平成27年度 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語

(1)一次試験について(対策)

①一般教養・教職教養

 メセナの教材(月例テスト)だけで勉強していました。同じ教材を何度も何度も繰り返し学習し問題を解き、分からない問題や間違えた問題は、その都度学習ノート(私は、知識を体系的に理解しないと前に進めないタイプなので、自分なりのノートを作ってまとめていました。)に書き込み(必要であれば付箋紙にも書き込みノートに貼り付けていく)理解するよう努めていました。毎朝1時間ほどかけて問題を解き、解答し間違えたところを振り返り、理解するという作業を続けていくと出題の仕方が少々違っている問題でも解けるようになり、次第に月例テストの得点も伸びていったように感じます。

②専門教科

 専門もメセナの教材を使って勉強しました。特に今年度は基礎から再確認しようと思い、夏の基礎講座(H26.8実施)から始めました。毎週毎週、古典文法を学習するのですが上高先生の説明が分かりやすく、講義の時間はあっという間だったように感じます。また、毎週テストがあり緊張感をもって取り組むことができました。毎週土曜は、自分の時間と決め講義の後は復習を繰り返しました。そして、本講座に入りましたが、基礎講座のお陰で自信をもって授業を受けることができました。さらに、古文・漢文の講座の後は復習を必ず行いました。そして、最後に次回の予習を行いました。最初の頃は、本文をノートに書き写し、横に現代語訳や文法事項を記入する方法で進めていましたが、臨任をしながらでしたので効率の良い方法は何かと考えている時、この合格体験記を読み参考にして勉強するようにしました。部活動の大会引率などで欠席することが多かったのですが、休んだ回の資料を必ず頂き、その都度勉強しました。得点は思いの外伸びませんでしたが、合格するためには勉強の質を高めることが必要なのだと実感しました。また、今回は一次試験一部免除を受けることができたので、今まで一般教養や教職教養に充てていた時間を専門のみに充てることが出来たことも私にとっては幸いでいた。

(2)二次試験について

一日目(適性検査・論文)

 出席点検後に、諸注意と提出物の回収がありました。

①適性検査(YG検査)

 テープを聞き質問に答えました。

②論文

 例年通り(多分)論文の用紙が配布されました。その時点で、「よし、落ち着いて書こう」と気合いを入れたのですが、試験監督の先生から二枚目別紙資料(A4用紙)が配られたので、傾向が変わったのだと焦りました。別紙の大まかな内容は「本県の教師目標の一つである『自ら学ぶ意欲を育て、学力の向上を目指すとともに、豊かな表現力と粘り強さをもつ幼児児童生徒を育成する。』の具現化し全国水準に近づける為に、教員一人一人が教師としての使命感を礎に、県民の期待に応えるという強い意志を持ち、常に授業や言動を見つめ自らを改善する力や、組織の一員として全校体制による取組の動力となる力を身につけ、職責を全うすることが今強く求められているのである。」というものでした。その別紙の内容を元に、必要であれば引用し論文をまとめるというような課題でした。大分焦っていることが自分でも分かりましたが、「もたもたしている時間はない」と、すぐに構想メモを書き出しました。直前まで、何度も何度も読み返していた「わかる授業サポートガイド」や、対策期間中一日一本の論文を書くことで、少しずつ自分の思考をまとめ自分なりの書き方が出来ていたので、どんどん書き出していきました。
 恥ずかしながら私は論文の授業を受けておらず、二次試験までの10日間は苦しかったです。最初の頃は、何をどのように書いていけばいいのか全く分からず、論文一本を仕上げるのに5、6時間を費やしていました。私がラッキーだったことは、普段から「わかる授業サポートガイド」や「夢・にぬふぁ星プラン」特別支援教育やキャリア教育、その他県の施策に関する資料を読んでいた事にあると思います。

二日目(個人面接)

