2022年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 小学校

1 はじめに

 私は、愛知県で12年間本務の中学校教員をしていました。沖縄県へ移住し、もう一度教員になりたいという気持ちが次第に強くなりました。次は新たな挑戦として小学校教員を目指さそうと思い、1月から沖縄教員塾へ入りました。1月〜3月までは、無職の状態、4月からは、非常勤講師をしながらといった形で勉強していきました。
 以下に、私の一次試験の勉強法と二次試験体験記を記したいと思います。教員採用試験合格を目指す皆さんの参考になれば幸いです。

2 一次試験

(1)時間の確保

 一次試験を突破するためには、まずは勉強する時間が必要だと思います。人それぞれ臨任をしながらであったり、子育てをしながらであったりと様々だと思います。私は、本務での経験があったことと勉強を始めたのが、1月からであったことを踏まえ、妻には負担をかけましたが、勉強時間確保のために無職の状態を選択しました。生活との兼ね合いも考えながら、勉強する時間を作るためにどうするとよいか最初に考え、それに応じた勉強方法を見つけていくことが大切だと思います。
 4月からは、非常勤講師をしながら勉強してきましたが、上高先生とも相談し、小学校での授業を経験してみたかったことと2月の模試の結果を踏まえて、非常勤をやりながら勉強することに決めました。

(2)計画

 私は、2つの計画を立てながら勉強してきました。1つ目は、時間の計画です。
 ◯ 平日(月曜日〜金曜日)
  4時 起床
  4時半〜6時半 勉強
  6時半〜9時 朝食・保育園への送りなど
  9時半〜12時半 勉強
  12時半〜13時半 昼食休憩
  13時半〜16時半 勉強
  16時半〜 夕食の準備など
  21時 就寝

 ◯ 休日(土曜日)
  4時 起床
  4時半〜6時半 勉強
  6時半〜9時 朝食など
  9時〜12時 勉強
  12時半〜 自由時間(勉強は一切していません)
  21時 就寝
  ※ 日曜日も休む日と決め、勉強していませんでした。
 1月〜3月は、上記のように決めてやっていました。夜型のリズムではなく、夜は子供と一緒に寝て、朝早く起きる朝型の生活で勉強していました。4月からは生活リズムが変わったので、少しずつ変更しながら勉強を進めていきましたが、朝型生活は継続していきました。毎日、時間通り進めていくのは窮屈にも感じます。
 実際にうまくいかないことももちろんありました。しかし、週40時間ぐらいを目安にして勉強しようと決めていたので、できなかったときは、別で少し時間を生み出しながらやっていきました。今、思うと1月〜3月の間で、しっかりと勉強時間を確保できたこと、時間の流れを決め習慣化することができたことが大きかったように思います。

 2つ目は、勉強内容の計画です。毎週土曜日に次の週に何の勉強をするのか計画していました。大枠で教育法規をやる週と決めたり、曜日ごとに、月曜日は、学習指導要領の国語、火曜日は、学習指導要領の社会といったように決めたりしていました。自分の中で、やれる量を考え、決めた勉強内容の計画は、必ずその週でやるようにしていました。1月〜3月ぐらいまでは、教職教養の小テストがあるので、それに合わせて計画を立て、点数が取れるようにしていました。

(3)専門教科
【算数】

 中学校では、数学を教えていたので、専門の算数の勉強は、数検3級の問題を週に1回解くのと、過去問を解くこと以外は特に何もしていません。算数が苦手な人は、配点が高いのでしっかりと対策をした方がよいと思います。

【国語】

 国語は、塾から郵送で届く過去問や模試を集中して解き、その後何が間違っているのかを解説を見ながらしっかりと確認しました。やはり上高先生が言われるように普段から文章に触れるために新聞を読み、読書をするというのが一番よいと感じました。また、知識問題(文学史、四字熟語など)は、必ず出題されていたので、普段目にしやすい場所に紙を貼り、定期的に見るようにし、少しでも頭に残るようにしていました。

【社会・理科】

 私が専門教科で時間を割いたのは、社会と理科、学習指導要領です。社会と理科については、指定教材である「教員採用試験対策セサミノート 専門教科小学校全科」でまずは、過去に習ったことを思い出し、その後「教員採用試験対策問題集 専門教科小学校全科」を繰り返し解きました。私は、最低でも3回は同じ問題を解き、間違いの多かった問題はそれ以上解きました。
 また、社会の歴史については、忘れてしまっている部分が多かったので、動画を探して最初から見て、時代の流れを把握することもしていました。

【学習指導要領】

 学習指導要領については、「教科の目標」「学年の目標」をまずは、頭に入れ、その後「内容」や「指導計画の作成と内容の取扱い」を覚えていきました。全文を覚えることは難しいので、いただいた教材に穴埋めのものがあったので、元から穴埋めになっているところに自分でここも覚えた方がよいかなと思うところを赤のマーカーペンで線を引き、緑の下敷きで隠しながら覚えていきました。覚えなければいけない教科が多いので、最初は一週間に2教科ずつと決めて覚えていきました。ある程度、頭に入ってきたら、一週間で全教科やるようにしていました。勉強期間中にどの教科も10回以上は読んだと思いますが、途中で嫌になってしまうと感じるのが多かったのは、学習指導要領の勉強でした。しかし、覚えさえすれば、確実に点数を取ることができるのでしっかりとやって良かったと思います。学習指導要領の解説については、教材にあるものだけをやりました。

