平成28年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語

(1)はじめに

 私は今年、11回目の受験でした。これまで、合格するために試行錯誤してきました。私の経験が、合格したくて必死になっている方の役に立てばと思い、記します。

(2)これまで

 平成22年の4月にメセナ予備校に通うまでは、目の前の仕事に精一杯で、ほとんど勉強せず受験していました。恥ずかしい話、専門が何点かも把握していませんでした。4月から7月まで仕事をせず勉強に専念したものの、自分の基礎知識のなさを痛感しました。
 その後は、週1回、メセナに通い続けました。名護から通うのは大変でしたが、勉強している人を見て刺激を受け、自分のモチベーションを高めるために通っていました。しかし、仕事と両立できず、1週間で復習できないことも多々ありました。部活指導で欠席することもありました。いろいろと経験し、自分の性格や能力をふまえ、仕事をしながら試験勉強の時間を確保できる非常勤を希望しました。
 教員塾に入塾し、那覇通いが週2回に増えました。意識したのは、次の授業までに前の分の復習を済ませることでした。また、一部免除に該当するため、教養の勉強をしていた時間を特別支援の免許取得の為の時間に充て、加点10点に繋げました。
 私が受験してきた中で一次免除・一部免除・加点など、採用試験が変わってきました。臨時の申し込みをする時期になると、試験勉強に専念するか、経験者が優遇されるなら仕事をしていた方がいいのかと、悩みました。
 一部免除が有効かも悩みましたが、その都度、後悔しないように選択・決断してきました。

(3)一次試験

 過去問を分析し、配点の高い分野や頻出度の高いもの、自分の苦手な分野、確実に点数に繋げたいもの等を考えました。相手(試験)を知り、自分を知ることを意識し、計画を立て、定期的に学習の進捗状況を確認し、学習方法を見直しました。
 これまで、いろいろな学習方法を試してきました。合格者の体験談を読んだり、友人にどのように勉強しているか聞いたりしました。たくさん試すうちに、自分にあった方法を探すことができました。下記は、私が実践してきた学習方法です。

①学習指導要領

・塾で配布された穴埋め式の問題を繰り返す。
・学年で比較できるよう表を自分で作成→塾で配布されたものを活用
・「生活」「実生活」、「多様」「様々」等、紛らわしい語を整理する。
・内容と自分が実践してきた授業を関連させて覚える。

②現代文(評論・小説)

・解き方のポイントをまとめる。「現代文の読み方・解き方」(メセナ教材)
『現代文講義の実況中継』(出口汪/語学春秋社)
「受験サプリ スタンダードレベル現代文(小柴大輔)」
・塾で問題を解く→解説を読む。
・解答の根拠となる本文の部分に線を引く。
・塾で扱っていた記述式の問題で力がついたが、選択肢の練習をしたかったため、メセナの時に教材として使っていた『大学入試センター試験過去問レビュー(黒本)』(河合出版)を活用。選択肢のどの部分が間違いか、本文と照らし合わせる練習を繰り返す。

③韻文

・「短歌・俳句演習問題」「詩の特別授業」(メセナ教材)
・『新訂総合国語便覧』(第一学習社)の百人一首・短歌・俳句を写本、意味・表現技法・作者の確認
・過去問を繰り返し解く。
・詩、短歌、俳句に関する本を読む。

④古文

・単語を覚える。塾の資料(毎回の解説)
『マドンナ古文単語230』(荻野文子/学研プラス)
友人が作った資料/携帯無料アプリ
・文法を習得する。塾の教材・確認テスト
「受験サプリ 古文 文法編(岡本梨奈)」
・解き方のポイントをまとめる。「センター古文直前チェック」(メセナ教材)
「受験サプリ スタンダードレベル古文 読解編」
・塾で問題を解く→解説を読む→音読→必要事項を整理し、覚える。

⑤漢文

・重要語句を覚える。塾の資料(毎回の解説)/『徹底理解 高校漢文』(東京書籍)
・句法を習得する。塾の教材・確認テスト
「受験サプリ 漢文(岡本梨奈)」
『ゴロゴの驚愕漢文』(板野博行/アルス工房)
携帯無料アプリ
・解き方のポイントをまとめる。「センター漢文直前チェック」(メセナ教材)
「受験サプリ センター古文漢文直前対策講座」
・塾で問題を解く→解説を読む→音読→必要事項を整理し、覚える。

