平成30年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語

はじめに

 勉強する環境や方法は、人それぞれだと思います。ですが、共通して言えることは学びを助ける指導者と、学ぶための最善の環境、方法は選ぶことができます。
 自分の怠惰に対する言い訳は、合格を先延ばしにします。ほんの少しの意識の持ち方の違いで、今が明日が、1年後が変わります。これは、10年間採用試験を受け続けた私だから言えることだと思います。
 あなたというすばらしい教員を、現場で待っている生徒や仲間がいます。私の経験や勉強法が、皆さんの役にたてば幸いです。

1・試験を受け続けた10年間

 私は大学を卒業して10年間、採用試験を受け続けました。

大学生→卒業論文    (勉強していない。)
二回目→臨時任用    (勉強していない。)メセナに3ヶ月通う
三回目→臨時任用    (勉強していない。)
四回目→臨時任用    (臨時を切った半年は勉強したが後はしていない。)メセナに通う
五回目→臨時任用    (勉強していない。)メセナに通う
六回目→結婚して佐賀へ (勉強し始めるが、方法が分からない。取り組みが甘い。)
七回目→結婚して佐賀へ (勉強したが、方法が分からない。伸び悩む。)
八回目→夫と帰省・妊娠 (勉強していない。入院・つわりがひどい。8月末出産)
九回目→子育て     (四月から子どもを預けて3ヶ月半勉強する。(あと4点で落ちる)
十回目→子育て     (引き続き子どもを預けて、1年間沖縄教員塾で勉強する。)合格。

※一番怖いのは、自分がやっている気になってしまっている時です。やっていないと分かれば危機感は湧きますが、やっているつもりの時は危機感が湧くどころか、問題の作成者が悪い、採用者の採用方法が悪いと合格から遠のいてしまいます。塾に行っているだけで、私は勉強しているつもりになっていました。私は勉強をしなかった時期は、本気でテストや採用方法が悪いと考えていました。あまりにも、恥ずかしい過去の自分です。

2・上高先生は怖くない!

 よく、生徒の中には先生が怖いという生徒がいます。しかし、それは違います。一人一人の合格を真剣に考えるからこそ言葉が強くなります。一コマ一コマの授業に真剣に向き合うから、授業の出席を強く促します。自分の実力を知って、そこから課題を見つけて欲しいからテストを毎回行います。怖いのは、実はテストに通用しない自分の実力を、先生が見抜いているのではないかということです。勉強に向き合っていない自分を、先生に指摘されないかということです。
 私は、通学しているときには自分のできないことは、先生はとうに見通していると開き直り、分からないと思ったら、必ず納得するまで聞いていました。何度も同じ質問をすることもありましたが、先生は何度でも答えてくれました。もちろん、調べて分かることは、調べてから質問はしました。論文の指導で、強く指導を受けたこともありましたが、私はできないから指導してもらいにきているのだと、勝手に切り替えていました。
 よく受験生は、パワースポットや開運グッズが気になりますが、間違いなく沖縄教員採用試験受験者のパワースポットは上高先生エリアです。また、開運グッズは上高プリントです。

3・模試は本番だと思って、思いっきりムキになって受験する

 私は、これまで試験の時に時間が無い、という経験をしてきました。そこで、この模試を最大限に利用しました。模試を受験する前に大問のどこから手をつけるか、各大問の目標時間、正答率を決めて挑んでいました。過去問も同様、思いっきりムキになって解きました。予習なしで、自分の今の実力で向き合うことで時間と闘う訓練をしました。
 結果は、中学・高校の総合順位を意識していました。これは、高校を希望している人が志願書を出す時期に中学に下りてくると考えていたからです。予想通り高校から中学に変更した一次合格者がこの塾に4名いました。
 模試や過去問の無い月や、余裕がある時は塾の過去模試を購入して解きました。これは、塾生にしかできない特権です。この模試でも先生は過去の受験データから、私の今の実力の位置をしめしてくれる資料を下さいました。時間対策ができるのもこの塾ならではです。
 模試の復習に関しても、しっかり取り組みました。特に過去問の先生の解説は、どこを探しても無いほど詳しくて、勉強がはかどりました。

4・時間を作る・管理する

 私は、当時1歳(現在2歳)のこどもがいたため、とにかく時間がありませんでした。9時から16時までの保育園に預けられる6時間と寝かしつけた後、家事を済ませた数時間が勝負でした。そのため、学校の生徒のように1時間ごとに時間割をつくり、この時間は何をする、と決めることで時間に区切りをつけて、集中できるようにしていました。勉強始めは、漢字や知識問題のテストの復習など、取り組みやすいものから始める等の工夫をしていました。また、授業の復習を中心に時間割を立てていました。先生のつくったプリントと、ワークの解説を読むだけで、3時間はかかっていました。ですから、1時間はワークの解説を読む、1時間はプリントを復習する、など工夫していました。どうしてもやる気が出ない日は、古典の物語の現代語訳を読んだり、先生が薦めて下さった本、近代文学の本を試験の時に早く読めるように、速読していました。
 また、沖縄教員塾の授業の1時間前に来るようにして先生に質問できる時間を確保しました。さらに授業で行うテスト勉強をしたりすることで、授業に集中しやすいように、授業前のウォーミングアップをするようにしていました。授業で教えてもらったことは絶対に聞き漏らさない、と意識していました。
 車の中では、Z会の古典単語を聞くようにしていました。文章をある程度のスピードで読んでくれるので、古文の読むスピードもあがったように感じました。
 ノートを使う方も、いらっしゃいましたが、私は先生の配るプリントに全て書き込んでいました。時間短縮のためです。書き込んだ内容は、先生が取り上げた単語以外に分からなかった単語、関連する単語、関連する文法事項、先生の板書等です。教材研究を行う気持ちで、自分がこの教材をこれから授業する気持ちで、勉強していました。
 私の話ではありませんが、高校国語に合格した友人は車での通勤を止め、バス通勤をして通勤時間を勉強時間にし、働きながら勉強をしていました。私には、できなかったことです。

