2022年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 特別支援学校中高共通音楽
入塾まで
大学を卒業してからすぐに特別支援学校で働き始めました。恥ずかしながら、23歳~25歳は試験対策はゼロ。毎年お気楽に試験を受けていました。26歳の時に勤めた学校に同じ世代の初任者が多く、刺激を受けたことや、仕事にやりがいを感じはじめていたこと、素敵な先生方との出会い、「絶対に先に受かってやる!」と強く思う悔しい出来事などをきっかけに、しっかり向き合おうと心に誓いました。どのように取り組んだらよいのか自信がなく先輩先生に相談したところ、沖縄教員塾を紹介していただき、すぐに入塾を決めました。とても厳しく一人一人をしっかり見てくれる先生だと他の上高先生を知る方々からも聞いていました。私の甘ったれた性根を叩きなおせるいい機会だと考えました。上高先生と初めて面談した際には、先生のシャキン!ピシッ!とした雰囲気とすべてを見透かしてるような瞳にとても緊張してガチガチでしたが、「ここで絶対に成長する! この先生についていく!」と思えました。あれから3年たち、最終試験3度目の今年合格することができました。人それぞれのやり方や考えがあると思いますが、私が取り組んできたことやここに綴る言葉が、誰かの役に立てると幸いです。
一次試験対策
《一般教養》
対策していません。
《教職教養》
※入塾1年目のみ。2年目から免除。
毎週の授業で、先生の一言一句取りこぼさないように集中して受けました。学生時代の授業では居眠りは当たり前の私でしたが、教員塾での授業は1度もウトウトしたことがありません。上高先生のお話がとても面白かったです。3時間あっという間で次はどんな内容だろうと毎回楽しみでした。
復習はしているものの、自分にあった学習方法をつかめず、授業はじめのミニテストは毎回空白ばかりで、とても焦りを感じていました。模試も1次合格最低ラインにも届いていない状態。試験直前の模試も散々で、入塾してからの8か月間横ばいの成績で自信がなくなっていましたが、自分を励ましながら取り組み続けました。
そんな私の教職教養に関しての取り組みは参考にならないと思いますが、一応紹介します。
・ボイスメモに覚えたい箇所を吹き込んで車内や家事をしながらなど隙間時間にきいていました。
・授業で紹介されていた本を読む。
・塾の問題集を解く
試験の前日、もう無理だと投げ出そうとしていましたが、諦めて何もやらないより、やった方がいいに決まってると自分をどうにかこうにか奮い立たせ、塾の資料を読み込んでいました。
なんと、翌日の試験では読み込んでいた部分ばかり出題されており、すらすら解け9割は取れていました。ほんとにびっくりしましたが、上高先生もこれまでの私の成績からは考えられない点であったので驚かれていました。運が味方してくれることもあり!
《受験調書》
一次試験1か月前までには仕上げておくことをすすめます。上高先生の丁寧な添削指導のおかげで、しっかり考えをまとめることができました。この受験調書が面接でのぶれない自分の柱となるので、とても重要です。上高先生が、試験のための一時的なものではなく、何十年の長い教員生活を貫くものだというお話をされていました。日頃から、どんな教員になりたいか、どんな生徒を育てたいのか、目の前の生徒、学校でのことに真剣に向き合って日々を過ごすことが大事だと思います。
《専門教養(音楽)》
11月ごろから取り組み始めました。学習時間は教職教養3専門教養7の配分です。加点もなかったのでここでしっかり得点できるようにしようと考え1番を目指して取り組んだので、一次終了後安心して二次対策に気持ちを切り替えることができました。
1年目はまず沖縄県の過去問10年分を解き傾向を分析しました。その後沖縄県の参考書を解きました。下の方に記載する問題集はすべてさらいました。ノートは極力とらず教科書に書き込みながら覚えました。手の運動になってしまって頭に入っていかなかったので、書くことはせずに頭のノートに書き込んでいく意識で取り組みました。
暗記事項は、はがきサイズの紙などに書き出して、トイレや玄関冷蔵庫等の生活のなかで必ず目にするところにはっておきました。また学習した箇所を誰かに説明している想像をして、ブツブツ声に出しながら覚えました。
