平成29年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 特別支援学校中高共通音楽

(1)はじめに

 3年前にメセナ予備校で教職教養の授業を受講し、上高先生に出会いました。周りの受講生から上高先生の論文指導はとても丁寧でわかりやすいと好評でしたので、私も上高先生から論文のご指導をいただきたく沖縄教員塾の入塾を決めました。一昨年と去年は3次試験で落ちてしまい悔しい思いをしたので、今年は4月から半年間仕事を休み、1次試験対策と並行しながら2次試験・3次試験の対策にも取り組み、1日10時間以上(12時から夜10時まで)を目標に勉強しました。午前中の4時間(7時から11時)は2次試験(ピアノ・声楽・三線)に向けてのレッスンや練習の時間にあてました。
 試験対策として人それぞれのやり方があると思いますが、以下、私の試験対策で取り組んだことを記させていただきます。これから受験される皆様の参考に少しでもしていただけたら幸いです。

(2)1次試験対策

【教職教養】

 教職教養の対策として、今年の3月から上高先生の教養の授業を受講しました。4月になると、毎週実力テストを行うので、私の勉強不足の点等、すぐに知ることができ、勉強のモチベーションが高まりました。教職教養は、特に学習指導要領、教育法規、教育原理・教育心理に力を入れ、沖縄教員塾の資料を中心に勉強し、わからない言葉や意味は、オープンセサミシリーズの『教育用語集』(東京アカデミー編)を使いました。一般教養はほとんど勉強せずに、沖縄教員塾で行った模擬試験(3回分)の復習のみをしました。

【音楽専門】

 音楽の専門は、どの分野から多く出題されているのか問題傾向の分析から始めました。学習指導要領と聴き取り問題、楽典は問題数が多いので優先的に対策に取り組んだほうがいいです。また、過去問から同じような内容が出題されることもあるので沖縄の採用試験の過去問は解くことをオススメします。私は、販売されている参考資料(問題集)をほとんど購入しましたが、時間が限られているので全部の問題は解けないので、この分野はこの問題集を使おうなど分野によって、参考資料を変えたら効率よく勉強することができました。まず基礎を固めるために、中学生用に販売されている「教科書トレーニング」(全教科書版)を解きました。これをマスターすると、基礎を確実に理解し、世界の諸民族の音楽や雅楽などの難しい応用問題も理解しやすくなりました。音楽史はオープンセサミシリーズの中学・高校音楽(東京アカデミー編)がわかりやすく詳しく書かれているのでオススメです。楽典に関しては、音大受験用の楽典の問題集を購入し、特に調判定、音程、移調の問題をできるだけ多く解いて力をつけました。聴き取り問題に関しては、中学校や高校の教科書に載っているクラシックはすべて、曲名と作曲者、曲の時代を覚えました。日頃から車の中で聴いたり、勉強しながら聴いたりしていると自然に身体が覚えていて、曲が流れると作曲者や時代背景をいえるようになります。

(3)2次試験対策

【実技】ピアノ・声楽・三線

 ピアノはレッスンに通い課題曲がわかってからすぐに練習を始めました。4月中には暗譜しました。1次試験と並行しながら2次試験の実技の練習も毎日取り組むようにしました。時間は朝7時から11時までの4時間です。1次試験が終わってからは、1日5時間以上練習することもありました。
 声楽は、ピアノの先生に見てもらいながら、声楽の専門の先生に一回見てもらいました。
 三線は、本番前に師匠に一回見てもらいました。
 去年までは正直、1次試験が終わってから実技の練習を始めていました。それでは、気持ちが焦ってしまい、本番では緊張感が半端ではなく演奏が思うように上手くいきませんでした。そこで、今回は課題曲がわかってからすぐに練習に取り組むようにしました。また、緊張感を味わう練習がしたいと思い、これまでの臨任校の音楽の先生方に試験官になってもらい、本番さながらの雰囲気で演奏をさせていただきました。その成果もあってか、本番では心に余裕をもって落ち着いて挑むことができました。

