2019年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 小学校

1、はじめに

 教員採用試験は6回目のチャレンジ(校種変更)で小学校に合格しました。共通音楽2回(二次不合格)、特支共通音楽2回(三次不合格)、小学校2回です。
 私は30歳から地元に戻りそこから教員を目指しました。初めての勤務は中学音楽の非常勤講師で、すぐに自分には向いていないと挫折を味わいましたが、悔しさもあって全校種の臨任を経験してみようと考え直し、運良く高校、特別支援学校、小学校(当時免許なし)では支援員を2ヶ月経験することができました。その間は、出産や起業したばかりの夫の仕事のサポートで、学校現場から離れている時期も数年ありましたが、子育てに余裕が出てきたタイミングで、小学校の二種免許を約1年間かけて取得し、翌年の採用試験で合格することができました。
 私が教員を目指したのは遅いスタートでしたが、全校種を経験させてもらえたことで、自分が取り組んでみたい研究や、教育現場で活かせる自身の特性等を客観的に判断できたので、校種変更を決断した時は、新たな気持ちとやる気で試験勉強に前向きでした。年齢をコンプレックスにネガティブな感情が湧き出た時、常に頭に浮かんでいたのは学級担任をした時の生徒たちの顔でした。その時の充実した時間を、生涯の仕事にしたいという一心でした。
 沖縄教員塾では、離島でも模擬試験の結果や前年度のデータ等を上高先生からメールと紙面でお知らせが随時届き、塾に直接通っているような感覚で、なおかつ自宅での勉強でも隣に同じ試験を受ける戦友がいるような気持ちになっていました。また、上高先生から届く教材には毎回教育時事の資料もいくつか付いており、さらにはすべてが興味深く、紹介する記事元を詳しく調べたりしていたことは、自然と二次試験対策へ繋がりました。

2、一次試験

一般教養

 勉強の持ち時間数が少なかったので、全くやりませんでした。そのかわりに新聞を読む、トレンドニュースのチェックは毎日していました。

教職教養

 塾の教材のみでした。時間は1日1時間と決めて、必ず問題を声に出して読みながら解きました。また答えを問題用紙の隅に書き込んで、解いた問題も毎回一通り目を通すようにしました。

専門

 3月まで免許取得のためのレポートに追われていたので、本格的に専門の勉強に取り掛かったのは4月からでした。子供を預けられる環境ではなかったので、夜の22時から2時間と割り切って勉強しました。夜遅くの勉強サイクルなので、食事や体調管理には気を付けていて味噌汁には数種類の野菜をたっぷりと入れ、帰宅時の手洗いうがいは念入りにしていました。
 算数以外は東京アカデミーのオープンセサミシリーズと塾の教材のみ使用しました。オープンセサミは学習指導要領の学年の系統性を確認できる内容になっており、違いのポイントをしっかり押さえながら勉強できました。勉強時間が毎日3時間程度しか確保できなかったので、各教科の知識問題等は教材の余白部分に答えを直接書き、何度も目を通すようにしました。算数は6月から集中して勉強しました。間際になってしまった理由は、考え込む時間がもったいないと思い、解けなかった過去問や塾からの教材をまとめてノートにしてから後で解き方を聞こうと思っていました。そうしている間に試験も近くなり、算数は配点が高いので焦っていた時に塾経営者の友人に相談し、過去問や解らない問題の解説や特にどの問題を解くためにも必要な基礎基本の計算を1から習い直しました。1回3時間程度の週2回と、最低1日3問計算問題を解くようにし、まったく勉強できない日は解いた問題の数式を読みながら家事をしたりしました。問題一つ一つの作問者の意図を考えながら解くことや、問題の内容を図や表を書きながら整理して解いていくと、次第に図や表を書かなくても頭の中に浮かぶようになったり、見通しを立てて答えを導くことがスムーズになりました。

3、二次試験

 一次試験終了後、離島だったため、すぐに塾に行き二次対策の資料を受け取りました。帰宅後面接調書に取り掛かりました。4年前に1度書いていたのですが、面接調書を書く際、これまでの経験と今の自分と向き合ういい機会になったと思います。面接時に面接調書からの質問も幾つかあるので、二次試験の土台になるくらい大事だと思いました。
 論文は、上高先生が丁寧に書き方を指導してくださったので、ポイントを踏まえて書けるようになりました。
 英作文は、合格した英語の元塾生や英語専門の塾生にも協力をいただき心強かったです。
 面接は、大きな声で答えるように努力しました。模擬面接は、上高先生と元塾生の本務の先生方がいらっしゃる、本番さながらを経験できたことがよかったです。私は面接ノートを作りました。自分の考えを言葉にまとめることで、試験本番は、落ち着いて自分の考えを話すことができました。試験よりも模擬面接のほうが緊張しました。
 模擬授業は、塾の教室や同じ塾生の勤務校を使わせていただいて練習しました。塾生と夜中まで教材研究をしたことはとても勉強&励みになりました。この期間に、本務の友人や先輩先生方のアドバイスをもらえたことがとてもよかったです。普段から県教委の教育施策に沿った授業実践が大事だと深く感じました。
 体育実技は、マット運動は試験まで1回練習しただけでした。水泳は、海で2、3回練習し、プールでは実技試験前日に1回練習しました。オルガンとリコーダーの実技は、ピアノだけではなく試験で使用するオルガンでの練習が数回必要だと思いました。
 二次試験は、現場での対応や人間性をみられているように感じました。自分を子どもたちの立場に置き換えて、毎日過ごす学校がどんな場所だったら、伸び伸びと過ごすことができるだろうかと考えながら二次試験に向き合いました。
 最後に、上高先生をはじめ、これまでたくさんの方々からの協力や教えをいただけたことが今の合格に繋がったと実感しています。そして、そのおかげで本務として教壇に立てることに、感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございます。そして、今後も子どもたちに寄り添い励まし、学び続け、努力を続けていきたいと思います。