指導要領はボイスメモに吹き込んだものを出退勤の車内で聴いていました。試験の二週間前からは集中的に指導要領の問題に取り組み、覚えているかの確認やあやしいところの覚え直しをしました。配点も高く、暗記すればよい箇所なので1問も落としてはいけません。
2年目以降は、傾向はつかめていたので、過去問は解かずに演習問題中心にどんどん進めていきました。試験前ラスト二週間は、全国版の過去問や沖縄県の過去問をなるべく試験の同じ時間帯になるべく早く解くようにしました。
教科書中心に出題されているので、隅々まで細かく深く目をとおしていました。最近はすこしひねった問題も多く出題されるので、基本事項だけの浅い学習でなく深く学習していた方がよいです。
聴音は1ヶ月前から取り組み、毎日旋律や和声課題を弾きながら歌って耳を慣れさせていました。
試験1ヶ月前までに過去問二冊、問題集三冊はすべて解きおわっていました。ラスト1ヶ月は覚えているかの確認とあやしい箇所の覚え直し、模擬試験(自分で)を行い総仕上げをしました。
・学習に使用した問題集など
全国まるごと過去問題集音楽科(協同出版)
沖縄県の過去問・参考書(協同出版)、
ステップアップ問題集専門教科中高音楽(東京アカデミー)
よくわかる中高音楽(時事通信社)
・使用した教科書
高校生の音楽1と2(教育芸術社)
中学生の音楽1、23年上、23年下、中学生の器楽(教育芸術社)
MOUSA1、2、Joy of music(教育芸術社)
ON!1(音楽の友社)
指導書セットのDVD、CD →これは高額で購入しても使用頻度は低いので学校にある物を借りていました。
・使用した本、資料など
高音楽の指導要領解説、中音楽の指導要領解説、高校大学時代の聴音の資料、音大受験のためのソルフェージュ、オペラギャラリー50(学研)、世界の民族楽器文化図鑑(ルーシー・ロール著)、はじめての音楽史(音楽の友社)、日本音楽との出会い(東京堂出版)、音楽現代などの音楽雑誌数冊、ユリイカ(青土社)の現代作曲家が取り上げられているもの数冊、音さがしの本リトルサウンドエヂュケーションR・マリー・シェーファー(春秋社)、音大受験のためのパーフェクトソルフェージュ旋律聴音編・和声聴音編(DOREMI)、コールユーブンゲン、ダンノーゼルのソルフェージュ、みんなの文化財図鑑(沖縄県教育委員会)
二次試験対策
《面接》
想定される質問に対して、自分の考えをまとめて書いていく作業をしました。
自分の考えや経験を言語化し、相手に伝わるように組み立てて話すということに昔からとても苦手意識がありましたので、面接が一番つらい試験対策でした。はじめはうまく自分の言葉で考えをまとめて話すことができずに、自信をもって準備できた答えが少なかったです。その自信のなさが態度や声にも出ていたと思います。
しっかりと自分の意見をもって、自分の言葉で、相手に伝えることができるようになるために、上高先生に指摘していただいたこともふまえて、日々どう取り組んだらよいか真剣に考えました。
新聞や本などに読み物で言葉に多く触れる。いろいろな人の表現を意識して聞く。何事も自分ならどうするかと考える。職場での話し合いの際進んで発言する。職員会議などで提案されることを真剣に考える(あえて反対意見をもつ)。目の前でおこることに疑問をもつ。相手の話をよく聞く。相手にすぐ伝わるような話し方を心がける等、これまで自分があまりやってこなかったことに取り組みました。
3年かけて自分を変え、合格した今年は、面接で伝えたいことがわんさか湧き出てくるようになりました。ですが、話し方はまだ指摘されることが多く、面接を見ていただいた際にも、話が長くて結局いいたいことがわからないと指摘されたこともありました。そこを修正しようと練習もしましたが、「すぐに話し上手にはなれない!」とわりきりました。上高先生のアドバイスもあり、うまくまとめて話そうとするのはやめて、自分の言葉で気持ちが伝わるようにということを心がけて、面接当日には堂々と話ができたと思います。
《模擬授業》
