2021年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語
・はじめに
私は、8度目の採用試験で合格しました。大学卒業後は、「いつか受かるだろう」と軽い気持ちで過ごしていました。しかし現実は甘くなく、日ごろの業務に追われ、採用試験に向けての勉強時間を確保することは、かなり難しいものでした。臨任6年目まで採用試験前にほんの少し勉強時間をつくり、付け焼刃の知識で受験に臨んでいました。7年目にして、これまでよりは勉強時間を確保するよう努めましたが、良い結果には結び付きませんでした。「このままでは変わらない、どうにかしたい」と思っていた時、友人から沖縄教員塾を教えてもらいました。この出会いがなければ、私はこのまま受からなかっただろう、と思います。勧めてくれた友人、入塾させてくださった上髙先生に感謝です。
8年間の臨任経験があり、一次試験は一部免除(教養)がありました。
・一次試験・専門教科
〇専門教科(国語)
恥ずかしながら、これまで採用試験に向けて古文・漢文をしっかり勉強しないまま、苦手意識だけが強くなっている状況でした。このまま塾に入っていいのか、と迷っていましたが、古典の基礎から講義が始まることを知り、是非入塾して勉強したいと思いました。
私の専門教科の勉強は基本、
1 講義を受け、問題を解く
2 上高先生の解説用紙で復習する
3 わからない語句(古語など)は辞書で調べる
4 テキストの解説を読む
5 返却された解答の誤答と模範解答を確認する
の流れで取り組んでいました。講義の中で「複数のテキストを使うのではなく、一冊のテキストを潰していくことが大切」という上高先生のアドバイスを活かし、講義で使用されたテキストと上高先生がまとめた解説用紙をできる限り、復習する回数を増やしていました。
はじめ、講義内でのテストも悪く、授業内での指名でも間違いだらけで焦り、様々なテキストに手を出してしまいそうになりましたが、上高先生のアドバイスを思い出し、「無知なのは仕方ない。これから知識を増やしていこう。」と自分に言い聞かせ、上記の流れを続けていました。
学習時間としては、平日、火曜日は塾の講義のみ。土曜日は、講義時間と約2時間程度(できない時もありました)の自習。日曜日はできる限り、塾で自習に取り組みました。
働きながらの取り組みで、講義に参加することができない日もありましたが、別日に自習時間を確保するようにしていました。(合格前の2年間は学級で家庭学習1日1ページを取り組んでいたので、子どもたちへ「私も目標がある」と伝え、一緒に取り組んでいました。)
〈学習指導要領〉
上高先生が冊子にして配布した『学習指導要領』を読んだり、ノートに重要語句を書き込んだりしていました。また、毎時間テストがあるので、誤答部分を復習していました。前年度出題された範囲以外はすべて覚えるために、日曜日の自習時間「最低〇時間(分)は指導要領」と決め、満点目指して取り組みました。
〈評論〉
評論文は問題を解く際に、重要なセンテンスだと思う部分に必ず線を引いていました。そして、解説時に上高先生が板書している内容と自分の引いた部分に相違がないか、確認していました。解答返却後は、誤答とテキストの解説を比較し、どのような読み違いか、何を理解していないのか、確認していました。わからない語句の意味は随時辞書で調べていました。また、語彙を増やすためにも新聞を読むことを欠かしませんでした。
〈古文〉
授業内での上高先生の「覚えていないのに苦手意識があると言ってはいけない。しっかり勉強していないだけ。」(このような意味だったと思います。一言一句あっているわけではありません。)という言葉に心を打たれ、授業内で配られたテキスト、プリントを繰り返し、繰り返し、学習しました。「問題を解く→上高先生の解説を読む→わからない古語・助詞、助動詞を調べる・覚えたいことをノートに書き込む」
そして、毎週火曜日の講義で行われるテストで満点をとることを目指し、学習していました。
その他には、「マドンナ古文単語」の単語帳を隙間時間にみていました。それだけでは古語の意味理解は厳しいですが、手軽に持ち歩けるので活用していました。
〈漢文〉
古文と同じ流れです。異なる点は、漢和辞典で漢字の意味を確認していたことと、漢文の句法を覚えるためにノートに書き込んでいたことです。
〈漢字〉
毎時間の講義内で行う漢字テスト、模擬テストやテキストの問題を解き、誤答を辞書で確認することを繰り返していました。間違えた漢字を何度も書いて覚えました。
〈国語・沖縄に関する問題〉
講義の中で行うテストの解答を確認し、隙間時間に国語便覧や沖縄の文学を読むようにしていました。
〈受験調書〉
