2022年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 高等学校国語
○はじめに
私は学校現場での勤務経験がなかったため、入塾面談の際に、合格するには一部免除の条件の5年+2年の7年が必要だと言われました。衝撃を受けたことを覚えています。ですが、入塾2年目で一次試験合格、入塾3年目で最終合格することができました。他校種、他教科には該当しないかもしれませんが、高校国語科は昨年や今年の倍率、試験形態ならチャンスがあると思います。諦めずに挑戦してください。
私の体験記がどこまで伝わるかわかりませんが、少しでも何かの役に立てたなら幸いです。
1. 順位・得点
大学4回生 | 90位前後 | 得点3~4割程度 |
自宅学習 | 59位 | 得点:専門102 教養:46 |
入塾・臨任1年目 | 27位 | 得点:専門126 教養:56 |
入塾・臨任2年目 | 16位 | 得点:専門128 教養:60 二次試験 13位 |
入塾・臨任3年目 | 9位 | 得点:専門120 教養:64 二次試験 6位 最終合格 |
受験者数も問題形式も得点ボーダーも毎年変わりますので、参考程度に見てください。ただ、上高先生からも言われていたことですが、本気で一次試験通過を狙っている受験生の数は、そんなにいないということでした。そして、それは結果からも実感しました。入塾1年目、恥ずかしながら塾内での模擬試験の順位は最下位を争っていました。それでも30位以内に入ることができて驚きました。他教科のことはわかりませんが、基本的に国語科は、上高先生のもとでコツコツ勉強していくと、一次試験は通ると思います。少なくとも今の採用人数と受験者数ならチャンスはあります。国語科を目指している方には本当にオススメの塾です。
2. 一次試験の取り組み (専門:国語)
①現代文
塾の授業では記述式の問題を扱っていたため、解答の作り方など見直すポイントがわかりやすく、解説を読みながら読み方を学んでいました。また、模試等で現代文に費やす時間が長かったので、2月頃から1問に対する執着心をなくそうと、何度も見直す行動をやめるように意識して授業や模擬試験に取り組みました。わからないものは何度見直してもわからない、と言い聞かせていました。初めは悲惨な点数になることが多かったのですが、少しずつ本文を集中して読めるようになり、結果的に今回の一次試験の点数に結び付きました。
②古文・漢文
基礎中心の火曜日の講座が何より大切だと感じました。模試や土曜日の問題の復習する際にも、火曜日に使っているテキストと辞書は必ず使用していました。どうしても土曜日の授業や模試の復習に時間を費やすため、火曜日の復習を徹底できていないと感じていましたが、読解の復習に使えばいいと3年目にして気づきました。もう少し早く気づけたらともったいないことをしました。
(1)古文
土曜日や模試の復習では、すべて品詞分解をしていました。このやり方を昨年の合格者講話のときに聞いて参考にしました。私はノートに全文写して、わからないものは辞書を引きながら確認していました。模擬試験の量だと2,3日はかかりましたが、単語の意味や文法の使われ方など、初めて知ることが多くて面白いと感じていました。また、3周するとスムーズに読めたりして苦には感じませんでした。たまに、自分の訳と解説の訳がずれることがあり、その時には上高先生に納得いくまで質問していました。
~流れ~
教材を解く→その日or翌日に復習→3日後に本文を読む→時間があるときにもう一度見直す。
(2)漢文について
2年連続出題されていなかったこともあり、特別な勉強法も、時間をかけての復習もしていません。古文の休憩として、授業で扱った漢文に目を通すようにしていました。ただ、復習のときは塾で渡された基本句形一覧は何度も活用しました。
③沖縄の文学
塾で出された問題は次の授業までに必ず復習し、模試前にも見直しを行いました。後半の講義からは確認テストの出題の内容がより広くなったため、目を通す程度にして、その代わりに、『沖縄の文学』(高教組教育資料センター)を毎日読むようにしていました。1つの区切りは必ず読むようにして、時間の余裕があれば次の区切りも読んでいく形で取り組んでいました。
④学習指導要領
確認テストの復習はその日に取り組みました。その一方で、オリジナルの穴埋め問題を入塾前に作成していたので、それを採用試験1ヶ月前から毎日触れる程度の、参考にしない方がいい典型的な悪い勉強法をしていました。学習指導要領は3年連続満点と、確実に点数にはなりますがオススメはしません。個人的に試験1ヶ月前にあれこれ触りたくなかったという思いがあり、確実に出題される指導要領にしぼって学習をしていました。
3.一次試験の取り組み (教養)
専門が8割に届かないため、教養は授業の時以外にあまり扱っていません。ですので、ここでは塾での取り組みを中心に書きます。
①一般教養
塾での授業もないため、模試など行ったときに解答に目を通す程度の復習をしていました。個人的に数学、物理地学、政治は好きなので、他より少し長めに目を通していました。
②教育法規
教育基本法、学校教育法と施行規則、施行令に絞って塾で解いていました。時間があるときや、上高先生の指示がある場合のみ他の法令を触りました。
③特別支援教育
個人的に特別支援の知識は学びたかったのもあり、採用試験のためというよりも、全体的に吸収していました。また、特別支援学校なのか学級なのか通級なのか、対象とする生徒や通級の六つの区別は頭文字を取って暗記しました。
④学習指導要領、⑤沖縄県教育関係
