4月まではインプット中心に、5月~試験直前まではアウトプットを中心に勉強していきました。
・教養試験
教職教養は塾のテキストを使って勉強しました。5度の受験経験から出題範囲が膨大であると感じていたため、塾のテキストと演習問題に絞って勉強した方がよいと考え、確実に取れる問題を増やしていくことにしました。上高先生が授業中にここは重要で外してはいけないということをおっしゃってくれるので、そこを中心に勉強しました。
そして、本番までに分野ごとに正答率をあげていこうと考えて勉強しました。法律を専攻していたため、教育法規は満点を目指し、教育心理、教育原理も満点を目指し、範囲が重複しているものは、なるべく体系的に覚えるようにしていました。公民科の分野ともこの部分は重複するため、専門教科と一緒に関連付けて勉強していました。また、特別支援教育支援員をしていたこともあり、特別支援教育については特にしっかりと取り組みたいと考え勉強していました。学習指導要領は解説も含めると出題範囲が膨大であるため、総則など誰もが知っているような範囲だけ勉強しました。専門教科と同様にすべて分野ごとに情報を一元化し、演習で間違えた問題はテキストに書き込んでいきました。11月~4月は穴埋めを覚えたりし、5月~一次試験直前までは演習をしていました。
一般教養はほとんど勉強をせず、塾の演習問題を眺める程度でした。しかし、沖縄に関連することは教科が社会科ということもあり、沖縄の歴史の本などを読んで勉強していました。
<2次試験について>
・論文試験
論文試験については一次試験後から取り組まなければならないのですが、私は一次試験後、1学期、仕事で上手くいかないことが多く続き、また、一次試験の手ごたえがなかったため、一次試験の合格発表が出るまで、ほとんど勉強していませんでした。
論文については、昨年の受験経験から、私にとってはあまり得点源にしにくいのではないか、と思っていたため、論文を書ききる力は元々あったので、県の文書、県教育委員会の出す文書だけを読み、覚えるようにしました。これらの文書は一次試験対策でも読んでいたので、その続きとして、言葉を正確に覚えるようにしました。二次対策の中で実施される模擬試験の論文だけ書いて、文書に出てくる言葉の言い回しだけを覚えるようにしましました。
・面接試験
面接試験は塾の二次対策の中で見てもらい、たくさんのアドバイスをいただきました。面接に関しては、とにかく自分の言葉で話すことを心掛けました。借りてきた言葉は自分の言葉ではなく、話していると苦しくなるため、自分の言葉を大切にしました。
この半年間、支援員をしていたため、生徒観がだいぶ変わり、さまざまな問題にチームで取り組むことを実感していたので、そのことを前面に出して話しました。
・模擬授業
私が二次試験で最も力を入れたのが模擬授業です。公民の受験生が周りにいなかったため、校種、教科の違う塾の一次試験合格者の方々に話しかけ、たくさんの模擬授業を見せていただきました。そこで、自分の授業に欠けているものを探していきました。また、上高先生をはじめ、社会を専門とする本務の先生方にも見ていただき、たくさんのアドバイスをいただきました。たくさん質問もして、疑問を解決しながら本番に臨みました。本番は昨年から模擬授業を苦手としていたため、なかなか上手くいかなかったのですが、上高先生の予想が的中した分野が出題されたため、一度やった模擬授業を修正して、安心して臨むことができました。非常勤をしている学校でも模擬授業を見てもらい、「あなたの個性を大事にして、あなたしかできない授業をしなさい。」と言われていたので、自分の個性を消さずに授業を行うことができました。
おわりに
私は大学生のとき、教員になりたいと考えていましたが、教育実習で失敗したこと、そして、他の分野で取り組んでみたいと思うことがあり、教員採用試験に向けて勉強を始めたのは31歳のときでした。最初の三年間は教育現場に入ることができなかったため、気持ちが全く向かず、勉強に真剣に取り組んではいませんでした。しかし、臨任を経験し、生徒と接するうちに教員になりたいという気持ちが強くなりました。そして、現在やっている特別支援教育支援員の仕事をすることで絶対に教員になって、この子たちのような子たちと自分自身も成長していきたいと思うようになりました。たくさんの生徒たちと出会い、私自身が変わることができました。生徒のことで大泣きしたこともありますが、生徒が学校に来てくれると、とても安心して幸せな気持ちになります。周りの人々の支えのおかげで、スタートラインにやっと立つことができました。ありがとうございます。
いろんな生徒と関わることができる日々に感謝し、教育的愛情を持った教員として日々、頑張っていきたいと思います。
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