私は、受験調書よりもなかなか伸びない点数(模擬テスト)に焦り、塾への提出期日ギリギリまで調書に時間をかけていませんでした。今思えば、早めに取り組んで終わらせるべきでした。漠然と志望動機や沖縄の教員として取り組みたいことは、イメージしていましたが、短い文章で思いを伝えることはやはり難しかったです。清書の時間も考えると、ゆとりをもって取り組むべきでした。
〈当日の試験〉試験時間:60分
試験の時間配分は、学習指導要領を5分、沖縄に関する問題10分、評論文25分、古文20分、と設定して進めました。古文の問題に関しては、塾で学習した内容と重なる部分があったので、驚きました。そのおかげで、古文の読解の点数が取れました。
・二次試験
〈模擬授業〉
一次試験終了、2日後に塾にて二次対策のオリエンテーションがありました。「今年の二次試験は、『読むこと』の「故郷」か「少年の日の思い出」だろう」ということでした。私が今、1学年に所属していたので「少年の日の思い出」を教材研究することになりました。
一次試験合格発表後、試験内容が「1学年読むこと「少年の日の思い出」」でした。(予想が当たっていました。)それから本格的に授業を練っていきました。
私はとても環境に恵まれ、勤務校の国語科の先生方に何度も授業をみていただきました。アイディアの段階で模擬授業の練習をすることもでき、様々な授業計画案を練ることができました。模擬授業の練習をしながら、「問いサポ」「指導と評価の一体化のための学習評価に関する資料」を見直し、何度も何度も授業案を練り直しました。緊急事態宣言により、二次試験が延期になったことで授業案をじっくり考えることができました。そして、前任校の国語科の先生方、大学時代の恩師など、Zoomなどを活用し多くの人に模擬授業をみてもらい助言をいただきました。
今振り返ると、模擬授業の準備はどれだけ時間があっても足りないと感じます。上高先生が一次試験後、オリエンテーションを持つことの意味を肌で感じることができました。
自己採点後、二次の課題がわかっていないのであれば「問いサポ」「指導と評価の一体化のための学習評価に関する資料」など様々な資料に目を通しておいた方がいいと思います。
〈面接〉
面接練習は、勤務校管理職の方々と1回、前任校の管理職の方と1回、勤務校の教務の方と3回、上高先生と2回、計7回行いました。コロナ禍で対応が難しい中、感染対策を徹底し、面接練習をしてくださいました。
当日、二次試験での面接内容が上高先生との模擬面接の内容とほぼ同じでした。また、上高先生から「面接は対話である」と助言を受けていたので、落ち着いて話すことができました。
意識したのは、自分の経験したことを相手にわかりやすく話すことです。そして、「自分の話を聞いてもらえる」という思いで、面接を受けさせていただきました。
反省点としては、自身が書いた受験調書の内容を今一度確認することです。
・生活
臨任として働きながら、採用試験の勉強をすることはとても苦しかったです。学級、教科、部活。どれも欠かすことができませんでした。このままでは現状は変わらない、と思い、入塾を考えるようになりました。「塾に行く=勉強時間の確保」と考えたからです。
入塾に至り、働きながら勉強時間を確保するため様々な人に支えてもらいました。その人たちのためにも良い報告を届けたい、と思えたことは原動力の一つになりました。
忙しい中でも、睡眠時間は確保し健康管理に努めました。しかし、ときおり体調不良で休むこともありました。その時はしっかり休み、元気な時に勉強に励みました。
・おわりに
一次試験に向けて取り組む日々は、はじめ不安で苦しいものでした。講義内容の復習を終えることができず、次の週のテストの結果に落ち込んでいました。講義を受けている中で、現場で子供たちへ掛けた言葉が、自分の心に刺さる日もありました。ですが、自習時間を確保したり、勉強方法を知ったりすることで、入塾前に比べると知識が確実につき、解ける問題も少しずつ増えていきました。
一次試験当日、これまで苦手だった古文の問題が解けた時は、やはり日々の積み重ねは大切なのだと、再認識することができました。
講義だけでなく、個別の面談や自習時の声掛けなど、上高先生ありがとうございます。
今回の採用試験を通して、私自身がどれだけの方々に支えられているか再認識することもできました。二次試験への準備期間は正直、ものすごく辛く苦しかったです。それを乗り越えることができたのも、上高先生を始め、支えてくださった先生方、友人のサポートがあったからです。本当にありがとうございます。
この気持ちを忘れず、これからも日々学び続け、理想の教師像を目指していきます。
最後になりますが、本当に入塾してよかったと思っています。勉強を続けられる環境がありました。仕事との両立は大変でしたが、得られることも多かったです。
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