課題が出てすぐに準備し始めました。課題に関連する資料を集めたり、教育雑誌や本に目を通したり、その分野に詳しい先生から話を聞いたり、情報収集からスタートしました。5分という短い時間だったので模擬授業としての見せ方に迷いましたが、5分で授業の内容をみせることは限界があるので、あまりこねくり回さず、展開部分のはじめ5分を元気に明るく! 目の前にいる子供たちとのやりとりを楽しむ! 一人一人への配慮を見せるようにということを心がけました。授業で話したいことを落とさないようにシナリオも作って、一言一句確認しました。話すスピードや抑揚、動き、表情にも気をつけました。模擬授業後の質問で、授業のねらいや想定した生徒等しっかり答えて、授業で計画していたことが確実に伝わるように対策しました。面接対策のように想定される質問を書き出し、答えもまとめていました。
面接・模擬授業どちらも職場の管理者や先生方、これまで一緒に勤務したことのある先生に何度も見ていただきました。トータル10回程は見てもらったと思います。
《特別支援教育筆記》
コロナ感染症対策での試験内容変更に伴い、直近3年間は直前でなくなりましたが、予定通り実施されることを想定して、一次試験が終わってすぐにメセナや塾の問題集を解くことに取り組んでいました。
生活
《学習時間の作り方》
・平日
出退勤時 車内はボイスメモに吹き込んだ指導要領を聞きながら暗記。鑑賞曲を聴く。
職朝前 7時~8時 計画した学習に取り組む。授業準備等でできないこともありました。
昼食時 12時15分~13時 現在勤務している特支は給食指導がなく、昼食時が休憩時間だったため職員室で昼食をとりながら教科書を読んだり、ネットでドラマ名曲探偵アマデウスや、教科書掲載の曲の演奏動画などを見て鑑賞の対策にあてていました。
退勤後 帰宅しすぐに夕食・入浴・家事を済ませ、20時30分頃から22時30分まで学習。睡眠は削らないと決めていました。疲れていると感じる時は潔く眠りました。
どうしても家で学習する気分になれなさそうなときは、17時以降学校の自分のクラスで学習したり、喫茶店や、自宅近くの図書館と気分転換に場所を変えることもありました。
・休日
特別支援学校は土日の部活動はないので休日は自由に、学習の時間に使うことができました。
9時30分~11時30分、15時30分~18時30分、20時30分から22時30分 だいたいこの3クールに分けて学習していました。空いている時間に好きなことして気分転換をしながら取り組みました。
《仕事と学習の折り合いのつけ方》
学級の仕事や授業計画、分掌の仕事など忙しくなる時期や仕事内容を事前に把握し、追い込まれて時間をかけてしまうことがないように、前もって準備することを心がけていました。いつまでに何をするのか細かくスケジュールを立てていました。ペアの先生などには、本気で勉強していることを知ってもらい、時には仕事分担などで、試験前の忙しい時期にかぶらないように調整してもらいました。
特別支援学校は部活動がないので、事前に計画をたてて、効率よく仕事をこなすことができれば時間の確保は難しくないと思います。
《家庭との折り合い》
同棲している相手がいましたが、採用試験がおわるまでは、私が少しでも学習に集中できるように食事作りや家事をほとんど引き受けてくれていました。とても助かりました。健康的な食事も体調管理やいいパフォーマンスのためにはとても重要なことだと思います。
《気分転換の仕方》
学習時間の作り方で述べた3クールの間の自由時間でなんでも好きなことを存分に楽しんでいました。
また教材作りはなかなか仕事の時間では間に合わないことが多かったので、学習の合間に作っていました。仕事もすすんだという清々しい気持ちになるのでいいです。
また自信がなくなってきたときや、モチベーションが下がるときは、同じように勉強している人や合格している先輩などに話す時間をつくったりしていました。
どうしてもやる気が出てこないときは、「30分だけ問題集みたら今日は良しとしよう!」と甘やかす日もありました。上高先生もおっしゃっていましたが、学習時間ゼロの日をつくらないようにしていました。
おわりに
採用試験7回目、対策し始めてからは3回目でやっと合格することができ、お世話になった方々によい報告ができてほっとしています。
私一人では絶対に乗り越えられませんでした。上高先生をはじめ、職場の先生方や、友人、家族に支えがあり、つかんだ合格です。本当にありがとうございました。これからも学ぶ姿勢で精進します!!
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