平成30年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 小学校

●はじめに

 大学卒業後から私は、公務員試験や教員採用試験を受けてきました。しかし、なんとなくで受け続けていたため、一次試験さえ合格できない年が続きました。3年前に小学校で学習支援員の仕事をしたことをきっかけに、小学校の先生になりたいという気持ちが芽生えてきました。2年前初めて小学校の採用試験を受けました。結果は一次不合格でした。この時、自分ではどのように勉強して良いか分からず、効率の良い勉強法ができていなかったと感じました。そこで、今年は塾に入ることを決めました。職場の先輩に相談したところ、沖縄教員塾(というより上高先生の授業)を薦められ、入塾しました。塾で勉強法や勉強すべき範囲を学べたため、今年は実のある試験対策ができたと思います。私の勉強法が合う方も合わない方もいると思いますが、少しでもヒントになれば幸いです。

●一次試験対策

 私は、小学校全科の対策を中心にしていました。小学校全科と教職教養の対策にかけた時間を比で表すと、7:3という感じでした。平日はカフェで、休日は必ず塾で勉強するようにしていました。仕事もあるので、平日の勉強時間が短くなってしまう分、休日で取り返そうと朝から、塾が閉まるまでいるようにしていました。主に、塾で配られる問題集を中心に対策しました。小学校全科は、間違えた問題は付箋紙でノートにまとめ、寝る前や隙間時間に復習できるようにしていました。以下教科ごとに対策を書いていきます。

「国語」・・模擬や過去問を解いた後に、復習をしました。配られる解答解説や国語便覧を活用し、間違えた問題を確認するだけでなく、選択肢に出てきた作者の作品等、新たな知識もいれることを意識しました。

「算数」・・一番多く時間をかけていました。東京アカデミーの『教員採用試験対策』の問題を何度も解きました。解いた問題の上に日付と○×をつけ、2周繰り返し、3周目以降には×のついた問題を中心に解いていました。また、塾で過去問や模擬試験を解いた後にしっかり復習をしました。算数で心がけたことは、解き方を学ぶことです。復習でも、解き方が分かったら、類似問題を解いてみる等していました。

「理科」・・私の苦手科目でした。『トライ式逆転合格! 理科』という高校入試向けの問題集を使って勉強しました。塾にある様々な問題集を見てみましたが、私にはこれが一番分かりやすかったので、自分で購入して全て解くようにしました。また、塾で解く過去問、模擬試験を復習しました。

「社会」・・自分の中で得意科目だったので、模擬や過去問の復習が中心でした。間違えた問題を確認するという感じでした。私は大学受験の際に、『金谷の日本史「なぜ」と「流れ」がわかる本』をよく読んでいました。これで日本史の流れが分かったので、日本史が苦手だと思っている方は読んでみても良いかもしれません。

「音楽」・・一番苦手でした。過去問の解説を読んでも理解できないことを上高先生に相談すると、『中学音楽をひとつひとつわかりやすく』という問題集を薦められました。塾にあるやつを見ると本当に分かりやすかったので、まずこの問題集で音楽の基礎知識を付けるようにしました。後半に、塾の音楽の問題集が配られてからは、それを何度も解きました。模擬試験や過去問の復習もしました。

「図工」「家庭科」・・模擬試験や過去問の復習をしました。塾で問題集が配られてからは、それを何度も解きました。塾でいただいた問題集を全て解くと、模擬試験でも点数がとれるようになりました。

「体育」・・学習指導要領とまるわかりハンドブックの学習のみです。塾で配られた問題集を何度も繰り返しました。

「学習指導要領」・・塾で各教科の問題集が配られるので、それを何度も解きました。穴埋め問題を何度も繰り返し、選択肢がなくても答えられるように心がけました。また、塾でいただいた各学年の目標及び内容の系統表で学年ごとの違いを意識しながら、声に出して読んで覚えるようにしました。

「一般教養」・・教養模擬試験の復習のみでした。解説をしっかりと読むようにしました。

「教職教養」・・授業で毎回確認テストがあったので、これに向けての勉強が中心でした。授業が演習に入ってからは、実力テストを行った後に必ず解説すべてに目を通し、復習を終えてからその他の学習にうつるようにしました。よく分からないところは必ず『教育用語集』で調べるようにしていました。特に教育史の分野は、選択肢の言葉・人物を全て調べることで、関連する人物・言葉を覚えるようにしていました(コメニウス=直観教授,『世界図絵』等)。採用試験本番の1か月前には、教養模擬試験の解説を読み返す、実力テストの問題をもう一度解くなどして、新しい知識をいれるというより、今までやったことを復習していました。

●二次試験対策

 一次試験後から発表までは、面接調書と論文対策に取り組みました。発表後にその他の対策にも取り組みました。発表後は面接、模擬授業の対策が主でした。

「面接調書・英文スピーチ」・・面接調書は、何度も何度も書き直しました。一次試験後すぐに取り組むべきだと思います。
英文スピーチは、二次の課題が出てからすぐに取り組みました。小学生に分かる簡単な単語で書くことを意識しました。