 試験会場には30分くらい前に到着し、正門前で待機していました。時間になり、教室に入室しまた。出席確認後に諸注意(荷物の置き場所や、面接後は控室に戻れない)がありましたが、全てメセナで聞いていた内容でしたのでリラックスして話を聞くことができたと思います。控室には中学国語と高校国語の受験生がいました。一人ずつ受験番号が呼ばれ面接会場に向かいます。私は受験番号が最後だったのですが、待っている間にメセナから頂いた予想問題集を見返して確認することが出来たので幸いでした。予想問題に対して、事前に自分の考えを書き込んでいたのですが、一語一句間違えずに言おうとせず、項目に対する自分の思いを反芻しながら確認していました。
 面接室には三名の試験官がいらっしゃいました。左から50代後半位の男性、真ん中に50代半ばの男性、右に30代半ばの女性です。最初に真ん中の男性が質問し、その後に左の男性、最後に右の女性が質問なさいました。質問に対して答えている際、真ん中の男性は厳しい表情で座っておられたのですが、左の男性は頷きながら話を聞いて下さいました。右の女性はメモをとっていたように感じます。どのような場合でも、私の言葉で私らしく答えるという気持ちでいたので、良い緊張感で挑めました。メセナで面接練習は2回行いました。メセナの先生方には、現場での実戦経験を生かして頑張るようにと励ましの言葉を頂いていました。また、勤務校の校長先生や教頭先生、生徒指導の先生方にも面接練習をして頂き、心構えを教えて頂いていたこともあり、本番もリラックスして頑張れたのだと思います。

三日目(模擬授業)

 模擬授業も面接同様30分前に会場に到着し、会場に入室しました。出席確認後に、諸注意がありました。模擬授業の課題は、一次試験合格通知時に知らされます。
1.出題範囲、領域等は「中学校『国語』第1学年の教科書にある古典教材を用いて模擬授業を行う。教材は当日提示し、その教材を使用して授業を行うので教材を準備する必要はない。中学校学習指導要領『国語』『第1学年』〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕の指導事項を踏まえた授業を行うこと。」

2.当日持参するもの 特になし
 地区により教科書が違うので、最初に地区ごとの教科書で扱われている古典教材の確認から行いました。メセナには私を含めて中学3人、高校1人の合格者がいたので、お互いで協力して教科書を持ち寄りました。更に分担して、それぞれの教材(重複している「いろは歌」「竹取物語」「矛盾」)の指導案を作り、それを元に模擬授業の構想を練っていきました。4人とも臨任をしていたので、それぞれの経験を生かしながら授業作りをしていました。時間を合わせて模擬授業の練習を行い、メセナの先生方にも2回ほど模擬授業を見て頂き、ご指摘や励ましを頂きながら自信を持って本番を迎えられました。知らされていた範囲には、具体的な展開時間と場面が知らされていなかったので、念のため全て(時間と導入・展開・結論)の指導案を作成し準備しました。
 当日は、受験番号順に呼ばれ荷物を持って会場に移動します。面接同様、私は最後でしたので待ち時間の間、何度も何度も指導案を読み返し頭にたたき込む事が出来ました。教室に入り、教壇の前に行くとA4用紙に「竹取物語」の冒頭部分の原文(上段)と口語訳(下段)が書かれた紙が一枚と、チョークが準備されていました。「『竹取物語』の冒頭部分を用いて、第1時間目の導入部分を行いなさい。その際、机間指導は行わず、机間指導をする場面では「机間指導」と合図をして下さい。構想時間5分、授業時間8分です。」と言われました。前もって準備していたので、落ち着いて構想を立て授業をすることが出来たと思います。また、授業終了後に何点か質問もされました。待ち時間の間、次の受験生が呼ばれるまで大分時間がかかっていたので、もしかすると例年と違って質問があるかもしれないと思っていたので、少々慌てましたが答えることが出来ました。

(3)おわりに

 中学生の頃から学校の先生になりたいという夢を抱き続け、今年度やっと合格を頂く事が出来ました。メセナには6年間お世話になりましたが、その間、現場を離れ一般企業で働くこともありました。私に教師は無理かもしれないと自ら離れた現場でしたが、離れたことで「やっぱり私は教師になりたい!子どもと一緒に楽しく過ごしたい!」と強く感じることができました。もし今年駄目なら別の道を考えようと、腹をくくって4月から臨任として現場に戻りました。現場は予想通り(それ以上に)忙しく、息つく暇もありませんが、周りの先生方の励ましや先に合格していった仲間達に支えられ、毎週土曜は自分の時間を作り勉強することが出来ました。メセナの授業は毎回濃厚かつ刺激的でした。授業は、知識が増えていくことを楽しみながら受けることが出来ましたし、意識の高い受講生と共に授業を受けるので、自分のモチベーションも刺激され頑張る事ができました。そして何より、講師の皆さまの「教えることへの姿勢」に、いつも学ばされていました。
 今回、合格を頂く事が出来ましたがこれからが本当のスタートだと感じています。喜びと同時に、責任の重さをひしひし感じ身の引き締まる思いもあります。今まで支えてくれた家族や友人、先輩や教え子たちへの感謝の気持ちを忘れず、私がこれから出会う未来の子ども達の成長のためにも日々精進していきたいと思います。本当にありがとうございました。