平成29年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 小学校

(これまでのこと・数年を振り返って)

 私は約2年前の平成27年9月に、沖縄教員塾の1期生として入塾しました。入塾するまでは、教職教養や学習指導要領、専門科目の知識問題の勉強方法があまり分かりませんでした。入塾してから教員塾のテキストや知識問題に関する勉強方法を上高先生からアドバイスしていただき、少しずつ勉強の方法を身に付けていくことができました。しかし去年の一次試験は合格することができましたが、二次試験で不合格となり、今年二度目の二次試験で合格することができました。

(試験まで)

① 一次試験対策

 私が教員塾に入塾して最初に取り組んだことは、過去問を何問か解いてみて沖縄県の選考試験の問題の傾向を把握することと、自分が苦手な専門科目を把握することでした。試験本番同様に110分間計り問題を解いてみて、解答はしっかり理解できるように丁寧に行いました。解答・解説を読んでも分からなかった問題は上高先生に教えてもらいました。過去問を解いてみて、私が苦手な科目は数学・理科・社会だったので、そこの知識問題を重点的に勉強しました。私が最初に利用したテキストは「オープンセサミ教員採用試験 参考書」「オープンセサミ教員採用試験 問題集」でした。しかし初めは各教科の基礎が身に付いてなく、テキストの問題を解くことが難しかったので自分に合った参考書やテキストを見つけて勉強しました。私が利用したテキストは、家庭教師のトライ「トライ式逆転合格! 数学30日間問題集」、「トライ式逆転合格! 理科30日間問題集」、学研「ひとつひとつわかりやすく・理科」、学研「高校入試ランク順 中学社会科用語」でした。買ってきたテキストを1週間でここまでやると目標を決めて勉強に取り組みました。基礎がある程度身に付いたなと感じたら、「オープンセサミ教員採用試験 問題集」に再度取り組み問題を解いていきました。また、「オープンセサミ教員採用試験 参考書」は過去問を解いた時の解答・解説の辞書代わりになり、非常に便利でした。ある程度テキストに取り組んだ後は、同時進行で過去問を解いていき、入塾1年目は過去問15年分を繰り返し解いていきました。定期的に行われる塾の模擬テストも解答・解説を丁寧に行い、繰り返し解いていくことで得点も少しずつ上がるようになってきました。2年目の勉強は基礎がある程度身に付いてきたと感じてきたので、過去問、模擬テストの復習を中心に行いました。1年目にはあまり手を付けることができなかった全国の過去問を、2年目には取り組みました。協同出版の「全国版 小学校教諭の精選実施問題」は全教科の色々なパターンの問題があり、非常に実践的であり一次試験対策で効果的だと感じました。
 学習指導要領・学習指導要領解説・教職教養の勉強は塾からのテキストで勉強しました。2年間勉強してみて大事だと感じたことが、与えられたテキストを溜めずに丁寧に問題を解いていくことです。間違えた所は1回だけノートに書いて、今度は絶対に間違えないように意識したり、マーカーでテキストにチェックを入れたりしました。教職は時事通信出版局「教育用語の基礎知識」で意味をしっかり理解し、間違えた所を覚えるようにしました。学習指導要領・学習指導要領解説・教職教養では意味を理解しながら勉強することで得点が上がってきたように感じます。1週間に1回ある教職のミニテストは、間違えた所を次は間違えないように反省して復習をしました。ミニテストの結果を見ることで自分の勉強意欲も上がったと思います。
 このように専門・教職教養を勉強してきたのですが、私が感じたことは自分に合った勉強方法は自分でしか見つけられないということです。自分に合った勉強方法を見つけるためには、勉強時間を増やして毎日継続して勉強することだと思います。今回紹介したテキストも私には合っていたのですが、他の人には合わないということもありました。塾にある参考書や本屋にある参考書を見て、いち早く自分に合ったテキストを見つけることが大事だと思います。当たり前のことかもしれませんが、合格するためには勉強時間を増やすことです。そうすれば、勉強方法・勉強の質も試験の点数も上がります。

【使っていた教材】

・塾からもらう教材(指導要領・教職教養)
・「オープンセサミ教員採用試験 参考書」「オープンセサミ教員採用試験 問題集」・・・塾の指定テキスト。
・学研の「ひとつひとつわかりやすく・理科」・・・塾にある。
・協同出版の「全国版 小学校教諭の精選実施問題」・・・塾にある。オススメ
・家庭教師のトライ「トライ式逆転合格! 数学30日間問題集」、「トライ式逆転合格! 理科30日間問題集」
・学研「高校入試ランク順 中学社会科用語」
・時事通信出版局「教育用語の基礎知識」・・・教職教養の勉強で使う。

