平成30年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校英語
1.はじめに
大学を卒業してしばらくは採用試験を何回か受けていました。しかし、勉強せずに受験していたので、全く問題が解けないというのと、私がこの問題で合格ラインに達するのは到底不可能なことだと思い、現場を離れ子育てに専念することにしました。(ある意味、諦めです。)そして、子供たちが少しずつ手を離れて来たころ、家庭の事情により私が一家の収入を担うことになりました。教員しかやったことのない私が30代後半からでもスタートできる仕事には限界がありました。そして小学生の時から夢だった、未だに心のどこかで諦められなかった仕事が教員でもあったため、不安もありましたが、再度採用試験に挑戦しました。最後に試験を受けてから約10年という年月が経っていたこともあり、専門用語もすっかり頭から抜けている状態でのスタートになる不安と、生活を支えていかないといけないというプレッシャーの中、何度も何度も進路変更を考えましたが、「これしかない、この仕事しかない」「英語を教えたい」「子供たちのよき理解者になりたい、支えたい」などいろいろな思いがありここまでやることができたと思います。昨年は一次通過で二次で不合格となり、今年合格することができました。昨年二次で不合格したときは、精神的にとても参ってしまいました。とりあえず、入塾をして授業を受け、気持ちが離れないようにすることで精一杯でした。沖縄教員塾に入塾した理由は友達の勧めで、先生が厳しいということと、教材が取り組みやすそうなことで入塾を決めました。受講して感じたことは、信念を持って私たちと向き合っていると強く感じました。そのため、厳しい言葉で指導することもありましたが、そのぐらいで心が折れたら採用試験に合格することすらできないだろうし、現場でも使えない先生になるだろうと思い、とにかく夢をつかむために先生を信じてやるしかありませんでした。また、授業の中で先生は、これから沖縄県の教員として任務をどう果たして行かなければならないのか、先生のあるべき姿など、教員としての意識を高めてもらいました。そのおかげで不安な時でも、夢を諦めず試験対策に取り組めたことと思います。勉強をしている時は自分の勉強に自信が持てず、不安になり焦ったりすることもありましたが、私は先生のことを信じて、夢を諦めずにやってきたことが合格につながったと思います。以下、私の勉強方法が、皆さんのお役に立てれば幸いです。
2.一次試験について
【一般教養】
勉強しませんでした。
【教職教養】
11月~4月頃までは1時間程度
5月からは5~6時間
教職教養はほとんど勉強してこなかったため、一からのスタートでしたが、授業に出席することと翌週に行われるテストに向けての勉強しかできませんでした。しかし、苦手意識からあまり取り組めていませんでした。5月ごろから本格的に勉強しました。スタートが遅かったので、「教育法規」「特別支援教育」「学習指導要領」「生徒指導」などを2回通し、その後は実力テストを何度も解きました。その時からは平日5時間ぐらいかけて勉強をしました。もっと早くから始めていれば、試験の直前にそんなに教職教養に時間をかける必要がなかったと思うので勉強への取り組み方を後悔しています。
【専門教科:英語】
英語教員採用試験対策の塾に通いました。そこで出された課題だけをやりました。
1日7~8時間ぐらい
《単語》パス単1級と英字新聞、
パス単準1級(試験1か月前ぐらいから復習しました)
毎週テストがあったので、一日に80~100単語を覚えないといけない状況でした。私はとても暗記が苦手なので、他の受験生よりも時間がかかったと思います。でも、毎日目にふれておけば、どんな単語でもどれだけでも絶対暗記することができるということを自信を持って言えます。時間を確保し、毎日取り組むのが戦いだと思いました。
《誤所指摘》塾の教材だけをやりました。
土曜日にあったので、授業の後残ってその日の復習をして理解していきました。4月からは今までにやってきた内容をもう一度解いて復習をしました。
《長文》教員採用試験の過去問
