平成29年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語

 私は、大学を卒業して1年間は特別支援員として勤め、3年間は臨任として中学1年生から3年生までの担任を経験し、その間授業は2学年を掛け持ちで行っていました。毎年、今年こそは合格したいと思いメセナ予備校をはじめ勉強会や通信等で対策を行いました。その中で、自分に合っている勉強法を考えながら5年間取り組んできました。しかし、思うように結果が出ませんでした。そして、採用試験に向けて集中して取り組もうと考えてから、実家暮らしだったので、臨任期間中にお金を貯め、2016年4月から臨時を辞めて独学で7月の採用試験に臨みました。しかし合格することはできませんでした。諦きれなかった私は、採用試験に合格した先輩に相談し、沖縄教員塾を紹介していただきました。講師は上高先生と聞いてメセナでお世話になっていたこともあり、授業中に指名するので嫌だなと思っていました。しかし、このままでは一生合格することはできないと感じたため、10月に面接を行い12月に入塾の申し込みをしましたが、専門教科を受講する生徒が多かったため、2017年1月から全日制会員として専門教科と教職教養を受講しました。入塾後も母親に負担をかけたくないと思い、那覇に住んでいる叔母に相談して、叔母の家から塾に通いながらアルバイト代と貯金で生活していました。また1日平均10時間学習することを心がけ毎朝6時に起床し学習に取り組みました。1月から6月は午前中のみアルバイトを行い、それ以外の時間は採用試験の課題に取り組みました。7月はアルバイトを辞め9時から22時まで塾に通い学習をしていました。月曜日は塾には行かず家で学習していました。授業では上高先生の指名によるプレッシャーと緊張感で冷や汗をかくことが多々ありましたが、厳しい環境に身を置くことで自分を追い込み、基礎基本を定着させ学習することができたと思います。私は全日制会員だったので、上高先生に、調べても理解できなかったものを質問しながら授業の復習に取り組みました。真剣に採用試験に合格したい場合、学習する時間をしっかりと設定することが大切だと思います。また、採用試験の問題は要領よく効果的に学ぶことが大切です。採用試験に向けて取り組んだ期間、上高先生をはじめ家族や友人たちにたくさんお世話になりました。感謝の気持ちを忘れず一日一日を大切にしながら子どもたちの未来を考えこれからも学び続ける教師として過ごしていきます。

・一次試験

使用したもの【問題集・辞書・国語便覧・ノート・赤い下じき・付箋紙・筆記用具】

1、学習指導要領

 学習指導要領は、4月に入ってから「最新のもの」という掲載があり、急遽新しい学習指導要領を覚え直すため毎朝6時に起床し音読を行いました。また、学習指導要領の空欄問題を作成し繰り返し書いて覚えました。塾での指導要領の確認テストは必ず満点を取るように意識して学習しました。

2、専門国語
①現代文・評論文

 学習するページを印刷しノートに貼り付けて上高先生の説明とプリント、板書を見聞しながら線を引いたり必要な項目を書き加えたりしながら授業に取り組みました。また、その日の夜に授業で行った内容を復習し、次の日の朝、再度問題を解いて間違えた場所をノートに書き出して自分の苦手なところを整理しました。

②古文・漢文

 古典が苦手だったので高校で使用したテキストなどを活用して徹底的に基礎基本の復習を行いました。授業後は習った内容を全てノートに写本し、文法や語句の意味を辞書と上高先生のプリントを用いて一つ一つ理解していきました。寝る前や移動時間を利用して「ゴロゴ」や「マドンナ」の聞いて覚える古文単語を利用し単語を覚えたりアプリを用いたりして覚えました。漢文は、授業で使用する教材を使用し復習していきました。

③国語常識

 毎回行われる漢字テストのすべての漢字の意味を調べプリントに記入しました。週に2回くり返し問題を解き間違えた漢字は誤答ノートに記入して苦手な漢字の復習を行いました。国語常識問題は上高先生が用意しているプリントのみで復習し、国語便覧や辞書を使用しながら歴史的背景や意味の確認を行いました。

3、教職教養・一般教養

 上高先生が用意してくださる教材に付箋をつけ必要な文章を探せるように工夫し取り組みました。似ているような表現や法律があるので、上高先生の説明を聞きながら違いを比較して覚えました。一般教養は、同じ期間に塾に通っていた先輩からいただいたテキストやランナーなどの問題集を使用し学習しました。

