平成28年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語
私は、大学を卒業してしばらく学校現場から離れていたため、採用試験に対する情報はほとんどなく、また受験に対する意識もかなり低いまま何年も受験していました。学校現場で働き始め自分の現状の厳しさに気づきメセナに通い始め週1回の専門科目を受講しました。それからも仕事の忙しさを理由に、塾以外での学習時間の確保は試験前の2・3ヶ月程度でした。今年「沖縄教員塾」に通い始め学習時間・学習内容ともにこれまでとは大きく変化しました。
●専門国語の授業の受講の仕方
今年度から教養試験が免除だったため、火曜・土曜の専門科目のみ受講していました。
授業の復習を中心に塾でのテキストを使用して勉強しました。
・火曜日の助動詞の基礎問題は①授業時②翌日復習③月曜に復習④チェックテスト⑤翌日チェックテスト復習(問題文のわからない単語は調べてマーク)
・土曜日の演習問題は①授業時に解く②週末で復習(単語チェック)
●学習時間の作り方の工夫・学習方法
朝早めに出勤して1時間は学習時間を確保しました。夜は仕事の疲れのためなかなか取り組むことができませんでしたが、その週の授業の復習をやりました。(1~2時間程度)
4月頃からは学習時間を増やし、土曜日のテキストの復習や模擬試験、採用試験の過去問を解くようにしました。平日は時間の確保が難しかったので、一度にすべての問題を解くのではなく、学習指導要領・現代文/古文・常識問題/漢文・沖縄問題と数回に分けて解いていました。(2~3時間程度)→古文単語のチェック・漢文句形のチェック
授業の始まる1時間前には塾へ来て、前の授業の復習や本を読む時間を確保するように心がけました。週に2日は(朝1時間・授業前1時間・授業3時間)5時間の学習時間を確保しました。
【朝】
・その週のチェックテストの復習
・学習指導要領
・漢文句形
・文学史(選択肢にあるものも便覧を使って調べる)
【夜】
・土曜日使用のテキストを解く(復習)
→古文・漢文は全文を写すのではなく、問題文になっている部分を本文・書き下し文・現代語訳を書く
(単語・助動詞・句形のチェック)
・5月頃から週末に今年度の模試・過去問を繰り返し解く
●二次試験(一次試験前の対策・一次発表までの対策・発表後の対策)
【一次試験前の対策】
小論文対策は月に2つ書くのを目標にしていました。自分の中で論文の書き方をなかなか習得することができずに論文を書き上げるのに最後まで苦しみました。年明けからは時間がとれずに論文はほとんど書けませんでした。(テーマ6まで)
面接・模擬授業対策はしていません。
【一次発表までの対策】
「小論文」
私は教育委員会からの基本文書をしっかりと読んだことがなかったので一次試験終了後に資料を揃えて読みながら、沖縄県の教育目標を確認していきました。そのうえで一次試験までに書けなかった4テーマを書きました。それまでに書いていた論文も書き直しました。
<参考にした資料>
・「学習指導要領」
・「平成28~30年度 学校教育における指導の努力点」
・「平成28~30年度 学校教育における指導の努力点」リーフレット版
・「沖縄県学力向上主要施策『夢・にぬふぁ星プランⅢ』-虹色・未来への架け橋」
・「わかる授業Support Guide」
・「沖縄型授業づくり~にぬふぁ星メソッド」
・「信頼される学校づくりをめざして~双方向による対話で心をつなぐ」
・「沖縄県いじめ対応マニュアル」
上記の文書は小論文対策と合わせて面接対策としても活用しました。
「面接」
配布された二次対策の資料にある「面接で予想される質問」の項目に対しての答えをまとめていきました。
【発表後の対策】
「小論文」
発表後は前年度の課題を何度も書き直し、構成を確認していきました。最後まで自分のなかでコツをつかむことができずに本番も最後まで字数を埋めることができませんでした。小論文の対策は新年度までに時間を取りながら、しっかり対策した方がいいです。
「面接」
二次対策の資料の質問項目を中心に答えをまとめていきました。塾での1回目の模擬面接では緊張から答えに詰まることも多く、うまく受け答えができませんでした。志望動機や自己アピールも短く、自分の考えを伝えることができませんでした。模擬面接後は志望動機と自己アピールを「面接調書」に書いたことからずれないようにまとめ直し、何度も声に出して練習をしました。自己アピールは2分間を目安にタイマーで時間を図りながら練習しました。本番ではほとんどが予想されていた質問でした。「志望動機」「生徒指導」「学習指導」「保護者対応」「職務について」まんべんなく様々なことを質問されました。面接は自分の考えをしっかりとまとめ、大きな声で落ちついて伝えることが大切です。一次試験が終わったら質問項目には目を通して対策していた方がいいです。
「模擬授業」
塾のオリエンテーションに参加後、同じ中学国語のメンバーと模擬授業対策をしていきました。私は中学校勤務の経験がないので、教科書や生徒の実態など現場で経験されている方にいろいろと情報をいただきました。模擬授業の課題が出た後に塾のメンバーで、当日の課題を予想し、出そうな教材を4つのグループに分かれそれぞれ「古典教材」「言語事項」の二つの教材を担当し、指導案の略案を作りました。略案を持ち寄りながら授業構想の情報交換をして、そこから自分なりの授業展開を構成していきました。私は、予想した7つの教材を中心に授業展開を考えていきました。他の塾生の授業を見せてもらったり、中学校で勤務している友だちにアドバイスをもらったりしながら、8分の授業導入の実践練習をしていきました。塾での1回目の模擬授業では授業目標の提示までの長さ・板書に関する指摘を受け、時間配分に気をつけながら授業構成を見直しました。予想して教材研究をしていた7つの教材すべての授業導入・板書計画をくりかえし練習しました。本番は「敬語」が課題として出されました。大きな声で教室の後ろの方の生徒を意識しながら、既習事項の確認・本時の学習目標・板書・生徒への発問を8分間の模擬授業で行いました。今回、課題の範囲が「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」についてと広く指定されていたため、教材を絞り込むことに苦労しました。二次試験まで限られた時間ではありますが、予想される教材はすべて授業展開を考えて取り組んでいた方がいいと思います。私は今回あまり授業を見てもらうことができなかったのですが、客観的に見てもらうことでいろいろなアドバイスをもらうことができると思います。
●その他
私は高校での勤務経験しかなく、中学校受験への変更は大きな不安がありました。しかし、面談での上高先生からのアドバイスや自分自身のこれまでの経験を振り返り、本務として落ち着いて様々なことを経験し、仕事の幅を広げていきたいと思いました。そこで採用枠が多く合格するチャンスが広がる中学校への受験を決めました。中学へ変更しても合格するには厳しい現状に変わりはありませんでした。しかし、中学校への受験変更を決めた後は目標がはっきりしたために集中して勉強に取り組むことができました。
長い臨任経験では多くの貴重な経験をさせていただきました。臨任だからこそ短期間で多くの現場を経験し、多くの生徒たちと出会うことができました。私はその現状に満足し臨任として働くことに慣れてしまっていました。これからは先を見て生徒と長く関わっていけることがとても楽しみです。
ここまでの長い道のりは決して楽ではなく、早く合格したいと思っていました。しかし、私にとってこの時間は必要な時間だったと思っています。これからも初心の気持ちを忘れずに学び続け、生徒の可能性を広げることのできる教師を目指していきます。長年にわたり指導してくださった上高先生に心から感謝しています。
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