平成30年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 高等学校国語

はじめに…

 私は、今回の受験が7回目の受験でした。受験に対して本腰を入れ始めたのは、4年前からでした。高校での臨任をきっかけに中学から高校に校種を変更したあたりの頃です。高校は、特に合格のボーダーが中学より上がりますので、「これは今のままではいけない」と考え、自分自身に足りない部分を自覚し、補う努力や選択を行うようにしました。また、先輩の先生に「負け癖をつけてはいけない。」と言われたのも変わろうと思ったきっかけになりました。
 教員採用試験の勉強をしていく上で一番大切なことは、「自分自身に言い訳をしない」ということだと私は思います。ゆっくりでも確実に合格に近づけるよう「今できること」を考え、取り組むことは、誰にでもできることです。

1.一次試験の対策

 一次試験の対策をするにあたって、まずは、自分の苦手を把握することから始めました。私の苦手は、「古典文法」「漢文句法」だったので、まずは大学受験程度の基礎力をつけることを目指し、地元の進学塾に通いました。私の一次試験対策の期間は、進学塾に通っていた基礎期と教員塾に通った発展期の2つに分かれます。以下、それぞれの期間に取り組んだことを分野ごとにまとめます。

○現代文〈評論〉
基礎期 

・使用したテキスト「入試までに必ず読んでおきたい現代文テーマ別 頻出問題集」〈駿台〉
→テキストに載っている文章を形式段落ごとに60字で要約し、簡単な記述問題を解く。
この作業を行うことで、長い文章の要点を押さえるコツを掴めるようになりました。

発展期

・使用したテキスト 塾指定のテキスト、
          「設問から攻める!現代文 私大対策プラクティス」〈駿台〉
          「現代文 読解の基礎講義」(駿台)
→要点を押さえた記述回答を目指して、塾のテキストの合間に取り組んでいました。

○現代文〈小説〉
基礎期

・使用したテキスト 「高校新演習 現代文」
→ 登場人物の心情を表す言葉を入れて、200字程度にあらすじを要約。
この作業を行うことで、人物の心情の変化のきっかけとなる出来事を押さえられるようになりました。

発展期

・使用したテキスト 塾指定テキスト
→授業終了後の復習として、基礎期で行っていたことを繰り返し行い、記述の回答のポイントを押さえるようにしました。

○古典〈古文〉
基礎期

・使用したテキスト「基礎からのジャンプアップノート 古典文法・演習ドリル」〈旺文社〉
         「古典文法習得のための~シリーズ」〈数研出版〉
         「マドンナ古文単語230」
→とにかく繰り返し同じ問題を解きました。助動詞を中心に行いました。

発展期

・使用したテキスト 塾指定のテキスト
          「高校新演習 古典」シリーズ
          「古文解釈 はじめの一歩」〈駿台〉
→毎朝、短い古文の文章を、助動詞や敬語に気を付けて訳していました。本当に時間のない日は、角川ソフィア文庫の古文シリーズを原文で読んで、頭で訳し確認などしていました。角川ソフィア文庫は、本当におすすめです。話の内容が分かりやすく、当時の風習などがコラムで解説されているため、古典常識の知識も同時に学ぶことができます。

○古典〈漢文〉
基礎期

・使用したテキスト「基礎からのジャンプアップノート 漢文句法・演習ドリル」〈旺文社〉
         「漢文ゴロゴ」〈スタディカンパニー〉
→まずは、句法を覚えないと話になりません。ひたすら声に出して句法を覚えました。

発展期

・使用したテキスト 塾指定のテキスト
          「最強の漢文 難関大を目指す」(Z会)
          「漢文 句形とキーワード」〈Z会〉
→基本は、塾指定のテキストの復習、その合間に、それ以外のテキストに取り組みました。また、漢文は中国の思想も多く関連してきます。そのため、社会の先生に頼んで「倫理」等のノートをコピーさせてもらいました。また、「諸子百家」等に関する新書を読むようにして、知識を集めました。

○詩・俳句・国語常識

→特に対策はしていませんが、国語便覧で作風を確認することや、実際の作品に多く触れるために本を読みました。

○学習指導要領・沖縄の文学

→必要な個所をコピーし、修正テープなどを用いて、自身で穴あき問題を作成し、繰り返し解きました。

2.二次試験対策

 今回、初めての二次試験で、時間のない中、何が正解なのかもわからずに進んでいくことがとても不安でした。焦りでうまくいかず、自分の性格の悪いところばかりが前面に出てしまい自己嫌悪ばかりの日々でしたが、上高先生や同僚の先生方、大学時代の友人に支えてもらいながら終えることができました。
 以下対策をまとめます。

○論文

→一次試験が終わってからの取組となりました。去年、自己アピール文は仕上げていたので、改めて見直し訂正等を行いました。その後、本番までに6~7本の論文を書きました。合格点をもらった論文だけを持ち歩き、常に内容を確認しました。論文試験は、県の施策とリンクして書かなければなりません。なので、論文を書きながらが施策への理解を深めることもできました。

○模擬授業

→模擬授業は、塾での練習以外に、勤務先の学校で練習しました。また、市の公共施設等が安く借りることができたため、そこを利用し大学時代の友人に協力してもらい対策をしました。多くの教材に備え10パターンほど授業を作りました。練習の際、よく言われた言葉が「あなたらしくやりなさい」ということでした。「普段の授業通りにやればいい、特別なことはしなくていい」と多くの先生に言われたことを覚えています。本番は、予想外の教材でしたが、その言葉を信じ、開き直っていつも通りの授業を行うことができました。

○面接

→面接に関しては、塾での練習以外に、勤務先の学校で練習しました。過去の面接項目に対する答えを用意しましたが、特に力を入れたのは、志望動機をわかりやすく伝えることでした。志望動機は、完全に「自分だけのもの」です。ここが「私」をアピールできるところだと思いました。

3.生活

 生活については、特に変わったことはしていません。しいて言えば、平日7時には学校に出勤し、職朝までの時間を自習時間にあてたことくらいです。また、塾の日も1時間ほど早めに行って自習に取り組んでいました。それ以外の勉強は主に図書館で行っていました。

さいごに…

 学問とは、「人に教えを受け、自分でも努力すること」だと思います。塾に通うだけで満足するのではなく、自分自身で学ぼうと努力しなければ何も身につかないと、受験勉強をしていて学ぶことができました。私は常に「今、何ができるのか」という考えを前提に対策し、行動することを心掛けてきましたが、「勉強を楽しむ」という気持ちも同時に持つようにしてきました。楽しみながら、できることをしっかりやる、それだけで取り組む姿勢が少し変わってきます。私自身、採用されたこれからが勝負だと感じています。今以上に謙虚な姿勢で、努力を続けていきたいと思います。