・二次対策・・・【体調管理と精神力の安定が重要】

必要なもの(ノート・ファイル・単語暗記用紙)
1次試験中に取り組むこと。(論文・面接の返答・各学年の教科書を見る)
1次試験後に取り組むこと。(教室の借用許可・情報収集・板書計画・面接練習)

1、論文

 塾で一次試験対策と同時進行で論文を書き始めましたが、もともと論文を書くのが苦手で内容のしっかりした論文を書き上げることはできませんでした。一次試験を終えてから、下書きをノートに書いたり、例題集を見たりして論文に取り組みました。最初の課題はなかなか合格がもらえず10回ほど書き直して、やっと合格をもらうことができました。諦めずに論文を書き上げられたのも上高先生の丁寧で的確な指導のおかげです。指導を受けてからは、少しずつ生徒の実態に応じた取り組みや生徒の変容について書けるようになり課題として挙げられた論文を全て書くことができました。本番では緊張してしまって書きたかった内容と少し異なってしまいましたが、最後まで書き上げることができました。臨任をしている場合、日々の経験と論文に使える材料をノートにまとめて書き残しておくといいと思います。

2、面接

 一次試験後から取り組みました。志望動機や自己アピールなど基本的な質問事項は決まっているので、余裕のある人は一次対策と同時進行してもよいかもしれません。私は、去年合格した先輩から話を聞いて単語暗記用紙を使用しました。表には質問事項を記入し、裏には返答をメモ書きして面接練習を行いました。お風呂や家など1人のときは笑顔を意識して大きな声で鏡の前で面接の練習を行いました。また、家族に面接官をお願いして毎日15分程度の面接練習を行いました。塾では、上高先生と模擬面接の練習を行いました。本番以上に緊張しました。初めての模擬面接で先生方から「表情が今にも泣きそう」「声が小さい」「早くこの場から逃げたい」という思いが伝わるなど厳しい講評をもらい自分の至らなさと準備不足を痛感し、諦めずに何度も友人や姉弟と面接練習をしたり同塾の先輩からアドバイスをもらったりしながら面接の練習を行いました。また、上高先生や照屋先生、仲間先生から激励の言葉をいただき、本番は適度な緊張はありましたが、気を楽にして落ち着いて質問に答えることができました。

3、模擬授業

 一次試験の合格発表が例年よりも遅く、二次対策期間も少なかったのですが、同じ塾生の授業を見て相談やアドバイスし合いながら板書計画を行いました。また、沖縄国際大学や地元の中学校、弟や友人の勤務先の高校など黒板のある場所を借用して何度も模擬授業の練習を行いました。さらに、上高先生との模擬授業は本番よりも緊張しましたが、先生方の講評を受けて授業を改善することができました。本番では、程よい緊張感の中で授業を行うことができました。

・その他

 私はこれまで経済的にも気持ち的にもゆとりがなく、大学時代は奨学金を借りてアルバイトを掛け持ちしながら教員になるための資格を取得してきました。大学を卒業してからは、臨時的教諭として生徒や先輩の先生方とたくさんの日々を過ごしてきました。そのため、採用試験に集中するため現場を離れることを決意したときは、約1年半仕事をせずに過ごすことに対する恐怖や不安がありましたが、行動あるのみと思い臨時を辞めました。辞めてからは、母をはじめ叔母やアルバイト先の方々から激励の言葉や姉弟や親戚、友人たちが私の体調を気にかけて連絡をくれたり、休みの日は食事に誘ってくれたりしました。塾では、一次試験を合格した塾生で情報を交流したり、助け合ったりすることが多くありました。このようにたくさんの方々の支えのおかげで採用試験に集中して取り組むことができました。
 現在は、結果を出せたことへの安心感と達成感を味わっています。一次試験合格後は、臨任希望を事務所に提出していたので、二次試験を終了してすぐに臨任の依頼をいただき、9月から中学3年生の担任をしています。久しぶりの現場で戸惑うことが多く、ドラマがあったり面談や進路指導があったりと多忙な毎日ですが、職場の先輩方に支えられながら楽しんで勤務しています。
 最後に、長期間にわたり指導してくださった上高先生に心から感謝しています。ありがとうございました。このような貴重な経験を一生忘れません。合格した今、生徒たちのために何ができるのかを考えながら、学び続ける教員になるため日々精進していきます。塾生の皆さんの合格を祈っています。合格目指して頑張ってください。