2022年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語
【はじめに】
私は、教員をしながら生徒に対しては一生懸命仕事してきました。しかし自分の勉強となると二の次になってしまい、ズルズルと年を重ねていきました。しかし、臨時教員の身でいるため長らく学校に留まることができず、離任式のたびに生徒の成長を見続けることができない寂しさを感じていました。そして毎年臨時の電話が来るかどうかそわそわしている時間も終わりにしたいと考え、塾に行くことを決めました。
私は高校も大学も推薦で行ったため、長期的な勉強方法がわからずにここまで来ました。そのため勉強の仕方が全くわからないところからスタートしました。塾に3年通い、少しずつ勉強のやり方がわかっていく日々でした。
以下、私が塾に通って順位が上がるとともに、行動も変わってきたことです。
教養 | 専門教科 | 合計 | 順位 | |
令和元年(1年目) | 38点 | 97点 | 135点 | 77位 |
令和2年(塾を辞めた年) | 46点 | 74点 | 120点 | 99位 |
令和3年(2年目) | 64点 | 101点 | 165点 | 28位 |
令和4年(3年目) | 58点 | 132点 | 190点 | 3位 |
1年目(学習支援員~臨時教員)
・塾に入るだけで勉強ができるようになると勘違いして、受け身で入りました。復習もほとんどせず、上高先生の解説は、書き込んでいましたが、勉強に対する意欲があまりなかったため居眠りも多く、上高先生に辞めることを3回程すすめられました。
辞めた年…1年間塾をやめて、試験前に自分で古文の動詞、形容詞、形容動詞だけは軽く勉強しました。 それでも塾に行っていたときより順位が下がり、結局自分だけで勉強できない人間だと思いました。心機一転塾に通い、心を入れ替えて勉強しようと思い、入塾を再び決意しました。
2年目(特別支援員~臨時教員)
火曜日:遅刻してもできるだけ参加していました。
土曜日:塾が終わっても2時間ほど残って勉強することもありました。
日曜日:お昼ごはんをコンビニで買って、3時間ほど残って勉強することもありました。
※塾で何冊か本を借りて読んだり、塾に貼られている新聞によく目を通していました。
※試験4か月前くらいから、平日21時~23時までは勉強する時間を取るよう心掛けました。
3年目(臨時教員~無職)
・コロナの関係もあって塾に残って勉強することはなくなりましたが、忙しくても必ず塾で出される課題を解いていました。無職になってからは、約4か月ほぼ毎日9時~18時頃まで図書館に行き、勉強や読書をしました。そしてコロナ下の中で通信添削会員となって勉強をしました。塾の課題の採点結果が届いたら上高先生に電話して、問題のアドバイスを聞いたり質問をしたりしました。
【塾の活用方法】
①上高先生に、段階に応じて勉強の仕方を聞きました。勉強しながら上高先生のアドバイスがいかに理にかなっているかわかってきました。
②文章を早く読むコツをおそわり、練習することで1か月くらいでスピードアップしました。
③古文、漢文の問題のあとに単語をのせたプリントをくれるため、それを見ながら自分がどの単語を理解していないか確認していました。
④定期的に過去問や模試、試験前に模擬試験があるため緊張感をもって問題を解く練習ができました。
⑤上高先生が厳しいことも言ってくれて鍛えてくれるし、試験より難易度高めの問題を日々解くことができます。本番の試験の方が簡単に感じられました。
⑥毎回本の紹介をしてくれますが、幅広く本を読まれているので、自分が本を読むときの参考になります。また、本の読み方も伝えてくれます。塾で本を借りることができるので、色々なジャンルに挑戦できます。
【一次試験対策】
●現代文
※毎日新聞を速く読む(20分くらい)、本を3冊くらい読む(簡単な古典の本を10分、文学5分、新書っぽいもの5分)読みながらわからない単語は調べる
・「40分」と解く時間を指定されたら、解く前に(○分くらいで読む)と目標を立てながら毎回臨む
・接続語に印をつける
・読みながら線を引き、自分なりに解釈したことを解きながら簡単にメモする
・上高先生が板書してくれたところと、自分が線を引いたところが合っているか確認する
・理解できないところ、わからない単語は、必ず辞書を引き、理解できるまで解説を読み直す
●古文
※すき間時間や寝る前に単語帳を読んでいました。車に単語カードを入れておいて、信号待ちで暗記することもありました。また『速読古文常識』(仲光雄 Z会)を読んでいました。
※まとまった休みの日に、上高先生からもらった敬語、枕詞、掛詞などのプリントを使って暗記しました。
塾
解く前にテキストを拡大コピーして、上高先生の解説をききながらひたすら書き込む
復習
①動詞、形容詞、形容動詞を全て抜き出してノートに書いて活用させる(慣れたらやらない)
②①が抜き出さなくても頭の中で活用できるようになったら、全ての言葉を品詞分解する
③品詞分解に慣れてきたら、わからないところだけ品詞分解したり、訳したりする
④上高先生が毎回くれるA3の紙と、単語帳の言葉を照らし合わせながら、わかっていないものをノートに書く
①~④を、解説を見て、辞書を引いて、単語帳も開きながら行う
●漢文
