平成29年度実施 沖縄県公立学校教員候補者選考試験 合格体験記 中学校国語

○はじめに

 採用試験の勉強に取り組んだのは、今年が初めてでした。学習指導要領などは手元に揃えていましたが、特に何もしないまま毎年試験を受けるだけでした。一念発起し、「このままではいけない、今年絶対に受かる!」と決めて沖縄教員塾に入塾しました。教職教養、専門教科の知識の蓄積はほぼなく、本当にゼロからのスタートでした。

 県立学校勤務 入塾…11月~ 専門国語…1月~
 専門国語は定員に達しているということで、11月に教職教養のみ、主に木曜に通っていました。定員が空いた1月に専門国語の授業を週に2回、教職教養とあわせて週3回塾に通いました。
 3月で臨任が切れ、履歴書は3ヶ所出していましたが連絡がなかったので、4月から8月まで勉強に専念することができました。

1 一次試験
(1)一般教養・教職教養

 一般教養は勉強せず、なんとなく問題集を眺めたりした程度。
 教職教養は、塾の教材、用語集のみを使用。人物など固有名詞は、何度か書いて覚えました。
 とにかく初めて知ること、覚えることが多過ぎて、復習がなかなか追いつかず効率が悪かったです。かなり焦りましたが、合格者から「とにかく専門が大切。そこで点を取れなければ厳しい」というアドバイスを聞いて、専門に多く時間を割きました。別の合格者からは、「教職教養が大切」というアドバイスも聞きましたが、私は自分の状況を見て、教職教養は授業に集中して勉強(暗記)し、翌週の確認テストのために、1度だけテキストを見て復習をしていました。直前期は、問題形式で最頻出は正解するよう、間違えた問題を繰り返しました。

(2)専門

・指導要領
 満点を目指して、コピーした指導要領に空欄を作り、問題形式で何度も見ていました。書いたり、テープレコーダーの録音を聞いたりする方法は私にはあまり合わず、常に一問一答で答えを即時確認していました。

・現代文
 塾のテキストのみ。文章を読むスピードが遅い、と塾生全体にアドバイスがあり、速さを意識して読みました。自信を持って解答できなかった問題は、初発の感覚で解き、問題文を何度も読み返したりしないようにしました。そのような問題は、時間をかけて解答を変えても、結局正答している確率は低かったからです。

・詩歌
 図書館で本を読んだり、過去問に出てきている俳句、短歌を見直したり、季語の確認をしていました。

・漢文
 句形を覚える、基礎の繰り返し。塾のテキストの問題をノートに写したりせず、基礎の参考書と、塾のプリントを繰り返し、間違った句形は、小さなノートにまとめ、隙間時間に見ていました。

・古文
 単語や活用表を覚える。間違った問題を繰り返す。入塾当初、問題の要旨がつかめず、記述式の問題がなかなか解けませんでした。単語力が不足していると指摘を受けて、単語の細かい確認、時刻など古典の基礎知識を参考書で見直しました。特に単語は、辞典(参考書)に載っている訳し方をするように注意しました。頻出単語や、間違えた単語は単語カードで覚えなおしました。

 問題を解くときは、慌てないこと、問題文をよく読むことも心がけました。試験本番に力を出し切れるように、時間配分を大切にし、毎回が試験本番のつもりで取り組んでいました。
 ある時、「塾の授業を受けている時間は勉強していない、復習からが勉強だ。」という旨の上高先生の言葉に衝撃を受け、勉強に対する意識が変わりました。復習こそ勉強、塾の講義日程が全て終了してからの数日は、勉強方法が合っているか不安になりましたが、過去問に食らいついて、今までの講義で学んだ力を出そう、と復習に意気込みました。

○気分転換

 仕事がなくなった4月からは図書館で勉強していました。疲れたら、漫画になっている百人一首の解説を読んだり、作家の紹介をしている本を見て、作品名と作者の一致をはかったりしていました。

2 二次試験
(1)論文

 一次試験の自己採点をしたあとから書き始めました。はじめはなかなかうまくいかなかったので、採用試験の論文はどのような論文がいいのか、合格者に聞いたところ、「構成がしっかりしている、最初から最後まで一読して、止まらずに誰が見ても内容が分かる論文」が良い論文ではないかとアドバイスをもらいました。
 序論・本論・結論の3本柱で書けるように練習しましたが、なかなか進まず、仕上げたのは2本程でした。

(2)面接

 塾のテキストである一問一答を全て埋めて、キーワードで覚えるようにしました。また塾の本棚にある、本を色々見て参考にしました。とにかく私は「声を大きくする」「質問内容をよく聞いてから答える」という評価をいただいたので、「声が大きすぎて落ちる人はいない」と言い聞かせて本番にも臨みました。指導の場面でどう答えるかなど、質問内容を自分自身の言葉でうまく具現化できず、苦しみましたが練習を重ねることで少しずつ自信を持てるようになりました。

(3)模擬授業

 人がいる場所での練習は、しないと損です。まずは黒板の前に立ち、「私は落ち着いて授業ができるぞ!」という気持ちを作っていきました。自宅でも、人の前に立つ環境を作り、協力してもらいました。
 私は中学校での授業をしたことがないので、課題の到着後は、たとえば「慣用句」の単元を全ての出版社分を確認し、どのように出題されているのか調べていきました。授業をする際は明るい表情、明るい声色でゆっくり話すなど、全て生徒が目の前にいるかのように常に意識しました。

○高校から中学への変更について

 採用試験勉強の経験なし。入塾の面談の際に、過去の採用試験の結果を持参し、この点では無理だと上高先生にはっきり言われ、自分の年齢も考えて中学に変更しました。しかし、中学校での勤務経験がなく、高校生や特別支援の子どもたちと関わりたいという思いはなかなか断ち切れず、ずっとモヤモヤしていました。本当に踏ん切りがついたのは、年明けの実力テストだったと思います。「勉強していて、この点数なら向いていない」「他の仕事を探した方がいい」という旨のアドバイスで、目が覚めました。他の仕事をしている自分を想像したり、学校以外で子どもと関わる仕事を考えたりしました。そこで、やはり学校現場で子どもと関わりたい、どこで採用されてもその場所で求められているのだと考え、納得して勉強に励むことができました。

○おわりに

 沖縄教員塾に入って、自分を見つめ直し、上高先生をはじめ多くの人に助けられ、支えられ、試験に合格することができました。とにかく、学習時間を確保しなければならない。確保したあとは、自分に最適な勉強方法を見つけなければならない。悩んだり、落ち込んだりしても、勉強しなければならない。「絶対に教員になりたい!」という気持ちがあれば、道は拓けると思います。私は「自分で自分に期待する」と常に明るい気持ちを保って、絶対に合格できると信じて勉強をしていました。これからも学び続け、子どもに良い影響を与えられる教師を目指していきます。ありがとうございました。