「論文」・・一次試験後から二次対策が始まるまで、毎日のように塾に通い、論文を書くようにしていました。私は、論文が苦手だったのでたくさん書くようにしまた。書けないと悩むより、とにかく書いてしまって上高先生の指導をうけることが大事だと思います。一人で悩んでいては、いつまでたっても上達しなかったと思います。二次対策が始まってからは、論文対策をする余裕がなかったので、この時期にしっかり取り組んだ方が良いと思います。

「面接」・・塾でいただく過去問を見ながら面接ノートを作りました。自分ならどう答えるか何度も考えました。塾だけでなく、勤める学校の教頭先生にも面接をみていただきました。場数を踏むことは大事だと思います。塾での模擬面接後は、職場の仲の良い先輩方に私の答えを聞いてもらい、どう感じるか意見をもらうようにしました。その時に、自分ならこのように答えるといった様々な考えが聞けたので本当に良かったです。塾の小学校受験仲間とも模擬面接後、意見交換を行うようにしました。塾での模擬面接はとても緊張して変な汗をかきましたが、本番は楽しかったなと思いました。男性一人、女性一人でしたが、私には皆優しく感じました。塾での面接に慣れていたからかもしれません。

「模擬授業」・・試験範囲は「5年 理科」でした。それが分かってからすぐに教科書を購入し、最初から最後まで何度も読み込みました。教科書持ち込み可だったので、導入(めあて)とまとめを考えて、付箋紙にメモし、各ページに貼るようにしました。教科書を読んでいて分からないことや、疑問に思ったこと、導入に悩んだところは勤務先の理科専科の先生に質問しました。ありがたいことに、丁寧に答えていただいたうえに、模擬授業を何度もみていただきました。また、練習中に職場の先輩が何人か見に来てくれて、アドバイスをいただくことができました。塾の受験仲間に誘われて、別の学校の先生にも模擬授業をみていただきました。さらに、塾でも練習をし、他の校種の方からも意見をもらいました。逆に私も、授業を見ることで、表情や指示、声かけ等、自分の授業のヒントにしました。模擬授業は面接同様、何度も場数を踏むことが大事だと思います。恥ずかしがらず、人にどんどんみてもらうことが大切です。
 当日は、受験番号にもよりますが、私は待ち時間が長かったので、その間に教科書を見返しました。その時、私の中で出ないと思っていた単元の導入からまとめをもう一度良く考えることにしました。本番、出ないだろうと思っていたところから課題が出されました。正直待ち時間の間に導入を考えていなかったら、焦ってすぐには始められなかったと思います。模擬授業は、とにかく全て準備していくことが大事だと思いました。

「オルガン・リコーダー」・・私は、ピアノがまったく弾けませんでした。しかし、私もいつか弾けるようになりたいという憧れがあったので、4月から趣味と受験対策を兼ねてピアノ教室に通うことにしました。課題曲が分かってからは、教室で週1回、ピアノとリコーダーを練習していました。音楽の質問にも答えていただき、一次対策にも結果役立ちました。ピアノの時間は、良い息抜きにもなりました。私は、試験が終わってからも通い続けようと思っていたので、教室に通いましたが、試験対策のためだけなら、あえて通わなくても大丈夫だと思います。簡単な楽譜で演奏している受験生も当日たくさんいました。職場の音楽の先生(過去に試験監督をした経験あり)にも一度、みていただきましたが、伴奏よりも元気に唄うことが大事だとおっしゃっていました。

「水泳・マット」・・私は、昔から泳げす、小・中・高の体育の時間、25m泳げたことは一度もありませんでした。ピアノ同様いつかは泳げるようになりたいと思っていたので、入塾する前の年から、嘉手納町の健康増進センターのプールで開かれている大人スイミングスクールに通い始めました。そこで、クロールと平泳ぎを学び、なんとか25m泳げるようになりました。前の年に泳げるようになっていたので、入塾後は行く回数が減り、水泳の対策自体はあまりしていません。
 マットは、職場の方々と模擬授業対策の息抜きに数回練習しました。この時に、できなかった側転を教えてもらい、できるようになりました。ロンダードは最後までできませんでした。本番では結果、なんちゃってロンダードになりました。しかし、周りの人たちの中にも完璧にできている人は少なかったです。あまり神経質にならず、息抜き程度に楽しみながら、対策できると良いと思います。

●最後に

 合格体験記を書きながら、この塾で学んできた日々を振り返ってみました。私は、はじめに述べたとおりこれまで、公務員試験、教員採用試験を受験しては不合格を繰り返してきました。今までと今年の私の取り組みを比べると、明らかに勉強量が違ったと思います。しかし、最も違ったことは、試験に挑む際の気持ちだったと思います。今年は、「先生になりたい」「絶対に先生になるんだ」という強い気持ちで採用試験に挑みました。もしも、今までのようになんとなく試験を受けてきた時の気持ちで、この塾で学んでも合格しなかったと思います。受かるという気持ちで挑んだからこそ、怠けたい気持ちをおさえて机に向かうことができました。正直、辛い二次対策でしたが、先生として働く自分を想像して乗り切ることができました。周りの環境を最大限に活かして、合格をつかめるかは自分次第だと思います。沖縄教員塾は本当に良い塾です。先生になるという強い意志を持つ限り、絶対にこの塾で合格できると思います。