5・一次試験の対策

(専門)

 この1年は、とにかく塾の課題をこなしました。古典と漢文の基礎ワークは、数年前にメセナで一通り学び、さらに自分でも仕事をしていない間、通していたので、大丈夫だと思っていましたが、それは間違いでした。授業の翌週、確認テストを受けて、自分が理解していないことがつくづく分かりました。私は、この塾の強みはテキストを解きっぱなしにするのではなく、テキストで学んだことを、応用問題を使ってテストで確認することだと思います。しかも、大学入試の過去問で。高校生が解く問題を、教員を目指す人間が解けない、とショックを受ける日々でしたが、このプリントをしっかり復習して、納得していく中で力がついていきました。毎回、テストを作成し、採点してくれた先生がいたから、授業の復習にも身がはいりました。感謝の気持ちでいっぱいです。
 現代文、古文、漢文の筆記問題は、本当に辛かったです。時間に間に合わないどころか、問題集も難しい。しかし、私は復習に工夫をしました。授業後に解説を一読した後、車の移動中に自分なりの授業をしました。どうしてこの答えが出るのかを、問ごとに口に出して説明していきました。また、先生が黒板に書き出したキーワードと自分が問題を解いたときに傍線を引いたワードが一致しているかを意識して確認していました。
 先生が時間を設定して問題を解かせて下さるときには、時間内に全ての問題が解けるように意識して取り組みました。「時間があれば解けたのに」ではテストでは通用しないと言うことを先生に何度も指摘されていたからです。
 漢字のテスト、知識問題のテスト、学習指導要領のテスト、沖縄問題のテスト、どれも内容がとても研究されています。各分野のテストごとにまとめて見返せるようにしていました。採用試験前にこのプリントを繰り返し解きなおしました。新しい問題集には手を出さず、教えてもらったことは必ず答えるという姿勢でとりくみました。

(教職教養・一般教養)

 教職教養は、日曜日の授業を受け、それを復習しました。専門と教職教養は8:2で取り組みました。今までに勉強したことで、ほとんど対応しました。後半の授業で配布される問題集は全て一度通していきました。確認テストや、後半に行う実力テストで出た問題は必ずテキストを開いて、どこから出ているのかを確認しました。特に学習指導要領は、項目を覚えるようにしました。教育心理や教育原理はテキストで確認した後、そこに関連するところも、あわせて暗記するようにしていました。沖縄の問題は、塾のテキストを読んであとは対策していません。
 一般教養は、ほとんど勉強しませんでした。これは、専門に時間をかけた方が効率的だと考えたからです。

6・二次試験の対策

 私は、論文を一次試験までに課題3まで、合格しました。といっても、2の課題は13回ほど書き直ししました。心が折れそうになりながら、今年は二次まで行くのだから、論文が苦手な私は今やらないと必ず後悔すると思い取り組みました。こんな私につきあって下さった先生に、たくさんご迷惑をおかけしました。
 論文の課題を二次の発表までに、全て終わらせ、面接の準備まで行えたので、二次対策の時には模擬授業に集中することができました。そのおかげで、論文は思うようにいかなかったのですが、5年近く現場を離れていたのにもかかわらず、模擬授業と面接は高得点をとることができました。
 二次対策は、どこの塾よりも沖縄教員塾はしっかりしていると思います。本番さながらの、論文のテスト、模擬授業、面接。しかも、2回ずつ。評価の視点とその採点理由を一人一人丁寧に出してくれます。私はこの塾に入っていなかったら二次を通過できなかったと思います。実は模擬授業の模擬テストの時、私は号泣するほどの大失敗をしてしまいました。面接でも、ジャケットを着忘れるほど、緊張してしまいました。この失敗を生かし、成長することができたからこそ、私は合格することができました。
 今から受験する皆様、今できることは論文を仕上げておくことです。これをしておくだけで、面接や模擬授業の練習の確保ができます。

最後に

 私は9回目の一次試験の合格発表があった日に、不合格の悔しさで居ても立ってもいられず、沖縄教員塾に電話しました。「明日から通いたいのですが、よろしいですか?」と。二次試験対策のため忙しいので無理だと断られましたが、9月までの勉強のアドバイスをもらい勉強を続け、9月から入塾し、すぐに勉強することができました。今考えればあの悔しさが私の合格への道を切り開いたのだと思います。
 本気になって沖縄教員塾に入学した皆さんなら、必ず合格できます。私のようなものでも、どうにかなったのですから。あと少しです。がんばりましょう。