2019年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語

【はじめに】

 私は今回7度目の採用試験で合格しました。1回目は大学4年生で卒業研究に重きをおいており、採用試験はお試し感覚で受けました。卒業後は学習支援員として働き、時間があったのにも関わらず勉強をしていませんでした。その次の年は、臨時教諭として特別支援学級を受け持ち、仕事と部活で慌ただしいことを言い訳に勉強をせずに受験していました。4回目も5回目も同じ理由で勉強をしていませんでした。
 昨年度の4月から臨任が切れたことをきっかけに、採用試験までメセナで教職教養の勉強をし、専門は採用試験対策用の参考書をやりながら受けました。その結果、一次試験は23位でした。昨年度の一次試験合格者数は22人で、あと一歩で一次試験通過を逃しました。この苦い経験から、一人で学ぶことの限界を感じたとともに「次こそ合格したい!」という気持ちから入塾しました。
 また、昨年の9月からは臨時教諭としてではなく、県庁で働いていました。県庁で働いた理由は、教員だけではなく他の仕事にも就き視野を広げたかったからです。また、勉強時間を臨時教諭の頃よりも確保できると思い、決めました。しかし、土日はイベントがあったり、自分の体調管理ができなかったりと、入塾したにも関わらず、月に3、4回は休んでいました。
 今年の4月からは臨時教諭として中学校で初めて国語を教えることになりました。教材研究や部活動指導、日々の業務をこなすのに精一杯で月に2、3回しか行けていませんでした。仕事と採用試験の勉強を両立できていないことを感じていましたが、塾の教材はもらって解くようにしていました。また、毎日新聞を読むことと(できれば二社)、上高先生が配布する新聞の切り抜きは必ず読むようにしていました。新聞を読むことによって、社会を知り、社会が求める教育のあり方や子どもの姿や教育観も知ることができ、視野を広げることができました。こういった資料などを通して、人として、教師としてどうありたいか、考えることができました。

【一次試験対策】

〈教職教養〉

 塾で配布された問題集を中心に行っていました。間違った問題は、用語集や関連する文書で確認してマークしました。また、教育基本法に関しては、読み上げてボイスレコーダーに録音し、車内で聞きながら出勤しました。覚えてきたら、録音した声より先に答えていました。

〈専門〉

 前述したように、休みが多かったので、解くことで精一杯でした。しかし、古文・漢文は苦手だったので、復習はなるべくやるようにしました。最初は全文を写本して品詞分類するなどしていましたが、効率が悪いことに気付き、わからなかった部分だけ写本して品詞分類するなどして復習しました。また、授業中に自分以外の塾生が当てられている時は、口パクで答えて聞き流さないようにしていました。これは、入塾した頃からやっておけばよかったなと後悔しました。

【二次試験】

 二次試験対策は塾だけでなく、勤めている学校の校長先生、教頭先生や国語科の先生、前任校の校長先生にもお願いしました。

〈面接調書〉

 二次対策オリエンテーションが終わってから書きました。臨時教員の時に特別支援学級をもって感じたことや、今年度国語を教えていて感じたことをもとに、どういう教員になりたいか、どういう子どもを育てたいか書きました。面接調書は何度も書き直して苦しかったですが、自分と向き合うことができました。

〈論文〉

 論文は、一次試験が終わってから書き始めました。課題1の合格をもらえるまで4回ほど書き直して、「自分ってこんなに文章を書く力がないんだ……」と落ち込むこともありました。しかし、先生からの助言通りに何度も書き直していく中で、どのキーワードを入れて書いたらいいのか、どのような内容がよいのかなど、少しずつコツを掴むことができました。書き始めるのが遅かったことと、書けないことに悩むことも多かったため、課題4までしか書けませんでした。論文対策を終えて思ったことは、まずは書いて先生のアドバイスを受けた方がよいということです。

〈模擬授業〉

 今年の二次試験の模擬授業の課題は、学年指定がなく「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」についてだったので、一次試験合格発表終了後、3つのグループに分けて、担当をそのグループの中で割り振り、見せ合いました。未完成なままで模擬授業をすることが多くありましたが、見てもらうことによって授業のことだけでなく、私の癖や模擬授業している時の表情などについて、指摘やアドバイスを受け、本当に助かりました。一人ひとりが、これまでの経験を生かして、親身になって私の模擬授業について考えてくれる、こんなに良いライバルはいないと思います。
 また、現任校の先生や前任校の校長先生にアドバイスをいただいたことも大きかったです。「もっとこうした方がよいのではないか」、「自分はこういうことをしていたよ」など経験談を聞くことができ、参考にすることができました。

〈面接〉

 塾でいただいた過去問の中から答えられないものをピックアップして、ノートに書き、場数を踏みました。いろいろな先生に見てもらうことで、さまざまなアドバイスを受けることができました。アドバイスを受ける中で、自分の考えがまだ浅い部分や、自分の話す時の癖を知ることができ、改めて考え直すことができました。また、日々の授業で先生が推薦図書や新聞記事の紹介で話す内容も、面接の対策だと思います。ただ聞くのではなく、それぞれの問題に対して、「自分だったらどうするか」、「そのような子ども・保護者がいたら自分はどうするのか」、と考えることは面接対策に繋がります。

【おわりに】

 採用試験を通して、何度も「この塾に自分は向いていないのではないか」と思うことがありましたが、「今年こそ合格してやる!」という強い気持ちがあったからこそ、合格できたと思います。また、何度も心が折れそうになる中、上高先生の厳しくも優しいご指導や言葉に本当に支えられました。ありがとうございます。そして、私の弱点を教えてくれたメンバーに感謝します。採用試験を通して、「自分はどういう教師になりたいのか」、「どんな授業をして、どのような子どもを育てたいのか」など、改めて教育、教師について考えることができました。
 今後も自分と向き合い、子どもの心に寄り添える教師になれるよう、労を厭わず頑張ります。