2019年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語

●はじめに

 私は、今年6度目の受験で合格することができました。大学4年生の時は大学の早朝講座が無料で開かれており、教職教養だけ勉強をしていました。またその後は、青年の家で自学をしたり、短期で開かれている講座に通ったりとしましたが、どれも国語の専門教科については扱っておらず、専門で点数を伸ばさなければ合格はほど遠いなと感じていました。沖縄教員塾はその頃から58号線を走るたびに、窓に書かれた「国語」の文字を見て、入塾すべきか……と悩んでおりました。そんな中、友人が沖縄教員塾に入塾し合格したと聞き、その紹介で2017年9月にこちらに入塾しました。
 入塾当初は仕事をしておらず勉強に専念しようと思ってはいたのですが、時間のやりくりが全然できず、1歳の子どもの世話と慣れない家事にてんやわんやでした。2018年4月からは家計の事情で小学校の事務補助員として働くことにしたのですが、まったくやったことのない仕事で余計に勉強時間を確保できず、結果として5度目の試験は1次で不合格となりました。しかし、ほとんど勉強していなかった前年に比べると専門教科の点数は上がっていました。そのまま事務補助員2年目として勤めながら、継続して沖縄教員塾に通い、今回合格することができました。上高先生にご指導いただき、自分の親にたくさん甘え、一緒に対策してくださった受験生のみなさんのおかげだと、自分の周りの環境に感謝するばかりです。

●一次試験に関して

 塾で受講した古文・漢文・現代文以外は特に個人で問題集などを取り組むことはできませんでしたが、むしろ下手にいろいろな問題を解く必要はないと思います。上高先生はとにかく復習をしっかりと行うようにいつも助言をくださります。その通りに、問題を解きっぱなしにしても何も頭に残らないので、上高先生が作成した解説をしっかり読んで、わからないところをノートにまとめました。
 特に私が心掛けたのは、気持ちが重くならないように、ということで、いつでも見返せるまとめノートを作ることでした。塾に通って1年目は「全然勉強時間がとれていない」と落ち込むばかりでしたが、2年目は開き直って、まとまった勉強時間を取らずとも、せめてまとめノートを見返せばいいや、という気持ちで取り組んでいました。古文漢文でよく間違える単語や文法であったり、覚えなければならない学習指導要領や沖縄関連の事柄であったりをノートに書いてまとめたり、書いてまとめる時間がない場合には、失礼ながら上高先生からいただいたまとめプリント等を切り貼りするなどして、いつでも見て確かめられるノートを作りました。それを見れば、勉強時間をとることができなくても覚えなきゃいけないことに取り組むことができ、気持ちが少し楽になりました。
 あとは、きちんと塾に通うことが大事だと思いました。2年目は子どもを預けられないことがたびたびあり、何度か休んでしまったのですが、できる限り休まずに通うだけでも自分にとっては勉強時間の確保につながったと思います。

●二次試験について

 二次試験対策にきちんと取り組んだのは、一次試験合格発表後でした。

〈論文〉

 一次試験合格発表までの間に論文課題ひとつ、やっとB評価をもらえた程度で、ほとんど書き上げることができませんでした。発表後は、とりあえず二次試験までの間は県教委関係の文章に目を通す、くらいしか対策できていません。ラッキーです。

〈面接〉

 上高先生からいただいた二次対策の冊子にある質問事項に対する答えを書いて、口頭で答えられるように練習していました。とにかく自分の志望動機をはっきりさせておくべきだと思います。また、小学校ではありますが、勤務先の教頭先生に面接の練習をしてもらってアドバイスをたくさんもらうことで、自信を持つことができました。

〈模擬授業〉

 なるべく多く練習をして、時間感覚をつかめるといいかと思います。めあてまで立てる、といった目標を立ててやるとやりやすいと思いました。あとは、同じ校種の受験者と共に練習したり、模擬試験をしたりしてもらう中で、たくさん助言をいただけるので、助言を意識しながら模擬授業ができるように練習すれば大丈夫だと思います。

●最後に

 私は今回、本当に運がよかったなと思っています。塾での成績も全然よくなくて、勉強時間もとれずにいる私に、上高先生はいつもアドバイスをくださり、やるべきことを示してくださりました。上高先生は、やる気のある塾生にはとことん寄り添ってくれます。そして、講義のたびにしてくださる教育の話は、「教師になってやる」という自分の気持ちをメラメラと燃え上がらせてくれます。
 このように勉強した方がいい、と、私が胸を張って言えるものは何一つないのですが、今自分にできることを、ひとつずつでもいいからやれることが大切だと感じています。そして、自分がこうやって塾に通うことができたのは、自分の家族の支えがあるからこそ、だったと思っています。また、教師として学校現場に身を置いていない、というくやしさも、教師になりたいという気持ちを強くすることにつながっていたと思います。そしてなによりも、沖縄教員塾に入塾したことが、合格を決める第一歩だったと思っています。ここには本気で合格を目指す人しか通っていません。みんなが本気で勉強し、二次試験対策でも親身になってアドバイスをくれ協力し合えるのは、この塾だからこそだと思います。
 もちろん、合格がゴールではありません。子どもたちに真摯に向き合い、寄り添うことのできる教師となれるよう、日々努力を怠らず、勉学に励んでいきたいと思います。