塾の教材だけをやりました。
苦手意識がとても強いので、いろいろ教材を買いました。しかし、なかなか取り組めず焦る一方だったので、割り切って塾で与えられた教材だけを集中してやりました。単語は分かっていても、問題は解けないことが多かったです。配点も高いだけにとても不安になりましたが、逃げるわけにはいかないので、塾の課題の復習だけはしっかりやりました。
復習方法
- もう一度読む(解説の後ではありますが……)
- 文を読みながら分からない単語を辞書で調べる。
(私は紙辞書をずっと使っています。そのうち早く見つけることができます。それから、単語の使い方や例文がすぐ見られるのがよいです。時間がない時は電子辞書を使うこともありましたが……) - 問題を解くときになぜそれが答えになるのか根拠が言えるように意識して解きました。(でもなかなか身に付けることはできませんでしたが、意識はしました)
- 文を頭から読むと同時に理解できるか確認しながら読みました。
- 最後にまとめとしてもう一度読みました。
日頃からの読書の大切さを強く実感しました。
《リスニング》塾での教材(英検・TOEIC・TOEFL)
「AFN」「TED」「ABC news」、YouTubeでいろいろな人のスピーチ、英検関連の「文で覚える単熟語(1級)」なども聞きました。
3.二次試験について
【論文】
去年は論文の点数が悪くて足を引っ張り不合格になっていると思うので、論文の苦手意識がある分、一次試験が終わってから二次試験までほぼ毎日書いていました。県が出されている施策、プロジェクトをしっかり理解し、先生が予想しているキーワードを本文でどのように書き込めるかを意識して練習しました。本番もそこを意識して書きました。
【英作文】
英語教員採用試験対策の塾で一課題を添削してもらいました。
【英語面接】
去年は面接官の反応が全くなく動揺してしまいましたが、今年は面接官の反応もありすごくやりやすかったです。対策としては、過去問の内容に対しては答えられるように準備をしました。
【面接】
課題は「大きな声」でした。普段は大きな声を出す方ですが、座っているとどうしても声が出ず、苦戦しました。家でもビデオを撮ったり、子供たちに見てもらったりして何回も練習しました。また、志望動機など絶対に聞かれそうな内容はしっかり覚えて本番に挑みました。時間を計っている面接官もいるため、1分とか2分の感覚を身に付けるためにも練習から意識しました。
【模擬授業】
塾では英語科が一人だったのですが、先生が他教科の方にも声をかけて下さり、別の視点からアドバイスをもらうことができたのが、とてもよかったです。課題が2年生の範囲すべてだったので、一つ一つ文法事項をまとめていきました。どういう導入をするか、またアクティビティをどうつなげていくかなどを考えるのが大変でした。本番では、まさかの準備をしていなかった「不規則動詞の過去形」ということで、動揺しました。でも、時間はどんどん過ぎていく一方なので、今まで学校でやってきた流れと塾で指導された点に注意しながら模擬授業を行いました。そのため、私はとにかくたくさん練習して、授業の感覚をつかむことが大事だと思いました。一人でムービーを回しながら練習するのは、寂しくもありましたが、人に頼らず、数をこなせたことが本番でも生かせたと思います。
4.最後に
今回の合格は、自分との戦いもありましたが、たくさんの支えがあってこそ実現できたものです。勉強で週末ほとんど遊びに連れていけなかったけれど応援してくれた子供たち、そして私の両親・兄弟、素晴らしい教材を準備して下さった上高先生、そして専門を担当して下さった先生、一緒に勉強してきた友達、これまで一緒に働いてきた先生方、これまで現場で教えてきた生徒たちの存在など本当に感謝感謝で胸がいっぱいです。来年4月から初任研、これからがスタートです。一つでも多くのことを学び、誠心誠意を持って子供たちに向き合っていき、皆さんに恩返しをしていきたいと思います。いろいろ不安もあると思いますが、諦めずに頑張って下さい。
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