平成29年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 小学校

【はじめに】

 私は、志望校種を高校数学から小学校に変更して合格しました。校種を変更する際に考えたポイントは次の3つです。①自分が教員になってやりたいことは、校種変更してもできるか、②校種変更してこそ活かせる自分の経験、③自分が試験に何年費やせるのかということです。自分の理想の人生像を持つことで、自信を持って校種変更することを判断しました。私の体験が、校種変更を検討されている方等の参考になれば幸いです。

【1次試験】

1.小学校全科

 学習指導要領と理科と社会科に力を入れました。学習指導要領は、教員塾の『学年の目標』の教材を10回解きました。理科と社会科は、『教員採用試験対策オープンセサミシリーズ 専門教科 小学校全科』の理科と社会科を10回解きました。辞書は広辞苑を使いました。新聞はできるだけ毎日見るようにました。ちなみに、小学校の専門教養は、国語と数学の問題が多く出題されます。前年の志望校種が功を奏して、安定した得点につながりました。

2.教職教養

 教員塾の授業が中心でした。教材に書かれていない授業中の説明をメモしました。配布された新聞記事は、授業内にできるだけ読みました。理解が浅いと感じた言葉は辞書や本で調べるなどして、必要なときにその言葉を思い出す手がかりを増やすようにしました。

3.一般教養

 模試の復習が中心でした。

【筆記試験の対策で使用したテキスト】

・沖縄教員塾の小学校全科テキスト
・沖縄教員塾の教職教養テキスト
・沖縄教員塾の模擬試験
・教員採用試験対策オープンセサミシリーズ 専門教科 小学校全科
・マイスタディガイド中学社会 学研教育出版
・マイスタディガイド中学理科 学研教育出版
・社会科中学生の歴史 日本の歩みと世界の動き(帝国書院)
・中学生の歴史ワーク 下巻(帝国書院)

【2次試験】

 1次試験の前から、理想の教員像や人生像について毎日考えました。理想を思い描くことは、試験対策の中で一番大切だと考えます。1次試験後から1次試験結果発表までは、面接試験と実技試験と論文の対策に力を入れ、1次試験結果発表後は、面接練習と模擬授業対策を行いました。

1.面接調書

 理想の教員像や人生像について考えを深めながら、10回は清書しました。

2.英語文

 1度作成した後に、より分かりやすい表現を探して10回は清書しました。

3.面接対策

 面接の過去の質問60問程に対する考えを書きました。過去の質問のうち20問をノートに書きました。志望動機や理想の教員像など重要度が高いものは、約10回書きました。移動中や空いた時間には、自分の理想の教員像や人生像などについて考えました。

4.器械体操

 出勤前の8時から15分間、職場の体育館で練習しました。怪我や疲れがない程度に、継続することを優先しました。自分の演技の動画と教科書を見比べるなどして振り返り、毎回意識するポイントを絞って取り組みました。また、体育科の先輩が教えてくださったことを積極的に実践し、自分に合った方法を見つけて行きました。

5.オルガン

 昼休みに30分間、職場の音楽室で練習しました。怪我や疲れがなく継続することを優先しました。自分の演奏を撮影した動画と楽譜を見比べるなどして振り返りました。また、音楽科の先輩が教えてくださったことを積極的に実践しました。人前で練習したのは4回でした。人前で演奏すると緊張感で予期せぬミスをすることがわかりました。

6.模擬授業対策

 出題は、社会科の歴史からでした。はじめに出題範囲の内容の全体像の把握をしました。そして中学校の教科書や参考書で重要な出来事を深く調べていきました。高校までを見通した授業をする意識で教材研究をしました。高校の社会科の先輩から、沖縄県の小学生に小学校段階でもこれは知っていてほしいと思う内容等も伺い、自分なりに解釈していきました。また、琉大附属小学校で行われた公開授業や授業研究会に4回参加しました。小学校の現場から4年離れていたため、授業中の児童のイメージを持つためでした。そこでの収穫は、全国から集まった先生方の単元に対する考えが伺えたことと授業で行っている合理的配慮が見られたことでした。自分の特別支援学校での勤務経験が、小学校で活かせると感じることができました。

【生活】

 私は、特別支援学校で臨時的任用教員をしながらの対策でした。子育てや介護はなく、仕事以外の時間を自由に使うことができる状況でした。半年間の対策時間は、平日6時間・休日12時間でした。平日の対策場所は、朝起きてすぐ1時間は家で、18~23時の5時間はカフェを利用していました。勉強する間はスマートフォンの電源を切るか、持たないようにしていました。受信したメールは、就寝前にまとめてみました。
 行きたい飲み会や食事会には参加しました。飲み会後や翌日の学習のために、1時間半と時間を決めて参加しました。1時間半あれば、話したい話ができて十分に楽しめると考えるからです。お酒は好きですが、試験を優先して過ごすうちに自然と量が減りました。

【おわりに】

 校種教科に関わらず、大切なのは理想の教員像だと考えます。理想は筆記試験対策のモチベーション維持につながり、最終試験に直結しました。理想を軸に、優先順位をつけることで良い結果につながりました。