⑥知識

・四字熟語、対義語、カタカナ語、部首、ことわざ、同音語、口語文法の識別、文学史を、塾の資料(テスト)・メセナ教材(専門/教養)・自作資料・友人が作った資料・過去問で対策

⑦沖縄

・『沖縄の文学』(沖縄時事出版)を読む。
・過去問・これまでの模試

※この1年は、復習を徹底しました。テストで間違った問題は繰り返し、文法や句法等でよく間違えるものは、専用のノートに整理しました。さらに、勉強していて必要があるものは、その都度メモし、まとめました。辞書の活用も意識しました。学習する時、国語辞典と古語辞典は常に持ち歩き、わからない語句や気になる語句は、すぐ調べるようにしました。わからない事は塾で友人に聞いたり、先生に質問したりと、これまでと比べると突き詰めて学習したように思います。また、時間配分が課題だったので、問題を解く際は時間を意識し、過去問を使って時間配分の練習を繰り返しました。

(4)二次試験

 初めての挑戦だったため、何をどうしていいか分からず、不安でした。また、折角手に入れたチャンスをものにしたいという思いもあり、一次の発表から二次試験までは緊張の連続でした。しかし、上高先生や二次対策でご指導下さった先生方、一次を突破した塾のメンバー、同僚、恩師、友人等、たくさんの皆さんに協力していただき、二次試験に臨むことができました。

①一次試験前の対策

・塾での論文の課題を二つ三つ書いた。

②一次試験後から二次試験合格発表までの対策(論文・面接)

・塾の論文の課題をすべて書き上げた。
・論文を書く際の注意点をまとめる。(添削で指摘されたこと等)
・塾の二次対策資料の面接の質問の回答を考える。
・県の施策に目を通し、キーワードを覚える。
・いじめ等の定義をまとめ、覚える。

③一次試験合格後の対策(模擬授業中心)

・塾での模擬授業・面接・論文→指摘されたことは整理し、改善する。
・同僚から体験談を聞く。塾のメンバーと情報交換
・塾のメンバーで、教材を分担し、自分の担当教材を教材研究・指導案作成(略案)
・恩師に模擬授業の相談
 →学習指導要領を読み、つけたい力は何かを確認し、言語活動を設定する。
 →「平成28~30年度 学校教育における指導の努力点 リーフレット版」(沖縄県教育委員会)の国語に目を通し、3ステップと3つの視点を意識して授業を組み立てる。
 →どの教材が出題されてもいいように、パターンを決めておく。
 導入:学習のめあて、授業の見通しを持たせる。
 展開:言語活動、他者との交流
 まとめ:めあての振り返り、活動(交流)の振り返り
・塾のメンバーで練習(お互いの授業を見せ合う)

④二次試験の実際
論文

課題:豊かな心の育成を授業でどのように行うか。(実際は長めの文で出題)
→序論:豊かな心の育成が求められる背景(いじめ問題や特別の教科道徳にふれた)
 本論:国語の授業実践(意見交流し、互いの意見を認め合う取り組み)
道徳の授業実践(道徳的実践力を身につけさせる取り組み)
 結論:本論を振り返る。授業だけでなく、教育活動全体通じて取り組む。

適性検査について

・音声を聞いて、マークしていく。

個人面接について

○試験官はテーマごとに分担され、質問しているように感じました。試験官1人目は、質問の際は顔をあげて質問していましたが、私が答えている時は時間を計ったり、資料を見たりしていて、ほとんど視点が合いませんせした。2人目の試験官は、1人目とのやりとりを側でうなずきながら聞いていました。3人目の試験官は自分の番がきて、質問をしながらメモを取っていたという印象です。

※質問は、準備していた内容が多かったので、戸惑うことなく対応することができました。答えた内容に対して、「それでも改善されなければどうするか。」と突っ込まれると、少し動揺しましたが、対応しました。面接の自己評価としては、可もなく不可もなくといった感じでした。自分の長所や経験をアピールできたかと振り返ると、十分ではなかったように思います。