上高先生の優先順位に従い、主な部分と模試の復習として確認した程度です。問サポなどは二次試験の対策にも活用できますので、勤務先での授業づくりに活用していました。
⑥教育原理・教育心理・教育史、⑦生徒指導
実際に現場で使えるか想像しながら理解するように確認しました。また、生徒指導は普段の学校生活でも参考になるため、学校現場の生徒を想像しながら理解するように確認しました。ただ、いじめ防止対策推進法だけは全ターム必ず触りました。塾の日に触れることができない場合は、翌日に触るようにしていました。
4.二次試験の取り組み
①模擬授業
私が高校1年の時の担任・国語科担当をしていた先生と、同じ職場だったことが強みでした。課題がわかるとすぐに相談しました。そして、ある程度の授業を作っては、職場の先輩方に見てもらい、作り直しては、また見てもらいました。昨年、今年とも5回以上は作り直しています。ただ、昨年の反省から、今年は普段の授業でも問サポを活用して指導案を作るように意識して取り組んでいたため、作り直す時間は早くなったかなと思います。
教科書購入について、模擬授業は既習事項との関連を求めているため、光村・東京書籍・三省堂の中学国語の教科書を一次試験後に購入しました。高校の教科書は職場が選定期間ということもあって種類があったため、事前の購入はしていませんでした。発表後に購入しようとしたのですが、販売所に在庫がないということもあってネット注文しました。幸いなことに職場に指定の教科書があったため、届くまで無事に教材研究をすることができたのですが、すべて揃えておくか、通知が届いたら購入に動いた方がいいかもしれません。
授業の作り直しについて、大勢の方に見てもらうと、指摘や助言以外にも否定的な意見もいただきます。心は何回も折られていきますが、悔しすぎてすぐに作り直していました。また、助言などをいただくと、自分がやりたい授業からかけ離れた授業になることもありますが、私は最終的に上高先生を信じました。こればかりは3年間の付き合いです。初めて臨任として勤務する前から週に3日を3年間、上高先生に国語と教育を教わってきたので、何十年教師をやってきた先輩方であろうと、上高先生より信頼できる人は他にいませんでした。今年も国語科の先輩方に助言していただきながら完成した授業を二次試験2日前に壊して、上高先生の意見を取り入れました。その結果、本番は納得できる模擬授業ができました。
私は上高先生を信じると自分で決めて合格できました。模擬授業はたくさん悩むと思いますが、迷った際には自分が納得いく方を信じてみてください。自分で決めると自信にもなり、本番は堂々と授業ができます。
②面接
昨年の不合格が疑問に思うほど、昨年の試験は自分でもできたかなと感じていました。今年、塾の二次対策を通して1つ不合格の原因がわかりました。それは面接の質問を私が取り違えて答えていたことです。回答の着地点が違ったということは、質問を理解していないということでした。攻める姿勢が空回りし、自分のことを伝えないといけない、と焦っていたのかと思います。それを上高先生に指摘されてからは、質問を理解することに意識を向けるようにしました。また、上高先生とのメールでの質問、回答を繰り返す中で、言うべきことや言わなくていいことなどが分かり、スッキリとした回答を作るように心がけることができました。始めはノートも作成していたのですが、模擬授業の作り直しに時間を使うようになってからはやめました。それ以降はメールの質問を見て、声に出して回答する練習をしていました。
③場面指導
家族や職場の先生方に協力してもらいながら、上高先生からのお題にひとつひとつ回答していきました。お題がメールで届くため、見たらすぐにタイマーで図りながら回答するようにしていました。2分に達したことは一度もありませんが、繰り返していくうちに、少しずつ2分に近づいていきました。また、実際に担当している生徒を想像していました。私の職場には、お題に該当する生徒が多かったため、想像しやすかったです。
○その他
私はこの塾で3年過ごしました。自身の努力不足が原因です。ですが、一方で塾長の上高先生にはこの3年間、何度も支えられてきました。私が今この体験記を書くことができたのも、上高先生のおかげです。いじめ、妊娠、家庭内暴力、ヤングケアラー、自殺未遂、この3年でニュースや新聞記事でしか見ないような問題と向き合いました。そして、事あるごとに上高先生に相談しました。現場では言えないような本音まで吐いていたのですが、上高先生は時間を作って丁寧に受け止めてくれました。その中でも、担当クラスの生徒1人が自殺未遂をし、もう1人は家庭内暴力で警察沙汰になった時、私は自分を責め続けて教師を辞めようとまで考え、上高先生に電話をしました。この時の上高先生の意見や上高先生の友人の専門家の意見など、本当に救われ、そして絶対に教員になろうと決心することができました。
入塾されている皆さんも、学校で勤務すると職場には相談できないことも出てくると思います。その時は上高先生を頼ってみてください。授業終わりや電話でも対応してくれます。今の悩みが最終合格に繋がる種かもしれません。育て方を上高先生から学んで花を咲かせてください。応援しています。
最後に、5・6・7期の皆さん、苦しくて、先も見通せなくて、しんどい時、努力している方が周りにいたことが、何よりの励みになりました。また、いつも支えてくれた友人や家族、職場の先生方、私を成長させてくれた生徒の皆さん、そして、上高先生、本当にありがとうございました。
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