平成30年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語
【はじめに】
私は、沖縄教員塾が開塾したとき、1期生として入塾しました。これまで、何度受験したか定かでないほどトライしてきましたが、片手間程度の勉強で集中して真剣に勉強に取り組んできませんでした。仕事が忙しいことを言い訳に、塾への出席率も悪く、かろうじて模試だけは受けているという状態でした。28年度も29年度もあと一歩ということもあり、心のどこかで「いつかは受かるだろう」という楽観的な気持ちがあったと思います。まさに、「できるだけ勉強せずに、合格最低点ギリギリで合格しようとするから、何度も不合格を繰り返す。フェンスをギリギリ越えるホームランを目指して、フェンス前の外野フライを繰り返すのと同じ」という上高先生の言葉そのものの状態でした。しかし、今年は一念発起し、「絶対に今年で決める!」という覚悟で、とにかく勉強量を増やし、いかに効率よく勉強するかという点に重点を置きました。3月までは臨時教諭をしていたので、周りの先生方にも「今年に懸けている!」というアピールをし、部活動を副顧問に置いてもらうなどの配慮をしていただいたことで、勉強時間の確保に繋がりました。また、今年は教職教養の難易度が高かったため、一部免除の適用と特別支援の加点があったことが得点力の大幅アップになりました。
【一次試験対策】
(1)一般・教職教養
一般教養は、塾の模擬試験以外は特に取り組んでいません。教職教養については、独学で勉強していたときは、丸暗記でしかインプットしていませんでしたが、入塾後は塾のテキストを活用し、関連付けや体系的に学習することができ、理解がより深まったように思います。演習問題と模擬試験は、何度も繰り返し取り組みました。(間違えた箇所には×印、二回以上間違えたら蛍光ペンでマーク、三回以上間違えたら付箋を貼る)
(2)専門
模擬試験や本番での時間配分と問題を解く順番は以下のように取り組みました。
①指導要領(5分)②評論(25分)③小説(20分)④韻文(10分)⑤国語常識(5分)
⑥沖縄文学(5分)⑦古文(20分)⑧漢文(20分)
●評論・小説
土曜日の記述式の問題の解答解説をよく読んで、減点された理由を整理しました。
●古文・漢文
古文と漢文が課題だったので、勉強時間の7~8割を当てました。塾の復習は、授業の翌日に時間をかけて取り組みました。教材や確認プリントにある単語や文法、句形などをノートにまとめました。同じ単語や文法、句形が出てきても、覚えるまで書くようにしました。また、予め教材を拡大コピーしたものに、口語訳を書き込んでいき、訳せないところを明らかにしました。
復習の日以外は、去年・一昨年の指定テキストを使用し、とにかく数をこなしました。塾の復習と同様、単語や文法、句形などノートに整理していきました。
≪他に使用したテキスト≫
〔古文〕
『基礎からのジャンプアップノート 古文読解・演習ドリル』(旺文社)
『ニューグレード 読解古文』(桐原書店)
『マーク式基礎問題集』(河合塾)
『最強の古文』(Z会)
『マドンナ古文』(学習研究社)
『マドンナ古文単語230』(学習研究社)
〔漢文〕
『ニューグレード 読解漢文』(桐原書店)
『マーク式基礎問題集』(河合塾)
『漢文一問一答』(東進ブックス)※赤下敷きで学習できるので、隙間時間などの学習に便利でした。
『早覚え即答法』(学習研究社)
『徹底理解 高校漢文』(東京書籍)
●学習指導要領
指導要領は確実に満点を狙えるように、コピーした指導要領に空欄を作り、声に出して覚えました。また、3学年共通の文言は青、1学年のみは赤、2学年のみは黄色、3学年のみは緑というように色分けをし、色の印象で文言を覚えるようにもしました。
●沖縄の文学
この分野で満点が取れるように、取りこぼしのないように勉強しました。『新編 沖縄の文学』(高教組教育資料センター)を中心に、ポイントをノートにまとめました。
●国語常識
隙間時間にいつでも勉強できるように、塾で配布されたテキストと国語便覧をいつも持ち歩いていました。また、塾で毎回行われるテストでミスしたものは、ノートに書き溜めていきました。
≪他に使用したテキスト≫
『できる大人の国語力練習帳』(永岡書店)
【二次試験対策】
二次試験の対策は、時間がなく、焦りと不安で精神的にも肉体的にもハードな日々でしたが、とにかく「度胸」が試されていると思うようにしました。普段自分が実践していること、考えていることをいかに落ち着いて私らしくアピールできるかに重点を置きました。
(1)模擬授業
一次試験合格発表後、上高先生が出題を予想した教材を中心に、一次試験合格者メンバーで担当を割り振り、授業を見せ合いました。未完成でも授業を見せ合うことで、自分の授業構想をつくることができました。模擬授業対策では、本当に沖縄教員塾のメンバーに助けられました。全員ライバルではありますが、互いに励まし合いながら、それぞれの持ち味を生かしながら協力できたことで、辛い10日間を乗り越えることができました。大学で模擬授業は経験していましたが、生徒役のいないエアー授業は初めてのことだったので、とてもやりづらさを感じました。前年度の生徒たちの顔を思い浮かべながらなるべく普段の授業を見てもらうつもりでやりました。また、他教科の塾生に授業を見てもらうことも、違う視点でアドバイスをもらえるのでとても参考になりました。
(2)論文
4月頃から塾の課題に取り組みましたが、本格的に書いたのは、一次試験が終わってからです。〈課題1〉が合格ラインに達するまで、4~5回は書き直し、心が折れそうでしたが、先生からのアドバイス通り添削を繰り返すうちに、コツが掴めてきました。全ての課題を書き上げるつもりでしたが、〈課題6〉までしか書けませんでした。一次試験合格発表後は、やるべきことが山のようにあるので、なかなか論文を書くことに集中できません。やはり早めの対策が必須です。
(3)面接
塾からの二次対策資料に載っていた質問事項に対する全ての答えを準備する時間がなかったので、即答できない質問事項をノートに書きだし、文章ではなくキーワードをまとめました。志望動機や自己アピールは大事だと思ったので、自信を持って答えられるよう文章に起こして暗記しました。一番恐れていた質問は「場面指導」でしたが、塾での2度の模擬面接を経験していたので、本番はそれほど緊張しませんでした。場面指導に関しては、ゆっくり間を置いて話すことで、話しながら次に何を話すか頭の中で考えました。2~3日前からは、自宅で夫に面接官役になってもらい、練習しました。
【おわりに】
採用試験は、やはり「決意」、「勉強量」、「効率」が肝要です。今年合格するまでは、そのどれもまだまだ甘かったのだと実感しています。とくに専門の勉強は、教職教養のようにすぐに結果に現れず、大海の一滴を掴むような感覚でした。それでも、ここまで諦めずに来られたのは、教員という仕事は私にとって天職であるという自負心があったからです。同僚や家族の支えはもちろん、上高先生の厳しくも温かいご指導のおかげで、合格を掴み取ることができました。これでやっと「夢や目標に向かって努力することで必ずや花開く」ということをやっと生徒に示すことができます。採用試験を通して、なぜ中学国語教師を目指すのか、どんな教師になりたいのか、沖縄県の教師として自分は何ができるのかを改めて考え、自分と向き合うことができました。これからが本当のスタートです。驕らず謙虚に初心を忘れず頑張ります。
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- 2018年度実施選考試験