平成29年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 高等学校公民

~はじめに~

 私は長い期間採用試験に挑戦し続け、年齢は30代後半にしてやっと、採用試験に合格できました。合格にたどり着くまで、家族をはじめ、企業や臨任校で出会った方々や先輩・後輩・同級生、保護者の方々、塾の先生方、本当にたくさんの人に支えてもらってここまで来る事ができました。私は器用でもなく、勉強もとくにできるわけでもありませんが、諦めずに粘り強く努力は続けてきました。「試験のための対策」というよりは、本務として教員になったときに、「自分が教員としてどうあるべきか」を考えながらイメージして取り組みました。ただ、塾でのチェックテストや模擬試験等は点数や順位にこだわって取り組みました。私の体験や情報が皆さまの役に立てる部分があれば参考にして下さい。

1.一次試験

 今年は教職教養・論文は沖縄教員塾、専門はメセナで対策をしました。各塾のチェックテストや模擬試験ではとにかく上位に入れるように取り組み、専門は満点を目指して取り組みました。

(1)専門について

①教科書と用語集は2~3回読み込みました。
②塾のテキストや教材、問題集(センター試験過去問や市販の問題集、採用試験の過去問等)でとにかく数多く問題をこなしました。市販の問題集は手に入る分は一通りやりました。正誤問題は、どこが正しくどこが間違っているかを説明できるまで理解を深めるようにしました。
③学習指導要領は1週間から2週間に1回のペースで読んで、穴埋め問題で書いて覚えました。(読みと穴埋めで1時間程度)
④時事ネタは時事問題集や新聞などで押さえました。一般教養にも繋がりました。
⑤私は一部免除や加点の対象ではなかったので、一次試験対策では、特に専門に一番時間をかけて満点を目標に取り組みました。用語集を常に手元に置き、気になったりわからなかったりするところはすぐに調べるようにしました。(時間配分にすると専門8.5:教養1.5)また、各塾の合格体験記を参考にしながら取り組みました。

(2)一般教養・教職教養

①一般教養は、沖縄教員塾でもらった資料や模擬テスト、メセナの月例テストで対策をしました。それ以外は新聞を読む程度で、時間はかけませんでした。
②教職教養は、沖縄教員塾のチェックテスト、模擬テスト、メセナの月例テストを中心に対策しました。指導要領や法令、文科省・県の施策等は沖縄教員塾からもらった資料や教材で読み込みました。学習ペースは週1回程度で、あまり時間はかけませんでしたが、チェックテストや模擬試験などで50点以上(60点満点)を目標に取り組みました。

2.二次試験

(1)一次試験前

 一昨年、昨年に二次試験を経験していたので、その時の対策講座で書いた論文を月1回程度、75分で書けるように清書しました。新学習指導要領の対策と専門の対策で余裕がなかったので、沖縄教員塾の課題には取り組めませんでした。計画的に取り組めればよかったと後悔しています。

(2)一次試験後から一次合格発表まで

 面接調書の作成、論文対策、面接対策を中心に取り組みました。模擬授業の課題文が届くまでは、特に論文に時間をかけました。面接対策は県の施策や資料なども参考にしながら時間をかけました。初めて論文に取り組む方は、一本完成させるためには多分、かなり時間がかかるので、一次試験対策と同時に早い時期から取り組むべきだと思います。論文の取り組みは面接対策にも繋がります。これまでに合格された方々のほとんどがそう言っています。

(3)一次合格後の対策

 論文、面接、模擬授業の順に時間をかけて取り組みました。論文は沖縄教員塾のみで対策しました。面接と模擬授業は、各塾で対策をさせてもらいました。面接は基本的な質問から場面指導まで何を聞かれてもいいように準備しました。模擬授業は対象となる全ての単元の略案を作り、どこを指定されてもいいように授業構想を練りました。一次合格発表から二次試験までの期間は短いので、一次試験対策と併せて二次試験対策をしておいたほうが良いと思います。

・生活

 私は、大学卒業後は社会経験を積むために民間企業に勤めました。その後は中学校で臨任として勤めました。私は器用なほうではないので、臨任として学習指導、生徒指導、部活指導等にも取り組みながら採用試験対策を両立させることができませんでした。そこで、妻と娘にも理解してもらい、収入は臨任に比べかなり下がりますが、勉強時間を作るために特別支援学校で介助員(1日6時間勤務で週5日)をしながら、試験対策に取り組みました。妻の転勤のため、今年の4月からは家族で離島に引っ越し、4月~8月は仕事をせずに採用試験に集中しました。身内の事情や介護の手伝いのため、毎月本島に戻る機会があったので、その時には塾に出席して講義を受けました。それ以外の出席できない講座は、沖縄教員塾では上高先生が毎週、教材や資料を郵送してくれました。チェックテスト等も自己採点で点数を報告し、塾内の上位の点数を送ってもらい、本番までのモチベーションへと繋げることができました。

・その他

 私は一昨年、昨年と二次試験まで進みましたが、不合格が続きました。二次試験でダメだった時には、自分の人間性や教員としての資質を否定されているような気持ちになり、本当に落ち込みました。二次試験の順位・得点を見ても、何が良くて何がダメだったのか自分ではわかりませんでした。それでも腐らず、前向きに「合格した人達のほうがすごく頑張ったんだ、自分に足りない部分を伸ばそう」と自分に言い聞かせ、やれることをとにかくやりました。自分のモチベーションが高いとか低いとかに関係なく、「やるのか、やらないのか」シンプルに考え試験対策に取り組むようにしました。これまでを振り返ると、家族をはじめ、塾の先生方や生きてきた中で関わったたくさんの方々、本当に多くの方々に支えてもらった合格だと、あらためて実感しています。合格するまでに時間はかかりましたが、本務の教員としてスタートさせてもらえることに感謝しています。合格はしましたが、まだまだ勉強不足でこれまで以上に学びながら、教員としてのスキルを高めないといけないと痛感しています。ここからが、本当の勝負だと身の引き締まる思いです。
 また、妻とはお互いが教員を目指し、一緒に子育てや臨任をしながら、お互いが勝負する年を決めたり、苦労も喜びも分かち合ったりしながら、やっと夫婦ともに本務になることができました。娘にも負担をかけてしまい、家族の大切さやありがたさを心から実感しています。
 皆さんにも様々な事情があったり、様々な状況に置かれたり、様々な思いを抱きながら、採用試験に向けて努力しているかと思います。本気で教員を目指しているのであれば、諦めず、やるべきことをやりきって、様々な事をプラスのエネルギーに変えて、自分のためにも子どもたちのためにも、ぜひ合格を手にしてください。
 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。