平成28年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語
1.一次試験対策
①一般・教職教養は一部免除
②専門教科
一部免除で、専門教科にかける時間が大幅に増えたことが大きな利点だった。とはいえ、専門教科ではいつも100点を前後しており、あまりよい結果ではなかった。とりあえず、基礎から徹底して取り組み、目標を120点以上(合計点数の目標を180点台)にして学習を進めた。
まず指導要領の20点は確実に取ると決めて、まずは指導要領の内容を学年ごとに色分けして視覚的に整理した。また朝の時間を活用して録音データを何度も聞いたり、ノートに間違えた部分だけを徹底的に書いたりした。結果、問題の出題形式が少し変わっただけでは動揺せずに問題を解くことができた。
古典や漢文では、火曜日の授業での振り返り用紙に得点と学習の記録を毎回記入していくことで、自分の苦手な部分が浮き彫りになり、学習時間が多い週末の課題として取り組むことができた。また、塾ですすめられている辞書の活用を学習に取り入れることで語源を知り、語句の意味を覚えるために役立った。間違えた単語は古文・漢文分野と分けてノートにまとめて復習できるようにした。
内容や趣旨を捉えるために、基礎問題集を購入し、比較的易しい問題から取り組み、徐々に問題の難易度を上げていったり、全文を自力で訳してみたりと取り組んできた。
定期的にある、塾での過去問題への取り組みは、緊張感の中で時間配分を考えて解くことを身につけるためには欠かせないものであった。
過去問題のもう一つの学習法としては、古典や漢文、現代文と評論、沖縄関係とその他知識問題などと、4~5年分の内容ごとにまとめて学習することで、内容を比較しながら理解することができた。
高い点数ではなかったが、自分なりに理解ができるようになった。このような上高先生の学習スタイル(辞書の活用・読書の推進・教材研究の姿勢・新聞記事の掲示活用)は、試験対策だけでなく、今後の国語教師としての基礎を築くものとして、大事にしていきたい。
2.二次試験対策
①YG検査(25分)
始まる前に調書と通知封筒の回収があった。また黒板には2日目からの会場と控え室の案内、受験の順番がA4用紙に書かれ、貼り出されていた。その後、諸注意と検査用紙の配布があり、音声にしたがって答えていった。とくに対策はしていない。
②論文(75分―1200字)
一次試験の結果が届いてから取り組んだのでは遅い、と分かってはいたものの、結果が届いてからの取り組みになってしまい、これまでに書いて添削して書き直したもの(BやC評価のもの)を6本準備した。
まず全体の構成の組み立て方(序論・本論二つ・結論)になれることを身につけたら、次は論文を時間内に書き上げる訓練である。塾での論文対策以外でも、自分で時間を設定して書く訓練をした。添削をしていただいた際に、上高先生から字を丁寧に書くように再三注意された。そのおかげで丁寧に書く力がついた。そのほかに、これまでに合格した先輩が書き上げた論文を見せてもらい、書き方の参考(キーワードの活用法・これまでの経験をどのように書くか)とさせてもらった。また、塾に掲示してある、新聞記事から県内外の教育時事を取り上げている内容を読んだ。
論文対策だけで、かなりの時間とエネルギーを要した。一次試験対策の合間にやるべきだと痛感した。今回のテーマは「豊かな心の育成」という課題を体験的な学習を通してどのように身に付けさせるか、について問うものであったが、経験ばかりを盛り込みすぎて、重要キーワードをうまく盛り込めていなかったのが原因で点数が低かったと反省している。
③面接(15分)
面接官は3名おり、中央の方から左側、最後に右側の方と5分ずつ(計15問程度の)質問をしてきた。中央の方の、「リラックスして、あなたの考えを聞かせて下さい。」とワンクッション置いていだいたことと、穏やかな笑顔と声で私の緊張が和らぎ、私自身も終始笑顔で面接を受けることができた。
次に、左側の面接官からはストレスの発散法や保護者とのやり取りに関して聞かれた。最後に、右側の面接官からは場面指導をするように指示された。
④模擬授業
二次試験が初めてだったので、まずは合格した先輩職員に話を聞き情報収集をした。通知の課題では領域だけの指示だったので、その領域にあたる単元を、東京書籍・光村図書・教育出版などの各教科書から全て割り出し、主に共通で取り上げている単元に絞って取り組んだ。
まず、取り組み内容としては、学習指導要領の内容や指導の重点項目などを熟読し、この単元で生徒たちに身に付けさせたい力などについて考えた。その際、塾の仲間でお互いに模擬授業をしてアドバイスしあったり、情報交換をしたり、またこれまでお世話になった先輩職員に授業を見ていただいたり、自身の授業の様子を動画で撮ったり、声の抑揚や顔の表情などを何度も見直した。
模擬授業に対しては、照れや恥ずかしさなどもあってしり込みしてしまい、実際に取り組むまでに時間がかかった。塾で提示された課題にうまく対応できないこともあったが、塾の仲間たちと切磋琢磨し合う中で、良いアイデアが浮かんだり、良い点を褒めあったりして、自信がついていった。
当日までに全部の単元の板書計画と略案を作成し、導入・展開・まとめの部分のどこがあてられても、ひととおり授業できるよう準備をした。塾では、模擬授業を2回設定してくださり、古典とその他の単元で模擬授業を見ていただいた。当塾の合格者から聞いた失敗談やポイントなども参考になった。
試験当日は担当者に番号を呼ばれた後、すべての荷物を持って、案内係に従って教室に行くよう指示があった。試験官は3名おり、左側が時計係。受験番号と氏名を聞かれ、丁寧に「筆記用具は持っていますか?」と声かけがあった。塾の模擬授業では筆記用具を忘れ、焦ったことがあったので気をつけた。教卓の傍の机上に、課題が置かれており、構想時間(4分)の後、合図で模擬授業に入った。構想時間の間で日付や単元名や目標などの板書をした。
中学校国語学習指導要領第3学年の「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」で「敬語」について授業をしなさい、とのことだったので、導入部分の授業を展開した。
間違えやすい敬語について、身近な話題を例に取り上げ、2学年での既習事項である敬語の種類と働きにふれて、どこをどう間違えており、どう直したらよいのかを板書をしながら説明した。
⑤まとめ
これまでに、上高先生にはメセナで2度お世話になりました。その時は意識も低く、試験の結果も合格圏内には到底及ばなかったため、仕事の忙しさを理由に、試験に取り組むことから無意識に逃げていました。学校現場で多くの可能性を秘めた生徒たちに出会い、その秘めた可能性を引き出したいと思ったことが私の背中を押し、今回の入塾を決意しました。
片道1時間余りかかる道のりや生活、やるべきことが山積していることを考えると、何度も逃げ出したくなりました。しかし、これまでの自分を変えたいという意志と上高先生の熱心な指導に向き合わなければいけないという気持ちを奮い立たせ、取り組んできました。
これまでの現場で夢をもって生き生きと輝いた生徒たちに出会えたことや常に沖縄県の教育を考え実践する上高先生に出会えたこと、現場ですばらしい先輩職員に出会えたことや塾での高い志をもった仲間に出会えたことのすべての縁が今回の試験を乗り越える大きな力になりました。家族や周りの人に支えられ、さらに一部免除というまたとない機会をいただき、試験を通過することができました。これからが本当の試練ですが、さらにいろんなことを吸収し、これまでの経験を生かしながら頑張ります。本当にお世話になりました。ありがとうございました。
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