模擬授業について

課題(合格通知と一緒に送付)
 ・中学校国語学習指導要領第3学年の〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕についての模擬授業を行う。指導事項については、当日提示するので教材や教具を準備する必要はない。

※敬語は準備していた内容でした。学習指導要領には、「敬語については、第2学年での指導を踏まえ、社会生活の中で、相手や場面に応じて、適切に使い分けることができるように指導する必要がある。」と明記されています。それを意識し、授業を組み立てました。

つけたい力:敬語を社会生活の中で適切に使う。
言語活動:敬語劇をしよう。
学習のめあて:敬語を使う場面を演じ、敬語のはたらきを理解することができる。

 構想の時間で、ユニバーサルデザインの視点を取り入れ、学習の流れを板書。上記の内容まで板書しました。「わかる授業 Support Guide」にある徹底事項の診断的評価(レディネステスト)を前時に取り入れ、個別の指導・支援として補習を行ったという設定で、授業をスタートさせました。導入ということで、学習の見通しを持たせるため、学習進行表を配付する説明をしました。褒める場面や、書く時間、聞く姿勢等の指示を明確にするよう気をつけました。教師側で劇のポイントを示し、さらに生徒にモデルを演じさせる予定でしたが、そこにいく前に時間がきてしまいました。取り入れたいと考えていた内容は、実践できました。しかし、いろいろと詰め込み過ぎてしまったというのが反省点です。

(5)生活

①仕事と学習の折り合いのつけ方

 臨時採用されていた時は、教科経営・学級経営・部活動指導で自分の採用試験勉強は後回しでした。仕事をせず、勉強に専念した時期もありましたが、思うような結果が出ませんでした。仕事と勉強を両立させたいという思いが強くなり、非常勤講師を希望しました。私は、非常勤の方がバランス良く取り組めました。生徒を目の前にしていたら、やはり教師をしたい、早く合格したいと、試験勉強のやる気に繋がりました。非常勤で勤務してからは、授業の準備は授業の前後学校にいる間に、それ以外は自分の勉強というようにメリハリをつけることができ、臨時の時より効率よく仕事・勉強ができるようになりました。

②学習時間の作り方の工夫

 私は、早起きなので、朝の時間を大切にしていました。5時頃に起き、1時間半程勉強し、仕事に行く準備をしていました。また、1人だと仕事を優先にしがちだったので、友人と時間を決め、図書館で勉強していました。また、隙間時間で単語帳や携帯アプリ活用しました。

(6)おわりに

 私は今、自分のこれまでの授業の資料を整理したり、薦められた授業実践に関する書籍を読んだりしています。採用試験の勉強をしながら思っていたことは、早く合格して、この勉強している時間を教材研究に使いたい、提出物の添削の時間に使いたい、生徒のために使いたいということでした。その願いが叶い、今は思う存分、やりたいことができます。
 これまで、本当に辛い道のりでした。仕事と勉強の両立に悩んだり、いつ合格できるのだろうと不安になったり、ひがんだり、うらやんだり、苦悩の連続でした。それでも、あきらめずに採用試験に挑戦し続けたのは、自分の経験をいかして、子ども達の成長の手助けがしたいという思いがあったからです。私自身、学校という場所で成長してきました。楽しかった国語の授業、鍛えられた部活動、みんなで協力した行事の数々…そして、教え子の成長。今の私があるのは、学校での経験があったからです。教師になって子ども達の成長の為に力を尽くすことが恩返しになると考え、教師を目指してきました。その思いが合格へと導いてくれました。
 合格の報告をすると、たくさんの人が喜んでくれました。恩師・同僚・家族・友人…。改めて振り返ると、本当に多くの方々にお世話になってきました。上高先生には7年近くお世話になりました。試験対策だけでなく、教師として、人として、多くのことを教わりました。また、私にとって塾のメンバーは良い刺激を受けるライバルであり、共に学ぶ仲間でした。様々な人々との関わりの中で、今の自分があることへの感謝の気持ちを忘れずに、目の前の子ども達・これから出会う子ども達の為に、常に学び続けていきます。