【音楽】

 音楽については、元々の知識があまりなく苦労しました。過去問を解いてもいつも半分以下の正答率でした。
 なので、しっかり基礎を固めようと推薦する教材として載っていた「中学音楽をひとつひとつわかりやすく」を購入し、取り組みました。読み進めることで知らなかった部分が理解できるようになりました。その後は、塾の教材を中心にやっていきました。

【図画工作・家庭】

 この2つについては、塾の教材を完璧にできるようにしました。

 時間を測って解いた過去問や模試などの問題は、教科を問わずすべてできるようにした方がよいと思います。
 わからないところは解説をしっかり読み、質問することも大切だと思います。私の場合は、一次試験の直前に改めて問題を解いてみると同じところを間違ってしまうことが多かったです。そこで再度覚え直すことができたのは良かったと思っています。

(4)教職教養

 1月〜3月は、塾の教材をしっかりと読み、毎週ある小テストで満点を取るために覚えていきました。最初は、覚えていないことばかりで時間がかかりましたが、少しずつわかるようになっていきました。教育史・教育心理・教育原理などは、記憶しているかの勝負になると思うので、早めに覚えていき、時間がある時にその都度忘れないように確認していくとよいと思います。
 4月からは、模擬試験や過去の試験を解いていく中で、点数が取れていないところを週ごとに課題としてもち、その分野を中心に勉強していきました。上高先生から、ここはしっかりと点数を取れるようにしておくべきところというのも教えていただいたので、そういった分野は特に点数を取れるように繰り返しやりました。
 逆に、今年ここは出る可能性が少ないからやらなくてもいいといったところは何もやりませんでした。実際の試験では、やらなかったところからの出題もありましたが、これまでの勉強から推測してわかる問題もあり、十分に合格できる点数を取ることができました。1点、2点で差が出てしまう教科を受験する場合は、しっかりと取り組まなければいけないと思いますので、気をつけてください。
 試験直前は、今まで解いた問題を解き直し、不安があるところを取り除いていくということをずっとやっていました。

(5)一般教養

 一般教養については、塾でいただいた教材、過去問、模試を中心にやりました。それ以外は、漢字を少しやったり、沖縄の歴史について本を読んだりとしました。範囲が広いところですので、自分の中でこの部分は点数を取りたいといったところを考え、勉強するとよいと思います。

3 ニ次試験

(1)面接

 一次試験が終わった後で二次対策のオリエンテーションがあり、そこで過去に面接で聞かれた質問が書いた教材をいただけます。その教材を見ながら、似たような質問は合わせながら、自分なりの回答をパソコンで書き出していきました。ある程度、書き出したら、私はもう一度確認するためにノートに回答の中心となる言葉だけを書いていきました。この作業を一次試験の合格発表が出るまでに終われるようにやっていきました。
 合格発表後は、各質問に対して答えられるように繰り返し練習していきました。文章を全部覚えるのではなく、ノートに書いた回答の中心となる言葉をしっかりと言えるように意識しながら練習しました。
 また、上高先生から二次対策として、面接の質問が月曜日以外毎日一つメールで送られてきました。その質問に対しての回答を私はなるべくその日のうちに返信するようにしていました。時には、まとめて送ることもありましたが、毎日しっかりと返していくのがよいと思います。場面指導については、実際に動画で送ってくださいと指示がありました。私は、最初は場面指導に対する回答をパソコンで打っていたのですが、実際にカメラの前でやった方がおすすめだと思います。話そうとすると書いた言葉通りにはなかなか話せないですし、表情の練習もできるので、恥ずかしい気持ちもあると思いますが、慣れたら意外にできると私は思いました。

(2)模擬授業

 合格発表後に指定の教科や題材が送られてきます。そこから、一週間ほどかけて授業を考えていきました。
 教科が国語で、私自身、国語の授業を一度も行った経験がありませんでした。しかし、まずは自分の力で授業構成を考えた上で、こういった質問をしたら児童はどんな反応すると思いますかなど気になったことを経験のある先生に質問しながら、授業を作りあげていきました。その際、私は単元・授業プランシートや指導案、板書計画を作りました。

(3)模擬試験

 二次の試験日、一週間ほど前から模擬試験を塾で2回行いました。1回目の模擬試験の前までには、面接、模擬授業の準備は、しっかりと終わらせておいた方がよいと思います。模擬試験では、本番と同様の流れで進めていくので、こういった感じで進んでいくのだなと経験ができたので良かったです。本番もそうですが、模擬試験も自分が練習してきたことを思う存分出していくだけだと思います。
 また、私は非常勤としてお世話になっている学校で、面接と模擬授業を一度見てもらいました。模擬授業については、見てもらったことで、私が考えていなかった視点を教えていただき、良かったと思いました。

4 最後に

 最後、大切になるのはやはり気持ちの部分だと思います。「合格したい」という気持ちをずっと持ち続け勉強に励んでいくことではないかと思います。私も今回は、家族のことや自分の年齢のことも踏まえ、絶対に合格するという気持ちをとても強く持って取り組んできました。自分の夢のために今できることを毎日コツコツと全力でやっていくことで先の道が広がっているはずです。同じ職場で、働くことができるのを私自身も日々精進しながら、楽しみに待っています。頑張ってください!
 私のように、無職の状態や非常勤講師では、生活していけないという人もいると思いますので、私のやり方では、参考にならない部分もあるかと思います。何か少しでも、きっかけになれば幸いです。