※『漢文句形とキーワード』(原安宏 Z会)を読んで漢文の常識を理解しました。
※上高先生からもらった漢文の句形プリントの音読をしていました。
塾
漢文の基礎をしている時期は、繰り返して解いて理解する
実践問題のときは、解いたら上高先生の解説を聞きながらひたすら書き込む
復習
①先生がくれるA3の紙を見て、漢辞海や単語帳で意味を調べたりして、大事な語句にマーカー、ノートに意味を書き込む
②テキストで重要視されている文だけ訳する
●漢字
3年ほど塾に通っているため、自分が苦手な漢字がなんとなくわかっていたため、間違えたらノートに書き込んで、漢辞海、国語辞典を使って、漢字の意味が理解できるまで勉強しました。
●学習指導要領
時間があるときは、塾の前日などに目を通す程度でした。
試験2か月前くらいから、一つの領域を4時間ほどかけて暗記して、どこが出てもわかる状態にしました。
●沖縄の文学
令和3年度のテストの前に、2日ほどかけて、塾で配られたテキストを全て暗記しました。
令和4年度も同じように、2日ほどかけて、ノートに書き込みながら暗記しました。前年度で一度覚えているし、勉強するたび面白いと思えたので苦しくなかったです。沖縄の作家の本も読みました。
●教職教養
上高先生がまとめてくれている、優先度が高いものはそれぞれ4時間程度暗記したり、時間をかけて読んだりしました。何度も出て来るワードが多いため、数をこなせば自然と身に付きやすいかもしれません。出やすいところ以外は全然手をつけていないものもたくさんあります。
●面接調書
余裕を持って取り組みました。ギリギリに完成しないように、ゆっくり清書しました。また、自分が思ってきたこと、やってきたこと、これからやることをしっかりイメージした上で書きました。あまり背伸びして書くと、面接のときにボロが出るので、正直に書きました。
【二次試験対策】
●模擬授業
授業作りは、合格者の方から資料をいただいて、合格発表後に作りました。
模擬授業は、私がコロナにかかってしまって、リモートで大学の先生に流れだけ1回、前任校の先生に1回、上高先生に1回見てもらいました。それ以外は自宅で動画を15回ほど撮りながら練習しました。自宅では黒板がないため、単元名や生徒の意見を書いた紙を貼りながら練習しました。上高先生からアドバイスを受け、さらに自宅で練習をしました。
●面接
一次試験が終わってすぐ、上高先生とメールのやり取りで、1日1問の面接対策を行いました。その他にもパソコンで、自分が答えられそうな質問に対する答えをたくさん書いていきました。そうすると、自分の中でどんな教員になりたくて、生徒にどういうことを伝えたいのかイメージがついてきて、やる気にもつながりました。そして、2次試験対策オリエンテーションでもらえるテキストや、県教育委員会が公開しているテキストを使って応答も考えました。塾でいただいた『二次対策』や『二次報告書』のほとんどのページに目を通してイメージをつけていました。
面接は上高先生と1回だけ行いました。たくさんアドバイスを受けましたが、本番のような緊張感を味わえました。
試験当日は不安も多かったですが、「教員になりたい想いを伝える」ことを強く意識して面接官と話しました。応答は暗記する余裕がなかったため、頭に浮かんだことを伝えました。
●生活について
無職になってからは、図書館に行く際はスマホを家に置いて生活していました。また、刺激を減らすためにスマホの画面をモノクロにしたり、よく使うアプリを消したり、サイトのアカウントを消しました。
睡眠不足にならないよう、1日7時間程度は寝るようにしていました。また、週5日程、音楽を聴きながら30分歩いて気分転換をしていました。運動と勉強は相性が良いらしく、勉強に対してやる気がないときも歩くとやる気が出ました。
意識づけるために、机の前に「合格」と書いて貼って、自分に喝を入れる言葉なども貼っていました。また、眠気対策でコーヒーを飲んだり、疲れたら深呼吸をしたり、やる気がないときにはまずは5分机に向かったりと、自分自身と闘いながら勉強しました。そして、毎日手帳に学習時間を書き込んで学習時間を見える化していました。
【最後に】
私は、3年目の塾の模擬試験で後ろから数えた方が早いくらい順位が下でした。しかし上高先生が、そういう人でも受かるときは受かるとおっしゃっていたので、「受かるかわからなくても最後まで諦めずにやり切る」と自分を鼓舞しながら勉強しました。
私は意志が弱いため一人ではできませんでしたが、塾にいたからこそ、何度も悔しさを味わったり、上高先生からアドバイスをいただきながら頑張ることができました。また、勉強の過程で、学ぶことが面白いと気づくことができましたし、上高先生から教員としての姿勢も学べました。沖縄教員塾出身の先生に情熱がある先生が多いのは、そういうことを実感できた人が多いのかもしれないと思いました。上高先生には3年間お世話になりました。本当にありがとうございました。
試験までに、前任校の先生方からアドバイスをもらったり、友達や先生方からたくさん応援してもらい、家族にもバックアップしてもらいました。周りの支えもあって合格できたと思います。ここで学んだことを基盤に、学ぶ楽しさを忘れずに子どもたちを大切にできる教員になりたいと思います。
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