平成30年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中高共通家庭

(1)はじめに

 私は20歳からフリーター生活を13年過ごし、34歳の時にコールセンターで仕事をしながら短大の通信教育で家庭科二種免許を取得しました。家庭科教員として臨任を始めたのは39歳の時で、教員免許を取得してから採用試験にも数回チャレンジしていましたが、本気で勉強を始めたのは40歳の時からでした。その頃通っていたのがメセナ予備校で、教職教養の授業を受講し、上高先生に出会いました。沖縄教員塾が開校されていたのはすぐチラシで知りましたが、当時の私は志が低く、厳しい上高先生の授業にはついていけないと思い、他の塾で勉強をしていました。去年、一昨年と三次試験までいきましたが、論文がまったくできず、合格にはいたりませんでした。2回目の三次試験の挑戦で合格できなかった時、私は上高先生に指導してもらうために採用試験に落ちたのだと思い、入塾を決めました。採用試験は9回目のチャレンジで、年齢制限最後の45歳でしたが、合格することができました。沖縄教員塾のおかげだと思っています。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

(2)一次試験対策

〈教職教養〉

 去年、一昨年は沖縄教職研究会という通信の塾で対策をしていて、試験1回分の60問の教職教養問題や採用試験に過去問をひたすら解いていました。今年の1月に沖縄教員塾に入塾してからは、塾のテキストを復習していました。1週間に2日は教職教養の勉強にあて、5日は専門家庭科の勉強をするようにしていました。臨任をやりながらの勉強でしたので、平日は1~2時間しか取り組むことができませんでした。土日は5~6時間、教職教養と専門教科を勉強しました。一般教養はほとんど対策せず、塾の模試試験などにでる問題をやっていました。

〈家庭科専門〉

 家庭科の対策は、過去10年間ほどの問題集とジュンク堂で売られている家庭科の問題集、家庭総合の最新の教科書を4社ほど(東京書籍、実教出版、第一学習社、開隆堂等)、中学校・高校の学習指導要領を読むことをして対策していました。新しい用語や統計などが多く出題されるため、家庭総合の教科書を隅々までくりかえし読んだりノートにまとめたりしていました。

(3)二次試験

〈実技 被服・調理〉

 2年前から一次試験終了後、那覇市樋川にある沖縄ファッションアート学院のメイキングクラスで被服の実技を学びました。2時間4回¥6500円で受講でき、好きなものを制作することができます。そこでは過去問のパンツ、見返し付きシャツ、ファスナー付きスカート、じんべい、かりゆしウェアなどを制作しました。試験までの1ヶ月は(夏休み)週に3回は学院へ通い、勤務先の学校でも被服の練習をしていました。
 調理実習は一次試験合格後、毎日教科書に載っている献立を作りました。1時間で4品程作り、後片付けまでですので、手際よく作業をこなし、衛生管理にも気をつけます。1人分の調味料のレシピは覚え、計量カップの見方や計量スプーン使ってきちんと調味料を計り、包丁の置き方、1品1品食材を切ってバットに置き、食材をまな板に置きっ放しにしないことなど気をつけました。二次対策は布代や食材代など、お金がかかりますが、そこは惜しまずに出費しました。

(4)三次試験

〈論文〉

 論文は一次試験終了後から、すぐに対策をしました。論文は一番苦手で、最初は書くのにも時間がかかり、1題書くのに1日から2日かけていました。添削され、最初に書いた論文は書き直しが続き、6回目でOKをもらいました。苦手な論文を克服するために、他の人の倍は努力しようと思い、9月の三次試験まで1週間に2~3本書き、20題は書いたと思います。とても丁寧に添削してくれる上高先生の指導のおかげで苦手な論文を試験本番は30分前には書き上げ、ゆっくり読み返す時間もありました。まさかここまで上達するとは思ってもいませんでしたが、上高先生の指導は、書けない人も必ず書けるようになります。参考書は塾で推薦している本を購入し、活用しました。

〈面接〉

 面接対策は、練習は塾で、模擬面接は塾と勤務校で練習しました。ポイントは声を大きくすることです。それだけで安心感や自信があるように感じられると思います。二次試験終了後から面接の答えを考え、暗記し、大きな声で答える練習をしました。自己PRや志望動機など、携帯電話に録音し、通勤時の車の中で聞いたり、大きな声で話したりする練習をしていました。大きな声でゆっくりと笑顔で自信を持って話すことが大事なポイントだと思います。

〈模擬授業〉

 模擬授業は二次試験合格後、課題が届いてから対策をしました。使いやすい家庭総合の教科書を1冊選び、授業の構想を立てました。テーマや目標など教科書に付箋で貼り、板書計画や生徒への質問を考えました。学習指導要領に沿っていくつかの授業を準備しました。勤務校で2回ほど家庭科の先生に見てもらい、あとは塾の模擬授業で対策をしました。勤務校では空き時間に他の先生の授業参観をしたりして、立ち振る舞いなどを参考にしました。授業は明るく楽しい授業になるように、大きな声で笑顔を忘れず取り組んでいくといいと思います。

(5)おわりに

 私は39歳の時に家庭科の臨時教員を始め、40歳からメセナ予備校へ通い、本気で教員になろうと思い始めました。中学校家庭二種免しかなく、合格できるかとても不安もありましたが、いつでも前向きに考え、もし今回の試験がだめだったとしても、他に何か自分にできることがあるはずだし、悩まず人生楽しく過ごしていこうという思いで取り組んでいました。臨任をしていて毎年学校が変わり、たくさんの人との素敵な出会いがあり、周りの方々に支えられて、ここまでやってくることができました。上高先生に出会い、教員の道に進むことができたことに、とても感謝しています。これから教員を目指すみなさんも自分を信じ、学び続けてほしいと思います。最後まであきらめずにがんばってください。