② 二次試験対策
【一次試験前まで】

 一次試験対策に必死で二次の対策はできませんでした。

【一次が終わって結果が出るまで】

 1年目の二次試験で特に論文の点数が悪かったので、論文を中心に一次試験翌日からすぐに書き始めました。また、同時進行で面接の答えを書いていきました。体育実技、音楽実技の練習は数回のみであまりやっていません。二次は、面接、模擬授業、論文で合否が決まるので、一次が終わったらすぐに論文、面接の答えを書いた方がいいです。合否が出てからでは、この二つと試験約1週間前に出る模擬授業の対策が難しいので、論文と面接の答えはすぐに書き始めるべきだと思います。

【一次試験の合格後】

 二次対策も沖縄教員塾でお世話になりました。また、同じ塾の仲間と模擬授業の対策を立てたり、二次試験に受かった教員仲間と模擬授業の練習、面接の練習をしました。論文も引き続き何度も書きました。

≪論文≫
 自己アピール文から仕上げ、論文の課題順に順番よく書いていきました。1年目は論文の書き方を理解するまで時間がかかりとても苦労しました。私は1年目も2年目も論文は一次試験後に書き始めたのですが、できることなら一次試験勉強中から書き始めることを強くお勧めします。1年目、二次試験不合格だったのも対策が遅かったからだと思います。

≪面接≫
 面接の質問をパソコンで打って印刷し、答えを書いてノートをつくりました。100問以上ある面接の答えを自分の考えとしてまとめるためには、質問に対ししっかり考えて書かないと面接では答えられないと感じました。ノートを書いた後は、それを丸暗記して答えるのではなく、自分の言葉で簡潔にまとめて答えることが大事だと思います。必ず質問される「英文のスピーチ」「1分間の自己アピール」「本県の教員を志した理由」は何度でも自信を持って答えられるくらい練習しました。また、面接で一番大切な明るく、元気よく、大きな声で答えることを意識して練習しました。

≪模擬授業≫
 2年連続、模擬授業の課題は5学年の社会科でした。去年に比べて一次試験の合格発表が遅く、模擬授業の課題が分かったのも二次試験の一週間少し前だったのでとても焦りました。課題が分かったその日に社会科の教科書(赤本)を取り寄せました。そして一次合格した塾の仲間と、社会科の学習指導要領解説を参考に本番の授業で出題されそうなところを考えたり、授業方法(略案の書き方、導入から「めあて」までの流れ、資料の使い方)を相談しました。また、二次試験に受かった教員仲間と模擬授業の練習を何度もしました。練習で意識したことは、子どもたちの目線で授業をすることでした。教師主導の授業ではなく、子どもたちの考えを拾ったり、それに答えたり等、普段授業をしている子どもたちだったらどう答えるだろうと意識しながら練習に取り組みました。また面接と同じように元気で明るく、大きな声で授業をするように心がけました。

≪実技≫
 体育・音楽の実技の練習は、論文・面接・模擬授業に比べてほとんどやりませんでした。マット運動は知り合いの先生に指導していただき5回練習し、水泳は1回しか練習しませんでした。音楽は弾き歌いがあるので、知り合いの先生に自分のキーに合わせて楽譜を書いてもらいました。リコーダーは時間があるときに練習しました。音楽の実技は本番でとても緊張するので、知り合いの先生の前でピアノやリコーダーを披露する練習もとても効果的だと思います。また体育の実技では、苦手でも頑張る姿勢を審査員の先生方に見てもらうことが大事ではないかと思いました。私は今年のマットの実技ではグループの中で一番大きな声で受験番号と名前を言おうと決めていました。これは今回マットを指導していただいた先生からのアドバイスでした。

 私が今年の選考試験に合格できたのは、上高先生に2年間お世話になり指導していただいたのと、去年二次試験で不合格になり悔しい思いをしたからだと思います。去年二次試験に不合格になってから、改めて自分を見つめなおし、子どもたちとさらに真剣に向き合うことを意識しました。今年は「なぜ教師になりたいのか?」という気持ちが去年と比べて強くなったと思います。教員塾で選考試験の勉強をするためには「教師になりたい」という強い意志が必要だと感じます。また、長い試験勉強で気持ちが途切れないように、自分のモチベーションを保つことも大切だと思います。教員塾で勉強をしてみて、目標を持って毎日こつこつ勉強することが合格への近道だと感じました。2年間教員塾で上高先生に勉強以外にも教師としての心構えなど多くのことを学ぶことができ、大変感謝しています。