【特別支援教育専門筆記】

 対策としては、学習指導要領と教育支援資料の障害種に応じた指導方法の箇所は確実にマスターするようにしました。また、障害者の権利条約など、教育法規や、特別支援教育に関する沖縄の施策など理解するようにしました。そして、沖縄県の特別支援教育専門の過去問を解きました。今年の特別支援教育専門の筆記試験は、90問と問題数が多い中、時間は30分とこれまで通りだったので、問題を見返す時間もなく焦りましたが、学習指導要領と教育支援資料からの出題は、目を通していた箇所がほとんどだったので落ち着いて取り組むことができました。

(4)3次試験対策

【自己アピール文】

 自己アピール文は、入塾と同時に上高先生からご指導をいただきました。特別支援教育の観点と音楽科の観点から教育現場でどのようなことに取り組んでいきたいかを重視して書きました。2次試験の結果がわかるまでには完成するようにしていたので、3次試験の直前では論文や模擬授業の練習に時間をかけることができました。

【論文】

 3次試験は、今年で3回目の挑戦でしたが、毎回論文で思うような点数が取れずにいたので、論文対策は3次試験対策で一番時間をかけ3月の入塾と同時に始めました。上高先生のご指導はとてもわかりやく丁寧でした。私は、元々文章を書くことが苦手で1本書くにも最初は5時間以上かかっていましたが、何本か練習して書くうちに、評価B以上の論文が書けるようになりました。1次試験までに、5本書くようにして、1次試験が終わってから、3次試験までに10本以上は書く練習をしました。本番では、緊張しましたが、上高先生の予想問題と同じ内容だったこともあり、落ち着いて書くことができました。

【面接】

 面接対策は、2次試験の合格発表後から始めました。塾での対策2回とこれまでお世話になった臨任校の先生方や教頭に2回見てもらいご指導いただきました。そして、3次試験前日に上高先生に1度見てもらいました。面接の内容は、いじめ対策、不登校対策、教師論、学級経営、生徒指導について自分の考えを整理してノートにまとめ準備しました。上高先生にはよく声が小さいと注意されていたので、本番では面接で答える内容以前に特に視線(しっかり試験官の目を見る)、表情、声の大きさを意識して挑みました。

【模擬授業】

 模擬授業対策は、2次試験の合格発表後から始めました。面接の練習と同様、塾での対策2回とこれまでお世話になった臨任校の先生方に3回見てもらいご指導いただきました。そして、3次試験前日に上高先生に1度見てもらいました。模擬授業では、学習指導要領と解説を読んで、この授業を通して、生徒にどのような力を身につけさせたいのかを意識して取り組みました。上高先生や現場の先生方からご指導いただけたことで、授業内容についてはもちろんのこと言葉遣いや立ち振る舞いなど、自分では気づかないことに多く気づかされました。また、教員塾では、模擬授業後の試験官からの質問の練習までご指導いただくことができとても助かりました。生徒への合理的配慮の観点や、授業のねらいは何なのか改めて自分の中で整理することができました。練習の回数を重ねるうちに、心にも余裕がもて表情や話すスピードも変わってきたので、何度も練習を重ねることが大切だと思いました。

(5)おわりに

 私は、教員採用試験対策に本格的に取り組んで3年目にしてようやく合格することができました。自分の力だけではどうすることもできず、上高先生からのご指導をはじめ、これまでにお世話になった臨任校の先生方、家族、友人に助けていいただき支えていただけたからこその結果です。教員塾に入塾してからは、教員試験に合格するぞというモチベーションも今まで以上に高まり、目標に向かってコツコツ取り組むことができました。これも上高先生の時には厳しく時には優しくしていただいたご指導のおかげだと思っております。心より感謝申し上げます。これから、教員採用試験に向けて勉強される方がいましたら、教員塾はオススメです。上高先生をはじめ塾生同士の仲間が必ず合格に導いてくれると思います。私自身、これからも人として教師として成長できるように日々、自己研鑽に努めていきたいと思います。