平成30年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中高共通音楽

はじめに

 今回、三次試験3回目で合格しました。受験回数は12回目です。私は、三次試験の2回とも論文の点数が低く、2回目の三次試験の結果を見て塾に通おうと決め、発表の翌週に面談してもらい入塾しました。上高先生には、以前メセナに通っていたときにお世話になっていて、授業の進め方がとても分かりやすかったので、「塾に行くなら絶対にここだ!」と決めていました。試験に向けて一番大切にしたことは、勉強時間を確保することです。私は時間を確保するために、勤務校の近くに住み通勤時間を短くしました。
 試験対策としてそれぞれのやり方があると思いますが、少しでも参考になれば幸いです。

一次試験

(教職教養・一般教養)

 前回までは一部免除での受験でしたが、今年は年数が足りず免除は受けられませんでした。教職教養、一般教養を4年ぶりに勉強することになり、間に合うか不安はありましたが、「上高先生の教材を勉強すれば絶対に大丈夫!」と自分に言い聞かせて勉強しました。使用した教材は塾の教材、「教育用語集」(東京アカデミー)、「沖縄県の過去問集」です。塾の教材は出題分析をしっかりと読み、最優先の問題から解きました。上高先生の教材は出題分析をしっかり読むと効率の良い勉強ができます。塾には木曜日に通い授業を受けました。私は北部から通っていたので、仕事後に通うのは大変でしたが、土日はまとめて勉強時間を確保したかったため木曜日に通いました。平日は、毎朝出勤前にチェックテストや実力テスト、模擬テストを解き、夜は専門教科の勉強、土日は午前中に塾の教材を解き、午後は専門教科、夜は教職教養と専門教科の過去問を解く、この生活を7月の一次試験まで続けました。一般教養は模擬試験の見直しのみです。正直なところ、一部免除で受験したいと思っていましたが、一次試験の勉強が最終試験の論文や面接にとても役立ちました。

(専門教科 音楽)

 専門教科は過去問を解き、自分の苦手な分野の分析をしました。私が使用した教材は、「沖縄県の問題集 音楽」「沖縄県の過去問 音楽」「東京アカデミーステップアップ問題集 音楽」「中高の音楽の教科書」「教科書ワーク」「音大生のためのパーフェクト問題集」「明解 新楽典」です。
 問題集は苦手な分野を中心に解き、私は移調問題や調判定が苦手だったため確実に分かるまで解きました。聴き取り問題は、中高の教科書に載っている全ての曲を聴きました。日頃からクラシック音楽は聴いていましたが、自分のあまり聴かない時代や作曲者があったため、広く聴くようにしました。たくさんの曲を聴くことで、試験で分からない曲が出題されても、曲風やオーケストラの楽器の音の数などで、正解することができました。私は気分転換でNHKの「クラシック音楽館」や「らららクラシック」を見ていました。気分転換しながら曲も勉強できるのでおすすめです。沖縄の音楽は、問題集や教科書を中心に勉強しました。「組踊がわかる本」(沖縄文化社)(まんが)もわかりやすいのでおすすめです。私は図書館で借りました。
 専門は幅広く出題されますが、点数を1点でも多く取るため全ての分野をまんべんなく勉強しました。特に学習指導要領は時間をかけて覚えました。昨年の合格体験記を読み、試験の日に持っていく用のノートを作り、音楽理論、西洋音楽史、日本音楽史、器楽、鑑賞等の項目を作ってまとめたことで、落ち着いて試験に臨むことができました。

二次試験

(実技 ピアノ・歌唱・三線)

 実技は課題曲がわかってからすぐに練習を始めました。一次試験の勉強と並行して練習しました。二次試験前は、緊張感のなかで演奏する練習をするため、勤務校の音楽の先生に聴いてもらいアドバイスをもらいました。実技はすぐに上達しないので、課題がわかり次第取り組む方がよいです。

三次試験

(自己アピール文)

 入塾と同時に指導していただきました。勤務校の校長先生からのアドバイスをもとに、書いたものを何度も指導していただきました。一次試験前までにはほぼできていたので、余裕をもって準備することができました。

(論文)

 過去2回の三次試験では、論文の点数が取れませんでした。入塾と共に論文に取り組みましたが、一次試験の勉強を優先し、本格的に始めたのは一次試験終了後です。初めは時間をかけて書きました。1つの論文を書くのに6時間ほどかかっていましたが、上高先生にわかりやすくご指導いただいたので、題材をこなすごとに短い時間で書けるようになってきました。また、一次試験で沖縄の教育等をしっかり勉強したので、内容をしっかりと理解して書けたと思います。本番は予想問題から出題されていたので、落ち着いて書くことができました。

(面接)

 一番苦戦したのが面接です。面接ノートを作り、質問に対しての自分の考えをまとめました。練習は塾での対策で3回と、勤務校で管理者の先生方に見てもらいました。私の課題は大きな声で答えることでした。自分では大きな声を出しているつもりでしたが、全然出ていませんでした。厳しく何度も指導してもらえたおかげで、本番では緊張せずに答えることができました。

(模擬授業)

 塾の対策で3回、勤務校の音楽の先生や他教科の先生方にも指導していただきました。音楽は器楽(アルトリコーダーか三線)での課題だったので、どの楽器や学年で出題されても大丈夫なように準備しました。「授業における基本事項」や「振り返りシート」に沿った授業を考え、単元の計画授業時間や、「導入から展開」「展開から振り返り」といろいろなパターンを考えて準備しました。その準備のおかげで、模擬授業後の質問にも落ち着いて答えることができました。対策では、声の大きさや目線の配り方、表情などたくさん指導していただき、本番では落ち着いて臨むことができました。他教科の授業も見せていただきとても参考になりました。

さいごに

 私は試験に本気で取り組んでから5年後に合格することができました。本気で取り組む前は、仕事の忙しさを言い訳に、いつか合格できるだろうと思っていました。しかし、本気で取り組み勉強しなければ合格できません。三次試験まで行けるようになった頃は、仕事以外のほとんどの時間を勉強にあてました。いつも持っている手帳に学習指導要領を張り付けたり、自分で穴埋めプリントを作ったり、空いた時間に勉強できるような工夫をしました。また、上高先生の丁寧なご指導やこれまでにお世話になった臨任校の先生方、塾生の仲間、家族、友人等に支えがあったからこそ合格できました。本当にありがとうございました。これからも学び続け、生徒のために自己研鑚に努めます。私の合格体験記が少しでも参考になれば幸いです。